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日経記事;『パナソニック家庭用蓄電池半額に90万円,導入促進 事業売上高18年度1000億円目標』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー山本 雅暁です。

11月19日付の日経新聞に、『パナソニック家庭用蓄電池半額に90万円,導入促進 事業売上高18年度1000億円目標』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは18日、家庭で使う小型で低価格のリチウムイオン蓄電池を発売すると発表した。従来製品と同等の蓄電能力を確保しながら、価格を90万円と半額以下に抑えた。蓄電池はスマートハウス(次世代省エネ住宅)の中核製品。

同社が成長の柱とする住宅関連事業の戦略商品の一つに位置付ける。安価な蓄電システムとして海外にも売り込む。

机の横などに無理なく置けるサイズにした。

蓄電能力は5キロワット時。机の横などに無理なく置けるサイズで、パソコンや冷蔵庫、テレビなど複数の機器を同時に数時間稼働できる。停電など非常時用のほか、日常でも割安な深夜電力をためて日中に使えば電気代を減らせる。年2千台の販売をめざす。12月20日から受注を始める。

小規模なオフィスや診療施設などでの需要も見込む。電力供給が不安定な新興国などでの利用を想定した携帯電話基地局やデータセンターのバックアップ電源など産業用の低価格製品も開発する考えだ。

海外を含めてリチウムイオン蓄電池事業(車載用を除く)で2018年度に現在の10倍の売上高1千億円、世界シェア2割を狙う。同蓄電池は主に住之江工場(大阪市)で生産している。投資計画は明らかにしていないが、今後設備増強も視野に入りそうだ。

鉛蓄電池などに比べ、リチウムイオン蓄電池は小型で高い蓄電能力を持つ。家庭用の同蓄電池で、同程度の能力がある製品はこれまで200万円ほどしていた。パナソニックは主要部材の正極材により多くの電気をためられる材料を使用。蓄電システムに内蔵する蓄電池の数を半減したことなどで低価格を実現した。

今回の価格でも、深夜電力の利用による節約分だけで投資を回収するには長期間かかるが、同蓄電池が普及して量産効果が出てくればさらに価格が下がり、採算を取りやすくなる。

新製品は太陽光発電の電気をためたり、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)と連携させたりすることはできないが、今回の技術を使ってこれらに対応する蓄電システムをつくることも可能という。顧客の利用シーンに合わせて品ぞろえを拡充していく考えだ。

国内では東日本大震災後にスマートハウスの普及が加速しており、電機メーカーが相次いで家庭用蓄電池の新製品を投入している。大和ハウス工業、シャープなどが出資するエリーパワー(東京・品川)は、従来より2倍長持ちする電池を販売している。NECはオリックスと業務提携して、家庭用蓄電池のレンタルを始めた。』


パナソニックは、新規事業分野として住宅関連事業をあげています。環境対応しつつ高効率なエネルギー使用を可能にする住宅を目指しています。スマートハウスや地域での対応を可能にするスマートシティと呼ばれています。

パナソニックによると、現在の住宅関連事業の売上を年間1.2兆億円(2013年)から8千億円増やして、2019年には2兆円にする目標を発表しています。

この構想の土台の一つになるのが、蓄電池事業です。現在は、リチウムイオン蓄電池が主流となります。

パナソニックが、以前に三洋電機を買収した目的の一つとして、蓄電池に関する技術・ノウハウの取得にあったとされています。

蓄電池は、今後の高効率な電気使用環境を作るための、キーデバイスの一つになります。現在、主流となっているリチウムイオン電池は、まだまだ販売価格が高く一般家庭に入る価格帯になっていません。

将来、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)で使われているリチウムイオン電池の中古版を住宅用途に販売する構想もありますが、現時点では普及の決め手となっていません。

本日の記事によると、パナソニックは既存製品の半値以下になる90万円/台で、12月から住宅用途向けリチウムイオン電池を販売するとのこと。

90万円の販売価格でも、住宅用途向けとしては高額になりますが、既存製品比で半額以下を実現したことは、パナソニックの技術力が高いことを示しています。

新しいリチウムイオン電池がその発電能力と劣化速度などの諸性能が既存製品と同等であるうえで、販売価格が半値以下になることが重要であり、現時点では画期的と言えます。

この価格帯では、一挙に住宅に普及することは、難しいですが、小規模なオフィスや診療所などの業務用途に、バックアップ用として普及する可能性があります。

記事にありますように、深夜電力で蓄電して、昼間に蓄電池を使用すれば、安い電気代で各種電気・電子機器を動かせますし、蓄電池性能の劣化速度を遅くすることが可能になります。

リチウムイオン電池が住宅やオフィスなどに普及するには、性能を保証しつつ販売価格を下げることが必要です。

国内では、パナソニック以外にも、GSユアサ、NEC、シャープなどのメーカーがリチウムイオン電池開発にしのぎを削っています。

また、米国、韓国、台湾、中国などの蓄電池メーカーも積極的な開発投資を行っており、海外勢との競争も激化しています。

パナソニックは、リチウムイオン電池を自動車メーカーにも供給しています。パナソニックが住宅や自動車などの業務用途の売上拡大を実現するためには、高効率で低価格のリチウムイオン電池の開発・実用化が必要になります。

国内および海外勢との激しい競争は、リチウムイオン電池の進化を加速します。パナソニックがより安定した新規事業分野開拓を実現する条件の一つが、リチウムイオン電池事業で勝ち組になることです。

そのためには、低価格に加えて、ITの徹底活用と、太陽光や風力発電などの発電装置との接続などにより、リチウムイオン電池の多面的な使用用途を拡大することがポイントになります。

徹底的な差別化・差異化できる技術の実用化で、パナソニックがどこまで競合他社と差をつけられるかが重要になります。

今回の販売価格を半値以下にすることは、その一歩になります。

パナソニックが事業モデルを住宅や自動車などの業務用途でどれだけ競争力を強化して、勝ち組になっていくのか、注目しつつ期待しています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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