このように、就任1年目が華々しく、その後は尻つぼみに終わる監督の傾向が、サッカーでも、プロ野球でも、団体競技にはよくみられます。想像しますに、新人監督が1年目は無心で戦って大成功したのに、能力が高まった2年目以降は、最初の年のようには上手くいかないようです。
相手チームが、よく研究して対戦してくることが考えられます。また、新人監督のときはノーマークだったのに、優勝監督と言うことになりますと、対戦相手も追い落としにかかってくることがあります。1年目と2年目では、環境が大きく変わっているのに、この変化に気付かずに戦う人もいます。
起業においても、これとよく似た傾向があります。成功体験は起業では重要と考えられますが、初期の頃に成功した体験を、いつまでも続けている起業家がいます。成功は、ビジネス体験としては貴重ですが、慢心の原因となることもよくあります。多くの会社が倒産したり、廃業する原因もここにあります。
わたしのような仕事でも、開業当初はよく売れたのに、ある時期からパッタリ売れなくなる、サービスや商品があります。コーディネーターの仕事も、依頼があると調整が困るくらい重なりますが、時期がずれますとまったく依頼のない時期が続きます。そのため、新たなサービスを常に用意しておく必要があります。
ビジネスでの、このような展開は決して珍しいことではなく、長年会社を経営している人なら何度も経験することです。ただ、初めて起業する人に、次々に変化するこの展開には、付いていけないかも知れません。特に、最近のビジネスにおいては、この変化の早さは誰もが音を上げるほどですから。
【一言】
長いこと会社経営をしている人は、これまで成功体験を何度もした人です。そのような経営者にとって、今のビジネス環境は決して楽ではありません。皆がAKBのリズムで踊っているのに、一人2ビートで踊っているような違和感があるようです。現在のお客さんの消費者心理が読めるなら、これから起業する人には決して悪い環境ではありません。