50代と家(2) - 住宅設計・構造全般 - 専門家プロファイル

志田 茂
志田茂建築設計事務所 代表
東京都
建築家

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対象:住宅設計・構造

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50代と家(2)

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これから家をつくる人へ 思いを実現する家づくりのたね


(前回の話の最後より)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
よく考えられていると思うんですが
何か違う。。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

悩む理由を営業マンに話すと・・・

「 そんな事を考えてはダメです。
  家を買うには思いっきりが必要なんです。 」

と言われたそうです。

そう言われてその人が言った事は・・・・

(ここから)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そんなんのね、若いから言える事だよ!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その人が言いたかった事は・・・

若い時には、『 老い 』 という事を
真剣に考える事もできないし感じる事もできない。
それはそのまま、家に対する考えに当てはまる。
「急な階段の3階建てには将来は住めない。」
「何千万も使うのに、見合った質を感じられない。」
つまり、『老い』を見据えた時に初めて感じる事ができる
人に対する配慮・住みやすさ・心地良さのような感覚がない家を
勢いで買う事はできない。

という事でした

「 若い時には・・・感じる事もできない。 」

それはその通りなんです。
事実、その人も、親の事がなければ、
「何も考えなかった」 と言われました。
家の購入メイン層である30代であれば、
確実に 『 老い 』 というのは、遥かかなたの話で
現実味がありません。

50代になると、親=老い という現実に向き合わざるを得なくなります。
そして意識したくなくても、自分自身の未来も考えはじめます。

バリアフリー という言葉を多くの人が 「段差のない」 と認識しています。
そしてイメージとして
バリアフリー = 年寄り 介護
と感じてる人も少なくないかもしれません。

でも、本当のその意味は、「 暮しに支障のない 」 という事。
『年齢に関係なく、家の中での行動に支障なく気持ちよく暮せる』
という事です。

その意味を意識するのは、妊娠中および子供が小さい時の女性
そして『老い』が現実化した時。

(40代後半から)50代は、それの両方が見えるようになる時です。

なので、50代というのは、
赤ちゃんから老人までの暮しを現実として意識でき
『ひとが暮す』という事の意味を大切にでき
家を考えるのに一番よい年齢なのかもしれないという気がするのです。

それが、初めてでも・・・ 2度目でも。。

(おわり)
 

 

2度目の場合には、住み変え、建替えの他に、リフォームするという選択もあります。
「これから」を見据えて、暮し方・意識を変える事からスタートです。
「家を作る(リフォームする)」という事はとてもエネルギーのいる事ですので
早い時期にスタートする事をお勧めします。

50代からの家づくり・・・ 同年代としていっしょに作りましょう! 

 

 


**

私が40代の時に、
50代だったご夫婦の家の改修工事の設計をさせていただきました。
・ 風樂房
 http://mail.os7.biz/l/019Nnp/XQccm9nu/
・ なずなハウス
 http://mail.os7.biz/l/019Nnp/o6g74rPD/
・ 大宮R
 http://mail.os7.biz/l/019Nnp/1hjwLQZ4/

さらにご夫婦のどちらかが50代という事では
・ 高輪の家R
 http://mail.os7.biz/l/019Nnp/4tYux5M6/
・ s a t o * s a t o
 http://mail.os7.biz/l/019Nnp/pHrfYzPf/
も。。

こうしてみると 50代の家 って結構やってますね。

40代の時には、少し上の先輩 という安心感とともに
家にたいする考えというか要求の穏やかさを感じていて
設計がすごく楽しく穏やかにできた思い出があります。

自分が50代になって、
老いとか世の中での立ち位置とかをいきなり感じ出し
なんだか微妙な立場にある 『50代』 というものを知りました。

あの時の施主のみなさんの気持ちとか感覚みたいなものを
今、本当の意味で、なんとなく理解できる気がします。

もちろん設計していた時も理解していたつもりでした。
そう・・ つもり。。
穏やかで自然体のご希望を「実現したい!」と必死にやりました。
そんな40代だった私は、当時の施主のみなさんには
どんなふうに映っていたんでしょうね。。

40代もよかったです。
社会の中での役割としては一番の時だったのかもしれません。
でも、50代になってわかる事は・・・

50代はいい。



◆今日も読んでいただきましてありがとうございました。

 ご感想・ご意見 いただけたらうれしいです。

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  そして生活者のひとりとして
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