日経記事;『インフラ輸出重視 日本、成長力を取り込み 日ASEAN特別首脳会議』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『インフラ輸出重視 日本、成長力を取り込み 日ASEAN特別首脳会議』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月15日付の日経新聞に、『インフラ輸出重視 日本、成長力を取り込み 日ASEAN特別首脳会議』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議では、域内の統合を促す国際インフラ網の整備や防災対策など、日本が強みを持つ分野で経済支援を加速することでも合意した。

これまでの規模重視の経済支援から具体的なプロジェクトに焦点を絞った戦略に転換。域内の成長力底上げに貢献しつつ、日本企業の進出を後押しする。

安倍晋三首相は会見で「ASEANは今や世界の成長センターとなった。経済関係において対等なパートナーとしてともに発展していく」と言及。域内の経済発展と日本経済の成長の両立を目指す方針を強調した。

背景には日本と東南アジアとの関係の変化がある。高い成長をとげる東南アジアに対し、日本の経済は停滞。厳しい財政事情もあり、日本の政府開発援助(ODA)は予算ベースで14年連続で減っている。

すでに東・南西アジア向けODAは約1兆1500億円(供与額べース)と全体の75%を占めるが、より効果の高い分野に重点配分し、成長を取り込む狙いだ。

今後5年間で2兆円規模のODAを投じるうち、目玉の一つが、2015年のASEAN統合をにらんだ域内のインフラ整備支援だ。日本はメコン川地域に対して総額2千億円規模の支援を表明。今後、域内の経済連携強化につながる約70のプロジェクトを支援する。

象徴案件は、インドシナ半島を横断する国際幹線道路「東西・南部経済回廊」の改良事業だ。もともと同回廊は日本政府が古くからODAで開発を主導。メコン川流域の経済圏の一体化を促すと同時に、自動車や電機など日系企業のサプライチェーン作りを後押しした。今後さらに南北の物流インフラ整備や空港の改修などを進める。

ソフト面でのインフラ整備も進める。日本とASEANで空港の発着枠や安全基準の共通化などを協議する航空協定を具体的に検討することで合意。「日本とASEANの共通課題」(安倍首相)である自然災害など防災分野では今後5年で3千億円規模を投じる。

金融分野ではインドネシア、フィリピンの要請を受けて、金融危機時に外貨を融通する枠を大幅に拡大することで合意した。』


最近、多くの中小企業から東南アジア、特に、ASEANに関する相談や支援の依頼が増えています。相談や支援を依頼する中小企業の事業分野は、さまざまです。

以前は、製造事業者からの案件が多かったのですが、最近は多様化しています。ITベンダー、流通業者などからの依頼も増えています。

ASEANに対する関心の高さは、大きく二つの理由があります。

一つは、生産拠点としての位置付けです。今まで海外に工場をもっていない中小企業が、低い賃金と豊富な労働力を求めて、インドネシア、ベトナム、フィリピン、バングラデシュ(ASEAN域内の国ではありませんが)などへの関心を高めています。

もっともインドネシアは、毎年二桁の増加率で労働賃金が上昇していますので、繊維事業のような労働集約型の生産拠点として位置付けから、遠くない将来、変わるとの印象をもっています。

もう一つは、約6億人の人口です。また、人口の多さに加えて、タイを中心に生産年齢人口層の所得水準上昇による、中間所得層の厚さと増加がASEANの魅力になりつつあります。消費者市場としてのASEANになります。


日本がASEANとの協力を開始してから、今年で40年になります。日本の自動車や電機メーカーは、タイを中心に集中して投資してきました。

その結果、タイには、上記両事業分野を中心に産業集積が進み、日本と同じような産業構造になりつつあります。

タイは、失業率が事実上ゼロになっています。また、労働者賃金は上昇し続けていますので、これから国内製造事業者が低賃金の労働者を求めて進出するのは、難しい状況になっています。

しかし、消費者市場としてのタイは、大きな魅力をもっています。さらに、タイを中心に周辺国のカンボジア、ミャンマー、ラオスなどの未開発地域との連携が深まっていますので、生産拠点の展開は、これらの点も含めて考えることができます。

最近、新聞に「タイプラスワン」の言葉が出てるようになっています。このタイプラスワンとはタイの集積地から周辺国(ラオス、カンボジア、ミャンマー)へ展開している工程間分業のことを言います。

たとえば、自動車事業では、機械部品や内外装のメーカーなどの第1次サプライヤーだけでなく、プレス、金型に関連するメーカーなどの第2次サプライヤー、製造機械のメーカーやそのメンテナンスサービス、流通・倉庫関連企業などの第3次サプライヤーがタイに集積しています。

これらの第1次サプライヤーや第2次サプライヤーなどの役割を上記周辺国で分業して、サプライチェーンを作りつつあります。この動きがタイプラスワンの事例になります。

ASEANの中で、生産拠点として考えた場合、タイはすでに上記のように、他国に比べて別格になりつつあります。産業集積に加えて、物流などの社会インフラが整備されつつあります。

インドネシア、ベトナム、フィリピンなどの国々は、タイを手本にして生産拠点作りを急いでいますが、まだ電力や物流機能などの社会インフラ整備に大きな課題をもっています。

国内製造事業者の中には、未整備な社会インフラの実情をみると、新規投資に慎重になる企業があることは当然です。

本日の記事は、政府がASEANに協力して、ODAの活用などを中心に、更なる社会インフラ整備強化を支援することについて書いています。

この政府支援は、国内企業のASEAN進出を後押しすることは、確実です。また、国内の建設、重電などの社会インフラ企業にとっても新規事業機会を得ることになります。

国内企業が事業拡大を行うために、ASEANを取り込んでいくことは、生産拠点、および消費者市場の確保の両面から必要になります。

例えば、ASEANは、2015年に経済統合するための準備を進めています。計画通りに実施されますと、ASEAN域内の関税が基本的にゼロになります。

これは、ASEAN域内でモノの流れがより一層活発に動くことにつながりますので、上記するタイプラスワンのような分業体制も活性化することになります。

ASEANを消費者市場都市手みる場合、域内に生産拠点をもたなくても、インターネット通販などを活用して、積極的な情報発信と効率的な物流の仕組み作りができれば、日本からの輸出事業拡大を可能にします。

最近、国内からASEANに輸出するための販路開拓などの相談や支援依頼が増えています。消費者市場としてのASEANを取り込もうとしている国内企業が、増えていることは確実です。

しかし、何度も本ブログ・コラムで書いていますように、初めて海外市場開拓や海外進出を考える企業は、周りの動きや情報に惑わされずに、慎重に事前準備をして実行することが大事です。

例えば、工場建設などの新規投資には、事前に入念な情報収集と分析、事業計画作成が必要になることは、言うまでもありません。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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