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日経記事;『新型電池 実用化にメド 東工大など 携帯電話、長持ち』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月22日付の日経新聞に、『新型電池 実用化にメド 東工大など 携帯電話、長持ち』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『海水に豊富に含まれるマグネシウムを電極に使う新型の電池を矢部孝・東京工業大教授らの研究チームが開発し、さいたま市で21日までに、この電池を動力とする車の走行試験に成功した。

マグネシウム電池は理論上、電池の主流であるリチウムイオン電池の約7倍の電力を取り出すことができる。新たなエネルギー資源として注目されており、実用化にめどを付ける画期的な成果だという。充電はできないが、携帯電話なら1カ月もち、電気自動車は500キロ走行できる見通しだ。

マグネシウムは軽い金属で電極にして塩水に漬けると電池になる。ただ従来のマグネシウム電池には大量の塩水を数時間おきに交換する必要があるなどの問題があった。

矢部教授は藤倉ゴム工業(東京)と共同で研究。薄いフィルム状のマグネシウムをロール状に巻き、テープレコーダーのような仕掛けで少しずつ送り出して塩水と持続的に反応させ、塩水を交換しなくても長時間使える電池を実現した。

さいたま市岩槻区にある同社岩槻工場で20日、この電池を動力とする試験車で性能を確認した。電池は縦34センチ、横17センチ、厚さ2センチで重さは800グラム。40個載せて560ワットの電源にすると、重さ約200キロの車がスムーズに走った。』


最近、国内研究機関や関連企業が、相次いで新型蓄電池技術の開発・実用化に向けた動きを発表しています。

本日の記事もその一つになります。

マグネシウムを電極に使う電池は、記事にありますように、理論的にはリチウムイオン電池の約7倍の電力を取り出せるとされていました。しかし、実用化には、塩水を頻繁に交換する必要があり、ほど遠い状況でした。

今回の試作では、東京工業大学の矢部教授と藤倉ゴム工業が開発した薄いフィルム状のマグネシウムをロール状にすることで、実用化の目処をつけたとのことです。

マグネシウムは、海水からほぼ無尽蔵にかつ低コストで採取できますので、マグネシウム電池は低価格で実用化できる可能性があります。

生産コストが低減化できれば。一種の使い切り型電池として活用できます。但し、マグネシウムを使った電池の事業化には使い切ったマグネシウムを元に戻す循環サイクルの確立が前提条件になります。

本日の記事にあります東京工業大学の矢部教授は、マグネシウムを用いてエネルギーを貯蔵し、これを電池や発電に使い、使用済み燃料を太陽光等の自然エネルギーで元のマグネシウムに戻すリサイクルシステムを提案しています。

矢部教授は、このリサイクルのやり方を、自然エネルギーを貯蔵するという「マグネシウム循環社会」構想として発表しています。

また、矢部教授は、記事にありますように、蒸着されたマグネシウムフィルムをテープレコーダーのように巻き取りつつ発電していく方式を、マグネシウム燃料電池と命名しています。

マグネシウム燃料電池の利点は、高効率であること、使用していない状態でのマグネシウムの劣化がなく、長時間の停止状態からすぐに再開できること、熱暴走などにより電池全体が損傷したり火災の危険などの問題のないことなどの特徴があるとされます。


蓄電池が社会インフラとして普及するには、蓄電時間の長時間化と低コストの両面での課題達成が必要になります。

これら二つの課題を達成できる蓄電池が開発・実用化されますと、個人の生活からビジネス用途のさまざまな場面で、蓄電池が社会生活・活動を支えることになります。

今後、環境対応と海外の天然資源への依存度低減、輸入コストの削減などの点から、再生可能エネルギーによる発電・送電・消費の重要性が増します。

太陽光発電だけでなく、地熱発電や風力発電などの事業を拡大しつつ、より高効率な送電を実現する材料や装置の開発・実用化、より効果的に電気を消費する(節電する)装置の開発・実用化など、解決を要するいろいろな課題があります。

電池も上記発電から消費までの全過程で、電気を貯める機能として重要な役割を担います。高性能、高機能な電池を開発・実用化するには、材料や加工方法、高耐久性などの多くの技術的課題をクリヤーする必要があります。

同時に、このことは蓄電池事業が、材料から加工・製造に至るまで、すそ野が非常に広い産業集積であることを示しています。国内関連企業が新型蓄電池の開発・実用化に成功することは、大きな新規事業機会を得ることになります。

蓄電池に対する需要は、世界市場で強いものがありますので、国内関連企業が電池事業で社会インフラを抑えることは、大きな意味があります。

蓄電池技術は、まだまだ発展途上にありますので、国内企業は常にフロントランナーで走り続けて、世界市場をリードし続けることが重要であり、必要です。

最近の動きだけをみても、以下のように新規技術の開発・実用化が進んでいます。以下の情報は日経新聞からの抜粋です。

・NECと積水化学工業、電極材料メーカーの田中化学研究所、産業技術総合研究所は約2倍の容量となる次世代のリチウムイオン電池を試作した。
電気自動車(EV)に搭載できれば、今の大きさで走行距離は2倍になる。携帯電話で使うよりも大きな電池を作り性能を確かめた。据え置きの大型電池やEV向けなどで2020年の実用化を目指す。(2013年10月1日付)

・大阪大学や京都大学はそれぞれ、リチウムイオン電池の数倍の蓄電性能を持つ「多価イオン電池」と呼ぶ新型電池の技術を開発した。
従来は数回しか充放電できなかったが、プラスの電極(正極)の材料や構造を工夫し、数十~100回と実用的な水準に延ばした。1回の充電でガソリン車よりも長い距離を走る電気自動車の実現に欠かせない次世代電池の有力候補になるとみている。(2013年10月8日付)

・産業技術総合研究所は五鈴精工硝子(大阪市)と共同で、リチウムイオン電池の容量を約2倍に増やすマイナス電極を開発した。スズとアンチモン、硫黄を含むガラスで仕上げた。電池を試作して性能を試したところ、実用水準とされる100回の充放電に耐えた。電池メーカーと協力し、5年後には航空機や建設機械の電源として実用化する。(2013年11月11日)など

新型蓄電池の開発・実用化は今後も加速し続けています。多くの国内関連企業が切磋琢磨して競争しながら、新規市場を開拓・巨大化することを大いに期待しますので、今後も注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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