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日経記事;『日米で次世代半導体マイクロンなど20社超参加DRAM置き換え,量産技術16年度めどに』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月24日付の日経新聞に、『日米で次世代半導体マイクロンなど20社超参加DRAM置き換え,量産技術16年度めどに』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米マイクロン・テクノロジーや東京エレクトロンなど日米の半導体関連企業20社超が、スマートフォン(スマホ)などモバイル機器の性能を大幅に高める次世代メモリーの量産技術を共同開発する。

現行メモリーに比べ記憶容量を10倍に高め、電子機器の消費電力を約3分の2に減らす。2016年度に技術を確立、マイクロンは18年にも量産に入る。

国際競争力の高い日本の素材・装置メーカーが結集し、次世代メモリー開発の主導権を握る。

開発するのはMRAM(磁気記録式メモリー)と呼ばれる次世代メモリー。東芝は韓国SKハイニックスと共同で開発、韓国サムスン電子も研究を進めている。

日米連合は国内外の半導体関連メーカーにプロジェクトへの参加を広く呼びかけ、MRAMの基盤技術を早期に確立する。

共同開発にはエルピーダメモリを7月に買収した半導体大手のマイクロンのほか、半導体製造装置で世界3位の東京エレクトロン、半導体ウエハー首位の信越化学工業、半導体大手のルネサスエレクトロニクス、日立製作所などが参加する。

各社が東北大学に研究者を派遣し、数十人で年明けから開発を本格化。同大の遠藤哲郎教授のグループが研究を主導する。

各社は使用する素材や回路の構造、工場での製造工程まで基礎技術を共有して開発ペースを速め量産を目指す。マイクロンはエルピーダの広島工場(広島県東広島市)での生産を検討する。

MRAMは電源を切ってもデータが消えず、大幅な省エネが期待できる。パソコンやスマホに使われているDRAMに比べ記憶容量と書き込み速度が10倍になり、スマホなどの動作が速くなる。

1回の充電でスマホを使える時間は現在の最大数十時間から数百時間に延びる。大量の情報を保管するデータセンターでデータ処理用メモリーとしての用途も見込む。

DRAMは電子回路を微細化して記憶容量を増やしてきたが、最先端品は回路の線幅は20ナノ(ナノは10億分の1)メートル台で、これ以上狭めるのが難しくなっている。このため構造の異なる半導体の研究が進んでおり、MRAMが有力視されている。

DRAMは1970年に米インテルが実用化した代表的な半導体。日本の電機各社は80年代半ばに世界市場で合計8割のシェアを占めた。その後、韓国勢にシェアを奪われ、日立製作所、NEC、三菱電機の事業を統合したエルピーダメモリが国内唯一のメーカーとなったが、2012年に経営破綻。米マイクロンの傘下に入った。12年の世界のDRAM市場は264億ドル(約2兆6千億円)。』


本日の記事にありますMRAM(磁気記録式メモリー)は、ウィキペディアによりますと、英語表記ではMagnetoresistive Random Access Memoryのことであり、磁気を利用した記憶素子のこと。N-Sという磁力極性を利用した記憶媒体(磁気ディスク装置や磁気テープ装置など)ではなく、電子のスピンをメモリ素子として利用するスピントロニクスを採用している、とされています。

MRAMは記憶に磁化状態を利用しているため不揮発性で、DRAM等とは異なり、電源を切っても記憶状態が保存されるという特徴があります。

一方、外部からの強磁界に弱いという短所もあります。これはMTJ(磁気トンネル接合)素子の可動層の磁化方向そのものではなく両面の磁化方向の違いにより情報を記憶するため、固定層の磁化方向が狂ってしまうと正常に読み出しできなくなり、回復不能になることによるとされています。この短所克服は、開発・実用化の課題の一つになるのでしょう。

MRAMの開発・実用化は、数年前から加速してきています。例えば、東芝は2013年11月17日に、次世代半導体メモリーとして期待されるMRAMを2014年からサンプル出荷することを明らかにしました。東芝は、韓国SKハイニックスと共同開発中です。

このような状況下で、本日の記事は、日米の半導体関連企業が共同して、MRAMの開発・実用化を急加速させることを伝えています。

背景にある理由の一つが、記事にありますように、現行の主力メモリであるDRAMの技術革新が限界にきていることによります。DRAMの最先端品は回路の線幅は20ナノ(ナノは10億分の1)メートル台で、これ以上狭めるのが難しくなっているとされます。

MRAMの特徴は、DRAMに比べて、記憶容量を10倍に高め、電子機器の消費電力を約3分の2に減らすことにあります。

スマホでみますと、記憶容量の拡大は、高機能化と高速化を実現しつつ、電池寿命を長持ちさせることが可能になります。

また、MRAMは、電源を切っても記憶状態が保存される大きなメリットがあります。スマホの場合、1回の充電で使える時間は現在の最大数十時間から数百時間に延びるとのこと。

今後のパソコン需要は、スマホやタブレット型端末機器がWebサイト閲覧、電子メールのやり取り、SNSへの参加などの用途で使用されますので、当該目的に対しては減ります。

しかし、情報創造や処理などの面では、パソコンはメイン機器として使用され続けます。パソコンは、販売価格を抑えつつ、より高機能化・高性能化が求められます。

MRAMのパソコンへの使用は、表示画面の高速処理や、電池寿命の長期化、事故などにより電源が落ちても情報が保存されるメリットがあります。

記事によりますと、MRAMの共同開発には、日米20社の関連企業が集まり、開発拠点を当該分野で先端を走っている、東北大学に置きます。

日本からは、東京エレクトロン、信越化学工業、ルネサスエレクトロニクス、日立製作所などが
参加して、MRAMの量産技術を2016年に確立する計画です。

東芝と韓国SKハイニックスは、来年にサンプル品出荷を開始する計画です。今後、日米20社連合、東芝勢、韓国サムスンなどが、MRAMの開発・実用化に向けて激しい競争を行います。

激しい競争は、MRAMの開発・実用化を加速させていきますので、大いに歓迎します。もちろん、MRAMの開発・実用化で国内メーカーが主導権を握り、素材や装置の面でも今後の新規需要獲得につなげることが重要になります。

MRAMは、高速普及が進むデータセンターでも大きなメリットがあります。取扱情報の増加と高速処理、電力消費量の抑制です。

データセンターの需要は、今後も増え続けていきますので、より高効率なサーバーの設置が必要であり、MRAMは、当該ニーズの実現に貢献します。

MRAMの使用によるスマホやタブレット端末、パソコン、サーバーなどの高処理化・大容量化などが省電力を伴いながら可能になると、当該機器に組み込む新規ソフトウエア開発も活発に行われるようになります。

利便性や使い勝手、あるいは娯楽性などを高めた新規ソフトウェア搭載が可能になるためです。

次世代メモリであるMRAMの開発・実用化は、使用するハードウェアやソフトウェアに変革をもたらします。

国内の関連する中小企業にとっても、素材、部品、ハードウェア、ソフトウェアのあらゆる分野で、大きな新規事業分野開拓の機会が生まれます。

国内企業は、大手を中心に部材や装置、MRAM本体で新規需要獲得を目指すことは当然であります。同時に、MRAMを使用するハードウェアに大きな変革が生まれますので、これを商機として捉えて、ソフトウェアや周辺機器を提供する中小企業の事業革新を大いに期待します。

韓国や米国企業に奪われた市場奪還の機会が生まれます。

MRAMの開発・実用化とスマホやタブレット端末、パソコン、サーバーなどに使用・活用する動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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