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日経記事;『ボーイング首脳「機体コスト5割減可能」 日本企業と提携で』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月13日付の日経新聞に、『ボーイング首脳「機体コスト5割減可能」 日本企業と提携で』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米ボーイングのジョン・トレーシー最高技術責任者(CTO)は12日、都内で記者会見し、三菱重工業や東レなどとの生産技術の共同開発を通じ、航空機の機体の生産コストを最大5割削減できる可能性があるとの見方を示した。

日本のメーカー各社が切削加工や組み立てなどの技術を出し合い、コスト削減や納期短縮をめざす。

ボーイングと三菱重工や川崎重工業、DMG森精機など国内8社と東大が同日、共同開発を正式発表した。トレーシーCTOは「技術開発の成果を生かせば(航空機の機体の)製造期間やコストを20~50%削減できる可能性がある」と述べた。

三菱重工の鯨井洋一・取締役常務執行役員は「ボーイングのパートナーとして、日本企業が連携してコスト削減などを進め、事業拡大をめざす」と語った。今後も国内企業を中心に共同開発への参加を呼びかける。

共同開発プロジェクトは東大生産技術研究所とボーイング、三菱重工、川崎重工、富士重工業で4月に発足した。今回はDMG森精機、OSG、住友電工ハードメタル、三菱マテリアル、東レの計5社が加入。

組み立て企業から素材・工具メーカーにもメンバーが広がった。今後は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の効率的な加工などが開発テーマになる。』

本記事に関して、11月12日付の日経新聞に、『ボーイング・日本8社連合 航空機の生産革新 三菱重・東レ…分野幅広く、東大拠点に 納期を3割短く』のタイトルで記事が掲載されました。

本記事の内容は、以下の通りです。
 
『三菱重工業や東レなど国内大手8社と東大は、米ボーイングと航空機の生産革新に取り組む。これまでも日本の各社は主要な航空機向け素材や部材を納入してきた。今回は各社共同で生産工程を一貫見直しすることで、納期を最大3割短縮する。

納期短縮により新興国を中心に拡大する航空機需要を取り込む。開発した技術は特許で縛らない方針で、日本企業側は競争力向上に生かす考えだ。

米ボーイングと日本の素材・機械メーカーが先端技術を持ち寄り課題を解決する。

機体製造工程全体の見直しを監修する東大の生産技術研究所の下、翼など機体の主要部材を生産する三菱重工業、川崎重工業、富士重工業が参加。

新たに炭素繊維などを供給する東レや工作機械大手のDMG森精機、切削工具大手の住友電工ハードメタル、三菱マテリアル、OSGも加わった。

メーカー単独の努力や現場での擦り合わせだけでは、さらなる生産性向上が難しくなっているという。広く企業と大学が連携し、新たな発想で成果を高める狙いだ。

東大に各社の技術担当者が集まり、部材や部品の加工、組み立て工程の無駄をあぶりだす。生産工程を短縮するなどの見直しで、炭素繊維複合材やチタン、アルミ合金などの素材から部品を製造する熱エネルギーを3割減らす。生産性を5割近く高めることも視野に入れる。

各社の現場の意見などを取りまとめ、消費電力を抑えて効率よく生産する手法を確立する。成果は各社が工作機械などの性能向上に反映させる考えで、早期の実用化を目指す。共同研究は2017年度まで続ける。

共同で開発した技術や工法は特許などで拘束せず、各社が自由に活用できるようにする。ボーイングは最新機「787」で主翼など構造部品の35%の生産などを日本メーカーに委託しており、生産性の向上がコスト圧縮につながると見ている。

研究開発費は各社が負担するほか、経済産業省の支援も受ける。将来は航空機に限らず、航空エンジン、自動車、産業機械の生産技術の研究も手掛ける。計測制御機器メーカーなども取り込んで規模を拡大し、30~40社の組織に育てたい考えだ。』


航空機開発は、最新の関連技術の集大成になります。日本の国内メーカーは、第二次大戦後航空機の本格開発・商品化をストップしてきました。

最近、三菱重工業が国産小型旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の開発・商品化を行っていますが、現時点では当初計画より3年半以上の遅れに直面しており、まさに生みの苦しみ状態にあります。

これは、国内メーカーが自社中心に航空機開発・商品化を行うときに直面する課題であり、三菱重工業には、何とかこの重たいハードルをクリヤーして、MRJを成功させることを大いに期待しています。

航空機開発には、素材、部材、部品の加工、各部品・装置の組立などの最新技術・ノウハウが、エンジンから胴体、翼などの主要部分に適用させる必要があります。

しかも、各部分要素と航空機全体の最適化がマッチされた状態にならないと、安全でかつ、高効率な航空機を実現できません。

さらに、価格競争力をつけるため、徹底的なコストカットが求められます。これは、例えば、提携先のボーイング社が、欧州のエアバス社との受注競争が激化しているためです。

最近、日航がエアバス社の次世代航空機導入を決めたことなど、今まで国内市場がボーイング1色だった状態にも変化が起こりつつあることが競争激化の1例になります。

国内の航空機関連メーカーにとって、ボーイング社との連携・協業は、激しい開発競争を行っている事業環境下で、最新素材、部材、部品などの開発に参加して、コスト競争力をもって、一定の開発・商品化期間内に商品化を完了させる共同プロジェクトに参画できますので、大きなメリットがあります。

航空機の開発・商品化を行うための、関連事業分野のすそ野は広く、ここで培った技術・ノウハウは、素材、部材、精密加工、自動車などの多方面に大きな相乗効果を与えますので、関連国内メーカーは、積極的に参加することが重要になります。

ボーイング社が国内メーカーとの連携・協業で、次世代航空機の開発コストを5割下げ、納期を3割短縮できれば、エアバス社との競争で優位にたち、国内メーカーの受注分も増える可能性があります。

今回の共同プロジェクトには、国内メーカーである三菱重工、川崎重工、富士重工業、DMG森精機、OSG、住友電工ハードメタル、三菱マテリアル、東レの計8社が参画します。また、東大も加わって当該開発事業を支援するとのこと。

今回の共同プロジェクトで目新しいことは、新規に生まれる技術・ノウハウを特許などで拘束せず、各社が自由に活用できるようにすることです。

参画する各社は、開発コストを自己負担する必要がありますが、この共同プロジェクトで生まれる技術・ノウハウを自由に使えるメリットは大きいものがあります。

上記しましたように、ボーイング社との共同プロジェクトは、エアバス社との激しい競争下で行われますので、画期的な技術・ノウハウが生まれる可能性が高くなります。

自由な競争は、画期的なものを生むことは今までにたびたびありました。多分、ボーイング社からは、厳しい条件や注文が出されますので、このVOCを共同プロジェクトで解決・実現していくことは、必然的に参画各社の技術・ノウハウ向上につながります。

国内メーカー8社は、これらの技術・ノウハウを自由に使えますので、今後の自社事業の新規展開に活用できます。

国内メーカーは、家電やITでは海外勢の後塵を拝していますが、産業を支える素材、部材、精密加工などの分野では、世界ナンバーワンの実力をもっています。

政府も今回の共同プロジェクトの技術・ノウハウを、航空エンジン、自動車、産業機械の生産技術などの分野にも適用していく計画をもっています。

また、共同プロジェクトの維持運営には、Webサイトを含めたインターネット活用が必然になりますので、この機会に徹底的なネット活用のノウハウ蓄積も期待します。

国内企業は、ネット活用のノウハウ蓄積が不足しており、今回の共同プロジェクトは当該ノウハウ向上の良い機会になります。

国内メーカー8社、東大、ボーイング社の共同プロジェクトの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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