日経記事;『パナソニック、半導体3工場を売却 構造改革メド イスラエル社との合弁に』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『パナソニック、半導体3工場を売却 構造改革メド イスラエル社との合弁に』に関する考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
 
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月27日付の日経新聞に、『パナソニック、半導体3工場を売却 構造改革メド イスラエル社との合弁に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは国内の半導体主力3工場を分社し、イスラエル企業に株式の過半を売却することで大筋合意した。海外の半導体工場もシンガポール企業に売却する方向で交渉に入った。

パナソニックは2013年度中にプラズマテレビの生産終了とスマートフォン(スマホ)事業の縮小を決めている。不振の半導体事業を切り離すことで一連の構造改革にメドを付け、成長戦略の推進にかじを切る。

売却の対象は富山県魚津市、同県砺波市、新潟県妙高市にある3工場。半導体の回路を形成する「前工程」を手掛け、競争力を保つには最先端装置など多額の投資が必要となる。

今年度内にも分社し、イスラエルの半導体受託生産会社(ファウンドリー)、タワージャズから出資を受け入れる。3工場の事業価値は100億円前後とみられる。条件を詰めて売却額を決定、正式合意する。

3工場はこれまでパナソニック製品向けの半導体生産が主力だったが、タワージャズが独自に販路を開拓して工場の稼働率の維持・向上につなげる。パナソニックは3工場を連結対象から外し業績面への影響を抑える。

パナソニックは一部出資を残して、自動車や産業機器向けなど自社に必要な半導体の生産を委託するとともに、従業員の雇用継続も求める。3工場で合計約2500人いる従業員は大半を新会社で雇用、残りを他部門に配置転換する。

中国やインドネシア、マレーシアなど海外にある半導体組み立て工場も、シンガポールの半導体メーカーと売却や出資受け入れに向けた交渉を進めている。

パナソニックの半導体事業の13年3月期の売上高は1840億円、営業損益は205億円の赤字だった。国内外で約1万4000人いる同部門の従業員を半減する方針を固めている。

デジタル家電に組み込むシステムLSI(大規模集積回路)事業は富士通と統合することで合意。リストラ費用は14年3月期の業績予想に織り込み済みだ。

パナソニックは16年3月期までに不振事業の赤字をすべて解消する方針を表明。既にプラズマテレビ事業や国内の個人向けスマホ事業から撤退を決めた。

今後の成長分野とする住宅・電気設備など「住宅分野」と、車載機器など「自動車分野」の好調を支えに、14年3月期の最終損益の見通しを1000億円の黒字(前期は7542億円の赤字)と従来予想の2倍に引き上げた。』


パナソニックやソニーなどの国内家電メーカーの動きについては、継続的に本ブログ・コラムで取り上げてきました。

本日の記事は、パナソニックの集中と選択について書いています。記事によると、パナソニックは合理化作業を終えて、2016年3月期までに不振事業の赤字をすべて解消するとしています。

私個人の意見としては、パナソニックはもっと早く合理化を進める必要があります。少なくとも2015年3月までに、赤字事業を黒字化するか、売却・撤退を行って、より早期に収益力向上を目指すことを強く期待します。

私自身、会社勤務時代、あるいは経営コンサルタントとして独立後、中小企業の支援として数々の事業撤退を行ってきました。

その経験で言いますと、事業撤退や売却は、役員、従業員、取引先などの関係者の理解や協力を得ながら、早期に行うことが重要です。

事業撤退や売却は、本来、M&Aと同じように、表面化する前に事前準備を用意周到に行うことが成功するためのポイントの一つになります。

パナソニックやソニーなどの大手家電メーカーは、公式に株主などに赤字事業の改善や、合理化を約束していますので、関連する役員、従業員、取引先などの関係者は、一般的に不安定な状況下ので仕事や生活を強いられています。

このような不安定な状態が長続きすることは、会社経営に大きな負担を生じます。また、従業員のモチベーション維持も難しくなります。

パナソニックの場合、多くの事業を展開していますので、赤字状態の事業すべてを短期間黒字化、または合理化することは、難しいのかもしれません。

しかし、パナソニックには、上記しましたように1年前倒して、集中と選択を完了させることを期待します。

事業撤退や売却は、短期間に行うことが後の後遺症を最小化することになると、私の経験が示しています。

東芝や日立製作所は、パナソニックより短期間に合理化の目処をつけたとの印象をもっています。

パナソニックやソニーに対する期待が大きいので、迅速な経営施策に対する要求度合いも高くなります。


同時にパナソニックには、新規事業分野の早期立上も大いに期待しています。現時点では、パナソニックは住宅・電気設備など「住宅分野」と、車載機器など「自動車分野」などの業務用途を主体にした成長エンジンとして表明しています。

これらの分野は、現時点では競争が激しくなく、国内企業が主導権を取れる状況にあります。パナソニックがこれらの分野で徹底した差別化・差異化できる技術・ノウハウで、ナンバーワンの地位を維持強化することが必要になります。

このためには、蓄電池や関連製品単体での競争力強化と、製品間をつないで最適なシステム・集合体として、実用化する技術・ノウハウの開発が求められます。

例えば、パナソニックは、ITを駆使する能力が求められます。

一つのヒントが米ゼネラル・エレクトリック(GE)にあります。GEは2013年6月18日、産業用機器から収集した「ビッグデータ」をクラウドで管理・分析する方針を明らかにしました。米アマゾン・ウェブ・サービスと提携し、同社のクラウドサービスを活用する考えです。

GEはジェットエンジンやガスタービンといった産業用機器からネット経由で収集したデータを管理・分析し、生産性を高めたり、無駄や停止時間を減らしたりする方針を打ち出しています。

GEは、自社製品へのIT適用だけでなく、ビッグデータを活用して、各種の分析作業も行うようです。

今回のポイントは、GEがIT活用について下記する例えで説明しているように、自社製品にITを組み込んで、システム全体の付加価値を上げることです。

「航空機のジェットエンジンの場合、エンジンに取り付けたセンサの情報に基づき、必要な時に必要なレベルでのメンテナンスや修理を実行すればよくなる。このため、不測のエンジントラブルによるフライトのキャンセルで、利益を失うことが減るというメリットを顧客に提供できる。」

パナソニックは、上記しましたように住宅・電気設備など「住宅分野」と、車載機器など「自動車分野」の業務用途で事業拡大を狙います。

これらの事業分野で提供するすべての製品やサービスに徹底してIT活用を行って、顧客の利便性や付加価値の最大化を目指すことが、徹底的な差別化・差異化できることにつながります。

例えば、電気使用量の最小化や高効率なエネルギー使用のやり方をITを駆使して実現できれば、パナソニックの競争力強化につながります。

GEのイメージは、ハードウエアや金融事業の大企業ですが、最近のGEは、製造業本体に回帰しつつ、IT力の強化を積極的に行っています。

国内企業は、ITをまだ経営効率改善用途に使っているところが多い印象をもっています。パナソニックのような業務用途で、新規事業分野確立を考えるメーカーには、自社製品単体および製品間をつないで、システム全体でより高効率、あるいはより高機能化を図るために高度化ITの実装を期待します。

GEのやり方は、参考事例になります。

今後もパナソニックやソニーなどの家電メーカーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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