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日経記事;『福島に最新鋭石炭火力 東電、三菱系3社と 2020年にも稼働、発電コスト下げ急ぐ』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月23日付の日経新聞に、『福島に最新鋭石炭火力 東電、三菱系3社と 2020年にも稼働、発電コスト下げ急ぐ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東京電力と三菱重工業、三菱商事など三菱グループ3社は共同で、福島県内に最新鋭の石炭火力発電設備を2基建設する。合計出力は100万キロワット規模。総投資額は3千億円で、政府も補助金拠出を検討する。

2020年にも運転を始める。老朽火力から切り替えて燃料費を抑える。同時に建設工事などで雇用を創出し、原子力発電所事故で被害を受けた地域の復興を後押しする。

月内にも発表し、東電が年内にまとめる新しい総合特別事業計画(再建計画)に盛り込む。同計画では持ち株会社への移行や希望退職募集など組織再編や合理化を進める一方、電力自由化に備えた事業戦略も打ち出す。新型石炭火力建設は発電コストを下げて生き残るための方策のひとつだ。

東電や東北電力が出資する常磐共同火力(東京・千代田)の勿来発電所(福島県いわき市)と、東電広野火力発電所(同県広野町)の空き地に出力50万キロワットの設備を1基ずつ建設する。合計出力は原発1基分にあたる。

事業主体となる特定目的会社(SPC)を共同で設立する。出資比率は三菱重工と三菱商事がそれぞれ4割強、三菱電機が1割。東電は1割未満にとどめる。

資金力が乏しい東電と、最新の発電技術を海外の電力ビジネスに生かしたい三菱側の思惑が一致した。事業費の大半はプロジェクトファイナンスで調達。発電設備の運営は東電が請け負う。東電が実施する電力調達の入札にSPCが応札し、東電が電力を購入する。

「石炭ガス化複合発電(IGCC)」と呼ぶ先端技術を導入。ガスタービンで発電後、廃熱を使って再度発電する。同量の石炭から得られる電力が従来型石炭火力より2割多い。安価な低品位炭を使える利点もある。

東電は燃料費が割高なガス火力が多く、火力の発電コストが他の電力会社より高い。東電は柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働をめざしつつ、石炭火力の建設やガス火力の高効率化を進める考え。老朽火力の建て替えなどで外部資本を活用し、電力を購入する方針を打ち出している。

三菱重工は今年4月に勿来発電所で実証実験から商業運転に移行した出力25万キロワットのIGCC設備の建設実績を持つ。三菱商事は新興国など海外で発電事業を拡大している。福島の実績をテコに新発電方式の輸出につなげたい考えだ。

発電所建設では数年にわたる工事期間や完成後の運転・保守を含めて数千人規模の雇用創出が見込まれる。いわき市は原発周辺地域からの避難者流入などで人口増が続き、働く場の確保が課題になっている。

政府は大型IGCC設備の技術実証と位置付け費用の一部補助を検討する。火力発電所の新増設などに向けた4月の経済産業、環境両省の合意に基づき、従来は3~4年かかる環境影響評価の2年強への短縮をめざす。』


石炭火力発電は、当面の間、国内の発電事業に関して、原子力発電の不足分を補うものとして期待されています。

環境対応力では、原子力発電、あるいは石炭・石油・天然ガスなどの火力発電より、太陽光、風力、波力・潮力、流水・潮汐、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギー発電の方が優れていることは確実です。

再生可能エネルギーの現時点での課題は、低い発電能力と高い発電コストにあります。政府は、再生可能エネルギーの普及を図るため、当該発電に対する買取価格を高めに設定しています。

再生可能エネルギーの発電能力が大幅に向上すると、発電コストが上昇し、企業経営や家庭の家計にマイナス影響を与えます。

太陽光発電の先進国であるドイツでは、電力の買取価格が消費者が負担できる上限に近づいたため、当該発電事業の仕組みに対する見直しが必要になっています。

将来的には、風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーの使用比率を高くして、地球温暖化への環境対策をする必要があることは、明確です。

しかし、現時点での技術・ノウハウでは、上記しましたように再生可能エネルギーの課題は、限定された発電能力と高い発電コストにあります。

日本のように、ほとんど天然資源をもたない国は、より高効率な再生可能エネルギーの開発・実用化にまい進すると共に、節電能力を高める技術・ノウハウの開発・実用化が必要です。

日本が直面する課題は、東南アジアを中心とする新興国も共通して抱えています。将来、国内企業が、より高効率で安価な再生可能エネルギー装置を実用化すれば、大きな新規事業機会が生まれます。

再生可能エネルギー分野で国内企業が主導権を取るためには、国内の発電事業に積極的に使用して実証試験を行い、世界市場で勝ち組になれる事業体にすることが必要になります。

現在、政府は、再生可能エネルギーを日本の新規事業分野の一つとして位置付けており、国内関連企業も積極的に開発・実用化を進めていますので、将来は国内経済を支える事業の一つになります。


さて、現時点の国内での発電事業の課題は、高コストな石油や天然ガスに大きく依存した火力発電の是正にあります。

11月20日に発表された10月度の日本の貿易収支は、原油などの燃料の輸入額が膨らんだため、1兆907億円の赤字となり、貿易赤字は16カ月連続と、統計が比較できる1979年以降での最長を更新したことがわかりました。

原発の再稼働は、まだ時間を要することと、今後、当該発電能力を高めることが難しくなる可能性があります。

政府や国内企業は、天然ガスの低価格化を目指して、米国からのシェールガスやロシアからの天然ガス輸入量を増やそうとしています。

このやり方が成功すれば、当面の間、天然ガスの輸入価格は2~3割低下する可能性があります。しかし、日本がこれらのガス依存度を高めると、価格交渉力が低下し足元を見られて購入価格が上昇する可能性があります。

これらのガスに対する日本が直面する課題は、東南アジアを中心とする新興国も同じです。日本や新興国がこの課題を解決するためには、再生可能エネルギーが実用的になるまでの間、低コストな火力発電に頼る必要があります。

もちろん、環境対応となるやり方が大前提になります。本日の記事にあります、三菱重工業、東芝、IHIなどの国内企業は、その解を出しつつあります。

一つは、本日の記事にありますIGCC(Integrated coal Gasification Combined Cycle)石炭ガス化複合発電です。IGCCとは、ガス化炉内で石炭をガス化し、燃料ガスを発生させ、この燃料ガスをガスタービンに導いて、燃焼させることにより、ガスタービンを回し、さらに高温の排ガスをボイラに導いて蒸気を発生させ、蒸気タービンを回すやり方になります。

IGCCの売りは、世界で豊富な埋蔵量がある安価な低品位炭を使えることと、同量の石炭から得られる電力が従来型石炭火力より2割多いことにあります。

もう一つは、以前に本ブログ・コラムで取り上げました、IHIなどが実用化しています大型超々臨界圧石炭火力発電装置です。

共に石炭火力発電になります。今後の日本の発電需要を支える柱の一つになります。今回の東電のように、最先端の石炭火力発電装置を導入して、国内発電需要をまかないながら、発電コストを下げていくやり方は、合理的であり、重要になります。

国内各所で、実証試験を行いながら、東南アジアを中心とする新興国市場開拓することで、さらに、当該発電装置の低コスト化を実現できます。

日本は、多様な発電方式を実用化して、石油や天然ガスの購入価格交渉力強化しながら、海外に高効率な石炭火力発電装置を輸出拡大することが重要です。


本日の記事は、日本が進むべき道の一歩であることを書いています。石炭などの火力発電装置やプラント事業のすそ野は広く、国内企業の輸出拡大は、関連中小企業にとって、新規事業分野開拓につながります。

今後も国内企業の環境対応型発電装置の開発・実用化に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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