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日経記事;『(社説)洋上風力発電を育てるには』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月28日付の日経新聞に、『(社説)洋上風力発電を育てるには』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『福島県楢葉町や長崎県五島列島の沖合で洋上風力発電の実証試験が始まった。いずれも発電用の大型風車を海に浮かべ、チェーンで海底につなぐ「浮体式」と呼ぶ新技術を使っている。事業化を見据えた産官学連携の取り組みだ。

純国産の資源である再生可能エネルギーはできるだけ伸ばしたい。なかでも洋上風力は海に囲まれた日本には有望な分野だ。上手に育てていきたい。

風力発電に適した場所は、陸上では約7割が北海道と東北に集中している。十分な風が吹いても、住宅密集地や資機材を運び込めない険しい場所では建設が難しい。

これに対し日本の領海と排他的経済水域を合わせた面積は国土の12倍だ。遮るものがない海上では風を安定して得られる。日本風力発電協会の試算では、洋上風力の潜在的な発電能力は6億キロワット超と、日本にある発電設備全体の能力の2倍を超える。

課題は発電コストが陸上に比べ、まだ割高なことだ。コストを下げるには普及を後押しする仕組みが要る。風力は再生エネルギーでつくった電気を全量買い取る制度の対象だが、陸上での発電を想定している。

経済産業省の研究会は洋上風力の買い取り価格について検討を始めた。早急に制度化してもらいたい。

洋上での設置には漁業関係者の理解が欠かせない。船舶航行や港湾などの規制も複雑で、関係する省庁は複数にまたがる。福島沖のプロジェクトは経産省、五島沖は環境省が主導するなど、ばらばらになっている。省庁の垣根を越えた戦略と体制が必要だ。

欧州では日本を上回る数の洋上設備が稼働しているが、ほとんどが風車を海底に直接固定する「着床式」だ。浅い海でしか使えない。日本周辺の広大な海域を生かすには、深い場所にも設置できる浮体式の技術が不可欠だ。

福島沖や五島沖での実証を通じて日本が浮体式で先行できれば、風力発電設備の世界市場で優位に立つこともできよう。』


洋上風力発電については、10月26日に、日経記事;『洋上風力発電に育成策 購入価格1.5倍超に政府が来年度 再生エネ,太陽光偏重 是正』に関する考察 [新規事業開拓・立上]のタイトルでブログ・コラムを書きました。

この日に、日経新聞が上記タイトルで記事にしたことによります。何度か本ブログ・コラムで取り上げましたように、天然資源のない日本にとって、再生可能エネルギーの活用は、温暖化対策も含めて重要なことになります。

再生可能エネルギーによる発電は、日本の天然資源に対する依存度を減らすと共に、輸入で発生する貿易赤字の縮小につながります。

本日の日経記事に、「LNG船 特需2兆円 海運3社90隻、シェール対応 日韓で受注争い」のタイトルで記事が掲載されました。日本は、2017年ころから米国やカナダなどから、シェールガスを輸入します。

日本が積極的にシェールガスを輸入するのは、現在高止まりしているLNG(液化天然ガス)の輸入価格を下げるため、調達先を多様化して価格交渉力を高める狙いがあります。

日本がロシアからもLNGを輸入しようと動いていることも、上記目的に沿ったものです。

しかし、日本が海外の天然資源に依存する構造は、変わりません。米国、カナダ、ロシアなどから輸入する天然ガスの輸入価格が、ある日突然上昇する可能性があります。。

また、輸出事業を考えるときに、円の対US$が安くなることは、歓迎できる状況ですが、天然ガスなどの輸入価格は上昇しますので、日本の貿易赤字拡大の大きな要因であり続けます。

低コストな石炭火力発電は、天然ガスの使用量を抑制する点で、IHIや三菱重工業などの重電メーカーが開発・実用化を進めている高効率な石炭火力発電装置を増やすことも重要です。

同時に、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーによる発電事業の育成・強化が重要になります。

日本の場合、世界第3位のGNP規模をもつ経済力がありますので、現時点では、多少輸入価格が高くなっても石油や天然ガスなどの天然資源を購入できます。

一方、中国を除く新興国は、自国内に天然資源をもたないと、貴重な外貨を使って天然資源を輸入する状況になっています。

再生可能エネルギーによる発電は、天然ガスなどの化石燃料を使用しない点で、温暖化対策になるだけでなく、外国への依存度を下げることができます。

時には、天然資源をもつ国が、ロシアによるLNGの輸出規制、中国によるレアアースの輸出制限などの政治目的で使用するリスクがあります。

日本や他の新興国で、天然資源をもたないところは、再生可能エネルギーによる発電能力を最大化することは重要な意味をもちます。

日本は、買取価格が整備されたことで、現在、太陽光発電は活発に行われています。太陽光発電は、再生可能エネルギーの代表的な状況になっていますが、最大の課題は天候に大きく左右されることです。

太陽光発電などの買取価格が高止まりすると、太陽光発電が増えると電気料金が高くなるリスクがあります。再生可能エネルギーによる発電を普及させるには、発電コストを下げる必要があります。

再生可能エネルギーによる発電コストが、経済的に合理的な水準まで下がった後に、日本や新興国で本格的に普及します。

太陽光発電以外の再生可能エネルギーでは、風力、地熱、ミドリムシなどのバイオなどが有力視されています。

これらの中で、現在、最も大規模発電に向いているのが、風力、特に洋上風力利用です。海上では、いつも風が吹いていますし、周りにさえぎるものがないので風力発電には最適です。

日本での風力発電の最大の課題は、近海に浅瀬が少ないので、欧州で一般的に採用されている海底に直接固定する「着床式」を使えないことです。

従って、日本では、福島県楢葉町や長崎県五島列島の沖合で始まった発電用の大型風車を海に浮かべ、チェーンで海底につなぐ「浮体式」 と呼ばれる方式になります。

他国では、「浮体式」の風力発電は行われていませんので、日本は世界に先駆けて当該方式の風力発電を開発・実用化することになります。

「浮体式」風力発電の開発・実用化に成功すると、日本は大きな発電能力を自前でもつことになります。

近年、日本の周辺地域では、大型台風や竜巻などが頻繁に発生しています。これらの自然災害にも耐えられる、超耐久性が求められますので、その技術的な難易度は高いものがあります。

逆に言いますと、国内企業が洋上の「浮体式」風力発電を実用化して、合理的な発電コストで当該装置の維持運営が可能になりますと、これは、日本にとって大きな新規事業機会になります。

「浮体式」風力発電装置を実現するには、素材、部材、精密加工、精密機械、当該装置の維持運営など、さまざまな国内企業の協力で行うことになります。

オールジャパン体制で行えば、国内企業が「浮体式」風力発電装置やその維持運営などに、技術・ノウハウを蓄積できます。

上記関連業種については、多くの国内企業が実力をもっていますので、試行錯誤することで、実現可能になるとみています。

同時に、発電だけでなく、余剰電力の蓄電、高効率な送電、高効率な電力消費なども並行して実用化していくことが重要になります。

東京電力などの電力会社が、近々にインターネットなどの通信網を使って電力使用量の自動検針を可能にするスマートメーターの設置を行います。

ITをフル活用することで、発電、送電、電力消費を最適に制御する仕組み作りも必要になります。
電力を全ての過程で高効率に使いこなす知恵が求められます。

この仕組みを構築・維持運営できれば、国内企業は、日本で風力発電装置を実証試験して、その成果に基づいてトータルな発電、送電、電力消費のフルパッケージで新興国に売込めます。

電力事業は、自動車産業と同じようにすそ野が広いので、「浮体式」風力発電装置の開発・実用化に大いに期待しつつ、注目していきます。

また、ベンチャーや中小企業が活発に関連分野で新規事業立上することも期待しています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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