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日経記事;『日産、「軽」生産へ 国内100万台を維持 三菱自にも供給』に関する考察

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皆様、

こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月9日付の日経新聞に、『日産、「軽」生産へ 国内100万台を維持 三菱自にも供給』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日産自動車は軽自動車の自社生産に乗り出す。三菱自動車と共同開発する新型車を2014年度にも福岡県の工場で生産する。スズキからの軽乗用車のOEM(相手先ブランドによる生産)調達は打ち切る。

軽は国内新車販売の約4割を占め、さらに拡大が見込める。日産は有力市場を取り込み、雇用の維持に必要な国内生産100万台を確保する。

日産が軽事業に参入したのは02年。スズキと三菱自からOEM調達し自社ブランドで販売する体制をとってきた。

これを転換し14年度にも福岡県苅田町にある子会社の工場で生産する。生産規模は年10万台程度になるもよう。自社ブランドで販売するほか三菱自にも供給する。

日産は苅田町の工場で生産中の「ムラーノ」など北米向け多目的スポーツ車(SUV)を米国工場に移管する計画を進めており今後、生産余力が見込める。軽生産によって国内雇用維持のために掲げる「国内生産100万台」の確保につなげる。

日産と三菱自は11年に軽の共同開発のための折半出資会社を設立している。今年6月に第1弾を両社ブランドで発売。来年にかけて共同開発第2弾の新型軽を生産する予定だ。いずれも三菱自の水島製作所(岡山県倉敷市)で生産するが、3車種目は日産が供給する。

軽の自社生産を通じて小型車の低コスト生産のノウハウを蓄積する狙いもある。特に新興国では今後燃費規制が強まり、低コストで省エネの小型車需要が一段と高まる見通しだ。独フォルクスワーゲン(VW)など海外勢も低価格小型車の開発を強化している。

日産は軽技術を取り込むことで、将来、インドなどの海外拠点でも小型の世界戦略車を生産できる体制を整え、世界競争を勝ち抜く。

軽はエンジン排気量が660cc以下、車両サイズも小型車より一回り小さく規制されている。燃費が良く新車の取得・維持にかかる税金などが安いため市場が拡大。

1~10月の新車販売では排気量660cc超の「登録車」が7%減に対し軽は3%増。国内シェアは39%と過去最高で、自動車メーカーにとって欠かせない商品になっている。』


日産自動車は、今まで自社で開発・商品化した軽自動車をもっていませんでした。国内市場での軽自動車の増加する需要に応じるため、2002年からスズキから、主に女性に人気がある「モコ」(スズキではMRワゴン)などをOEM供給してもらい販売してきました。

本日の記事は、日産がこのモコのOEM供給を終了して、軽乗用車を自社で開発・商品化することを決めたとしています。

当該軽乗用車は、軽の開発・商品化の実績を持っている三菱自動車との協業・連携にて、商品化する計画です。

日産が軽自動車を三菱自動車との協業・連携からでも、自社で開発・商品化する目的は、国内市場だけでなく、新興国市場を中心とした新規事業立上理由が大きいと推測します。

軽自動車を国内市場向けの商品ラインナップとして、もっているだけであれば、スズキからのOEM供給で十分です。

国内市場は、人口や生産年齢人口の減少により、乗用車を使用する人の数は確実に縮小します。市場縮小化の事業分野で新規投資して、自社で開発・商品化するメリットはありません。

日産が狙っているのは、新興国市場を中心とした小型自動車事業の立上・強化とみています。新興国市場で勝ち組にならないと、世界市場でも勝ち組になれません。

新興国市場では、今後、乗用車の需要が確実に高まります。ASEANでみますと、生産年齢人口の増加が止まりつつあるタイでは、失業率が実質的にゼロ%であり、いわゆる中間所得層が大幅に増加しています。

タイの場合、現時点では、庶民の足はオートバイですが、今後、より快適な乗り物として乗用車需要が伸びるのは確実です。

庶民の足となる乗用車は、価格が安く、低燃費で、狭い道でも走行できる小型乗用車が主流になります。この動きは、タイのあとを追っているインドネシア、フィリピン、ベトナムでも起こります。

日産自動車は、他の国内自動車メーカーと比べると、小型乗用車の開発・商品化が活発に行われてきませんでした。

軽自動車専業メーカーのスズキの場合、国内市場での軽自動車の開発・商品化の経験・ノウハウをベースに、インドの小型乗用車分野で独自の進化を図り、大きなシェアを獲得・維持しています。

日産自動車が、新興国市場で勝ち組になるためには、魅力ある小型乗用車の開発・商品化が必須になっています。

スズキが軽乗用車から入り、小型乗用車分野で競争力をもつ事業の進化形をひな型として、日産自動車が新規事業分野開拓を進めることになったとみます。

欧州自動車メーカーの中では、独フォルクスワーゲン(VW)が小型乗用車の開発・商品化を積極的に行っています。

小型乗用車は、欧州市場でも低価格と低燃費車として需要の増加が見込まれることによります。

軽乗用車も小型乗用車も、1台当たりの利幅が低いので、軽と小型車に適用する技術や部品などを共通化、標準化して、開発や製造コストを抑えることも重要になります。

日産自動車だけでなく、他の国内自動車メーカーも同じ理解をもって事業しています。

日産自動車のライバルのトヨタ自動車は、グループ企業のダイハツから軽自動車の供給を受けており、小型乗用車分野でも協業していますので、日産の一歩先を行く形になっています。

日産自動車は、トヨタやホンダに比べて米国市場での事業拡大が上手く行っていないので、新興国市場で勝ち組になることは、最重要課題になります。

今回の新たな動きから、日産自動車が新興国市場で勝ち組なるための施策と実行について、注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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