新人店長は「有言」を遠慮してはいけない

「昨日、売上げ対策として駅前でクーポンを配布したのですが、100枚中20枚もの回収がありました。」

あるチェーン店の店長会議で新人店長が、このように営業報告をしました。彼にとっては一生懸命にやった集客策です。しかし、それを聴いた先輩店長は、「なんだ、それくらいのことをわざわざ店長会議で報告するなよ。」と小声で言ったのでした。会議に出席していた他の店長も一様に「たいしたことの無い成果を自慢している」と冷ややかな反応をしていました。

ところが、その報告を聴いた社長は、「〇〇君、良く頑張ったな。積極的に売上げを獲得しに行こうという姿勢は賞賛ものだ！素晴らしい！」と褒めたのでした。先輩店長は、「え？そんなんでも良いの？」とポカーンとした顔をしていましたが、結局その後は誰も発表をしないまま、今回の店長会議は幕を閉じました。

さて、あなたは、このような小さな成果を人前で発表するのは、とてもおこがましいと考えるますか？それとも積極的に行動をアピールしようと考えますか？私は、どんな小さな成果でも、人前で披露した方が良いと思っています。その理由は、小さなギアが動き始めるからなのです。新人店長に限りませんが、成果を出そうと思ったら行動しなくてはなりません。それも、最初は小さな一歩から始まるのです。動かなくては何も始まりません。それを、人前で披露することで、自覚と責任が生まれてきます。黙っていては、「責任」は生まれにくいのです。

この小さな一歩を発表した時、先輩店長達は、批判的でした。何だそんな程度のもの、、、自分もそれくらいはチョロいもんだ、そう思っていたのです。しかし、彼らは全く動いていません。店舗内で調理をしたり接客をしたりしてはいますが、それ以上には何も進化させず、何もトライせずに一日が終わっていたのです。

それに引き替え、この新人店長は、小さなことですが行動を起こし、それをみんなの前で発表しました。社長は、この店長の前向きな気持ちを賞賛したのです。もしかしたら、先輩店長達が、冷ややかな態度だったのを敏感に感じ取って、わざと少し大げさに褒めたのかも知れないな、と私は思いました。

後日この社長に、この日のことをお聴きしました。すると社長は自戒の念を述べられたのです。「新人店長の前向きな行動を褒めたのは、彼の一生懸命さが嬉しかったのもあるけれど、ベテラン店長達が冷ややかな態度を取ったことへの私自身に対する反省も込めているんだよ。私が今まで、ベテラン店長達をあまり褒めていなかったから、ああいう態度になったんだろうな・・・・」私の予想は当たっていました。

新人店長が一生懸命報告しても、それを承認し、褒めなければ、次第にその行動パワーは低下してしまいます。ベテラン店長達の態度がそれを現しています。社長の責任です。でも、「褒めるのが先か！行動するのが先か！」何て言うのはどっちでも良いのです。あなたは先に行動しちゃえば良いのです。

そして、行動したらそれをみんなの前で報告しましょう。それが、あなた自身を次の行動へ駆り立てます。黙っていてはエネルギーが高まりません。

有言＋実行＋有言！

この習慣を続ければ、先輩店長はあなたに何も言えなくなりますよ！