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日経記事;『IHI、機械稼働をネットで監視 東南ア開拓に活用』に関する考察

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皆様、

こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月14日付の日経新聞に、『IHI、機械稼働をネットで監視 東南ア開拓に活用』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『IHIはボイラーやガスタービンの運用をインターネットで常時監視するサービスを始める。製品にセンサーを埋め込んで稼働状況を把握し、効率的な運用につなげる。

国内や東南アジア向けなどの製品に採用し競合との違いを出す。常に機械の稼働を点検できるようになり、膨大なデータを蓄積し顧客との関係強化を図る狙いだ。

ネットを使った産業機械のデータ管理では、米ゼネラル・エレクトリック(GE)など海外大手が先行している。IHIは産業システムや汎用機械、鋼構造物など幅広い製品群を持つ。運用ノウハウが未熟な東南アジアなどで顧客獲得策の強化につながると見ている。

IHIの斎藤保社長は「いかに顧客との距離を縮めるかが重要になっている」と強調した。新サービスは早ければ来春にも導入する。すでに社内で遠隔監視のネットシステムを整備し複数の事業で試運転を始めている。製品ごとに最適なセンサーを選定したうえで早期に使えるようにする。

同社は2015年度までの中期経営計画で「ライフサイクル事業の重視」を掲げている。製品を製造・販売するだけではなく、設計や仕組みを熟知する強みを生かして機能を最大限に発揮できるようにする。機械の長寿命化や定期検査の回数減にもつなげる。

火力発電設備の主要装置であるボイラーは1000度を超える高温にさらされる。

様々な場所に的確なセンサーを埋め込んで振動や温度などを常時管理し、故障や破損の発生も予測する。ネット経由で集めるデータは国内のサーバーで管理・分析する予定だ。』


本日の記事は、ようやく国内の重工業の世界にインターネット利用の動きが出始めたことを示しています。

国内の製造事業者は、製品単体を開発・実用化することには非常に注力しますが、インターネットなどを活用してつなげる、あるいはインターフェースを取ることには、あまり関心をもっていないことが多いです。

しかし、特にBtoBタイプの事業を行う場合、製品単体だけでなく、他製品とつなぐ、あるいは製品の状態をより良い状態になるように管理できる付加価値をつけていかないと、競合他社との競争に勝てなくなりつつあります。

BtoBタイプの事業の場合、顧客は購入した製品やシステムを自分の事業のために使用します。業種によっては、当該製品やシステムを24時間、1年365日使い続けます。

このため、多くの製造事業者は、自社製品に例えば、自己診断機能を持たせています。自己診断機能とは、製品やシステムを工場やオフィスなどに設置した後の故障や経年変化などによる、使用している部品の汚れや性能劣化、消耗品の残存量などを早期発見できる機能のことであり、通常、表示灯や出力により知らせます。

以前は、自己診断機能付の製品やシステムの状態を人が個別に表示灯アラーム機能などを確認する必要がありました。

今は、自己診断機能付の製品やシステムがインターネット対応しているものがあり、顧客と製造事業者の双方がWebサイト上で最新の状態を確認できるようになっています。

さらに、当該製品やシステムに実装されているソフトウェアにバクなどの不具合があったり、更新する必要がある場合、インターネット経由でソフトウェアの修正や更新を行うようになっています。

現在のパソコンで使用されていますOSの更新が、インターネット経由で自動に実行されることと同じです。

IHIという国内重工業の代表企業の一つが、インターネットを実装して、センサーデバイスを活用して、当該装置の常時監視サービス機能をもたせる動きが出てきたことは、朗報です。

記事にありますように、国内重工業の最大の競合他社であるGEは、インターネット実装と活用では、国内企業より先行しています。

GEがインターネットを重視するのは、例えば、GE製品やシステムを購入してくれた顧客に、当該品を自社業務遂行に使用する上で、故障や交換などの保守管理に必要な情報をリアルタイムに把握できるようにして、自社業務への影響を最小に抑えるようにすることがあります。

同時に、GE側も顧客が使っている製品やシステムの状態をリアルタイムに把握できると共に、これらのデータは、顧客が使う条件下での性能や機能の変化、故障の発生原因などを明確化できる宝の山になります。

これらのデータは、新製品開発・実用化の貴重な参考情報になります。しかもデータ自身は、毎日蓄積されていきますので、データの信頼性は向上していきます。

このような対応は、当然のごとくGE製品やシステムに対する顧客満足度を高めますので、競争力強化につながります。

2013年6月23日付のNikkeiBPに、「GEはジェットエンジンやガスタービンからネット経由で収集したデータを管理・分析し、生産性を高めたり、無駄や停止時間を減らしたりする。そのために、米アマゾン・ウェブ・サービスのクラウドを活用することも明らかにしている。」とあります。

IHIだけでなく、日立製作所や三菱重工業などの国内重工業メーカーが、より積極的にインターネットを含むIT活用して、製品やシステムの商品性向上を早急に行うことを大いに期待します。

日本でも、小松製作所のように、自社製品である建設機械の情報を遠隔で確認するためのシステムを開発・実装化したメーカーもあります。

コマツの車両システムには、GPS、通信システムが装備され、車両内ネットワークから集められた情報やGPSにより取得された位置情報が通信システムにより送信されるようになっています。

また、コマツが持っているサーバ側システムでは、車両から送信されたデータを蓄積し、インターネットを通し顧客企業やコマツ販売代理店に提供される仕組みになっています。

このシステムから、建設機械の位置や、保守管理などに必要な情報がリアルタイムに把握できます。

コマツによる建設機械へのIT実装は、大きな付加価値を当該企業に与えています。

今後、主にBtoBタイプの事業を行う中小から中堅、大手の製造業者は、製品やシステム単体の開発・実用化だけでなく、インターネットを活用した付加価値向上により、競争力強化と顧客満足度を上げる積極さが必要になります。

先日、ある中堅製造事業者から米国市場開拓の相談を受けました。そのとき、対象製品に全くIT機能がなく、インターネット活用できないことに驚きました。

今やインターネットは、重要な社会インフラの一つになりつつあります。顧客がインターネットなしに自社製品を使う状況設定は、非現実的になりつつあります。

国内製造事業者がインターネット活用をイメージするときに、最も多いことは経営効率向上です。
今後は、自社製品にIT実装を行って、顧客満足度を高めながら、製品競争力強化を図りつつ、インターネットから入手できる情報やデータ活用が一層重要になります。

日本の製造業は、まだまだIT後進企業が多いことを実感しています。ITを自社製品に実装して、競争力強化を実現する企業が多く出ることを期待します。

GEは、IT先進製造事業者であり、参考事例の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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