- 村田 英幸
- 村田法律事務所 弁護士
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
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田村善之『論点解析知的財産法』(著作権法)の読後感
具体的な設問、主題趣旨、解説、模範答案で構成されている。
学者が丁寧に執筆しているので、信頼性があり、独習にも授業・ゼミにも向いている。
著作物として、著作権法に例示されているのは、以下のとおりである(著作権法第10条1項)。
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物
言語の著作物を除いて、合計16問ある設問のうち、
音楽の著作物 1問
美術の著作物 2問
建築の著作物と図形の著作物 1問
映画の著作物 3問
写真の著作物 1問
プログラムの著作物 1問
映画の著作物とプログラムの著作物 1問
内容的に、映画の著作物に偏っているので、設問をまとめたほうがよいと思われる。
また、プログラムの著作物は特殊な規定が多いので、まとめ的な設問を設けたほうがよいと思われる。
著作隣接権、実演家などの権利(著作隣接権、実演家人格権、使用料・報酬を受ける権利)については、手薄である。
著作権法の設問は合計16問あるが、法科大学院での授業のコマ数を考えると妥当であろうが、司法試験対策として、十分かどうか。
新司法試験は平成18年から始まっており、平成25年現在で著作権法の出題だけで8問ある。過去問対策は別の本でやってもらうという趣旨であれば、上記の設問数で十分かもしれない。
また、本書刊行後、特許法も著作権法も改正されている。最高裁の新しい判例・知財高裁の裁判例も出ている。
したがって、改訂が望まれる。
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