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日経記事;『中小 再挑戦しやすく 政府新指針 私的整理時、私財一部残す 企業の新陳代謝促進』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月1日付の日経新聞に、『中小 再挑戦しやすく 政府新指針 私的整理時、私財一部残す 企業の新陳代謝促進』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『政府は、業績が悪化した中小企業の経営者が転業したり再び起業したりしやすくするため、早期に会社清算や再建に取り組める仕組みを作る。

新たな私的整理の指針を設け、最大460万円程度の生活費や自宅などの財産を経営者の手元に残すことを認める。経営者が個人財産を全額没収される懸念を取り払い、中小企業の新陳代謝を促す。

新指針は国内約420万社の中小企業を対象とし、5日にも決定する経済対策に盛り込む。金融庁と中小企業庁が作成した報告書を基に、全国銀行協会などの主催する研究会が具体的な指針を作る。

新指針の柱となるのが、会社の借金を経営者本人が肩代わりする「経営者保証制度」の抜本的な見直しだ。担保となる不動産を持たない中小企業が金融機関からお金を借りるための手段として普及しており、中企庁によると約8割の中小企業が同保証をしている。

業績悪化で資金繰りに行き詰まれば、保証に基づき経営者が私財を売り払って弁済する。そのため早期に私的整理などに踏み切れば再生する可能性のある中小企業が、経営者個人の財産没収を恐れて踏み切れず、財務内容がさらに傷んで倒産するという弊害があった。

新指針では経営者の手元に一定の生活費として99万~460万円程度の範囲で現金を残すことを認める。生活拠点となる自宅も「華美でない」場合は残す。経営者責任については、私的整理になったという理由だけで一律に経営者の交代を求めないよう配慮する。

経営者が個人財産を売って弁済した後に残った借金は、金融機関が債権放棄に柔軟に応じる。その代わり、経営者は自らの資産状況を正確に開示する。後で資産隠しなどの嘘が明らかになれば、延滞利息を含めた追加弁済を迫れるようにする。

新指針は年度内に発効する予定。メガバンクから地方銀行、信用金庫も含む業界横断的なルールとする。法的な拘束力はないが、金融庁は金融機関の検査・監督を通じてルールの順守を求める。

中小企業については、会社と経営者の資産区分が曖昧だったり財務諸表が複数あったりという問題点が以前から指摘されている。

政府は新指針による支援の前提として正確な情報開示や資産区分を求めている。中小企業がそうした条件を満たせば、融資の際に画一的に経営者保証を求めないことも新指針に盛り込む。

新指針は、再起業などを目指す意欲ある経営者を支援する一方、存続が厳しい中小の清算や廃業を促す側面もある。』


私がベンチャーや中小企業の経営支援を行う上で、参考情報としているものの一つに、毎年春に中小企業庁が発行する「中小企業白書」があります。

この「中小企業白書」は、政府が中小企業対策を計画・立案・実行するときの、最新状況確認と過去の施策効果の確認などにも使われています。

私は、毎年最新の「中小企業白書」を丹念に読んで、国内中小企業が置かれれている状況や経営に対する考え方などについて、確認・検証しています。

「中小企業白書」の中に、最近まで過去30年~40年間の期間で、中小企業の開業と廃業の数を取り続けた統計情報がありました。

この統計によると、1980年代以降、毎年中小企業の廃業数が、開業数を上回る状況が続いていることを示しています。

中小企業が廃業する理由の中で、最も多いのが他社との競合が激しい、売上確保の難しさなどが占めています。

つまり、多くの中小企業が集客の困難さから廃業するケースが多くある実態があります。

集客できないのは、多くの場合、当該中小企業が扱っている商品やサービスに競争力がなく、他の競合商品やサービスに対して、徹底的な差別化・差異化できるものをもっていないことによります。

私が中小企業から事業拡大の可能性などに関して、相談や支援を要請された場合、まず現状の確認から行います。

その確認作業を通じて、当該企業の強み、弱みを見出して、強みを最大化する事業分野、商品やサービス、販路などに関する事業計画作成と実行を支援します。

私の主な支援対象事業分野は、製造業とITベンダー(ソフトウェアの開発・販売)ですので、事業拡大には、徹底的な差別化・差異化できる商品やサービスをもつことは、必要不可欠です。まずはこれに最大の優先順位をもって対応します。

次に重要なことが、市場・販路開拓になります。基本的に国内市場は、人口減少などから縮小傾向にありますので、準備を整てから海外市場・販路開拓も行います。

また、国内および海外市場開拓には、IT活用が必要不可欠ですので、情報発信やネット通販を含めて積極的に使いこなします。

このようにして、中小企業の新規事業立上や海外市場・販路開拓を支援するなかで、中小企業が直面する課題の一つに、開発や運転資金の確保があります。

少額資金の場合、日本政策金融公庫や、地方自治体などの公的機関から、必要資金の融資を受けることが可能になります。

しかし、より多くの資金を必要とする場合、民間の金融機関からの融資が必要になります。現時点では、多くの場合、中小企業に対して自宅や所有する不動産物件を担保に。金融機関は融資を行います。

不動産をもっていないと、民間の金融機関から融資を受けられません。

また、売上不振で中小企業が廃業した場合、自宅を借金返済のために取り上げられることは、日常的に起こっています。

私の経験で、ある中小企業が新規事業立上のための資金提供を信用金庫に打診したことがあります。経営者の自宅は、すでに借りていた融資の担保になっていたので、当該企業がもっていた売掛金を担保に融資して欲しいと依頼しましたが、断られました。

不動産以外のものは、担保として認められないというのがその信用金庫の見解でした。

この中小企業は、結局知人や親戚などから出資してもらって、何とか開発資金を工面できましたが、これは、運の良いケースです。

また、自宅が融資の担保になっているため、容易に廃業できずに、自転車操業で事業継続している中小企業も存在しています。社長、家族、従業員も疲れ切った状態での経営をしていた中小企業の経営支援の依頼を受けたこともありました。

このケースは、何人かの専門家とチームを組んで、事業拡大の道すじをつけられるようにしました。


上記記事にあります政府の中小企業支援策が、有効なものになれば、中小企業も資金調達や事業転換、廃業と起業をより柔軟に行える事業環境が作られると期待します。

その視点から、今回の政府の経済対策の内容に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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