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日経記事;『東芝、下水汚泥から燃料 処理場を「都市炭田」に 埼玉で受注』に関する考察

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皆様、

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月2日付の日経新聞に、『東芝、下水汚泥から燃料 処理場を「都市炭田」に 埼玉で受注』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東芝は下水処理場で出る汚泥から石炭の代わりに火力発電用などの燃料を作り出すプラントを事業化する。JFEエンジニアリングと組んで埼玉県でプラントを受注した。

処理に費用がかかる下水汚泥から燃料を作る「都市炭田」が実現すれば自治体は燃料の販売から収入を得られ、下水道の運営コストを削減でき東芝は同分野で先行するJパワーなどを追撃する。

新プラントは2015年に稼働する。東芝の技術は水分を絞った汚泥を2~3時間かけて加熱して、石炭の半分程度の熱量を持つ燃料に変える。

まずセ氏160~170度で1時間かけて水分を飛ばしたのち、400~600度で1~2時間かけて蒸し焼きにする。燃料には下水汚泥から出るメタンや一酸化炭素といった可燃性ガスを使うほか、廃熱を再利用。都市ガスや重油といった補助燃料は使用する燃料のうち数%にとどめた。

東芝の技術では1トンの汚泥から80~100キログラムの燃料を作り出せる。出来上がった燃料は石炭の6~7割の熱量を持ち、石炭火力発電所やセメント工場で使える。

第1弾となるプラントは埼玉県和光市の下水処理場に建設する。受注額は33億円。水分を絞った脱水汚泥を年6万2000トン処理できる。

従来、下水汚泥のリサイクルは脱水や焼却によって体積を減らしたのちにセメントの原料に使うほか、埋め立て処理するやり方が主流だった。東芝の方式では焼却した場合に比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を8割以上減らすことができるという。

下水汚泥は水分を除いた乾燥成分に換算して国内で年間約220万トン発生している。石炭の7割程度の熱量を持っていることから、全てを燃料に活用できれば150万トン程度の石炭に匹敵する計算だ。

日本下水道協会(東京・千代田)によると国内の下水道施設では汚泥の処理に年427億円(11年度)を費やしている。全てを燃料として石炭同様の価格で販売できれば現在の石炭価格ベースで処理費の3%程度を回収できる。石炭消費に伴うCO2排出も減らせる。

すでにJパワーは月島機械などと組んで、下水汚泥から石炭代替の燃料を作り、自社の火力発電所の燃料として使っている。広島市や熊本市の下水処理場で燃料化プラントが稼働しているほか、今後は大阪市や横浜市、京都府などの下水処理場でも順次プラントを稼働させる。

▼下水汚泥のリサイクル 1996年の下水道法改正により、下水道事業者は汚泥をそのまま埋め立てるのではなく、再利用するか、焼却や脱水して体積を減らすことが義務付けられた。

2010年度時点では国内で発生する下水汚泥の78%がリサイクルされている。最も多い用途はセメント原料への利用でおよそ4割を占める。一方で固形燃料や汚泥を発酵させて出すガスなどエネルギーとしての再利用は1割にとどまっている。』


東芝は、国内総合電機機器製造事業者の中で、日立と共に集中と選択を他社に比べて早めに進めて、合理化効果を出すことと、並行して新規事業分野の立上を急いできました。

東芝が新しい成長分野ととらえているものの一つが、環境とエネルギー事業です。

一般的に国内の総合電機機製造事業者は、IT対応やその利用で、欧米企業の後塵を拝しており、なかなか経営のスピードを含めて勝てる状況をつくることが困難になっています。

しかし、産業用途分野で基礎技術を磨き、素材や部品レベルから開発を進めて、商品化・実用化にもっていく実力は、世界ナンバーワンクラスになっています。

今後、新興国市場を中心にエネルギー需要は伸びていきます。同時に、環境状況も悪化する一方になっています。

中国内の深刻なスモッグは、その代表例になります。

東南アジアの、大都市であるバンコク、ジャカルタ、マニラ、ホーチミン、ハノイなどでも、工場操業や増加する一方の自動車から出る排気ガスなどにより、大気汚染が進んでいます。

また、河川も工場や住民などから出される排水やごみにより、汚染が進んでおり、川底にたまった汚泥からは、有害物質も染み出しており、環境対策は待ったなしの状況になっています。

同時に、これらの国々は電力不足に悩まされており、発電能力の強化も急がれています。

国内企業の中で、Jパワーは、本日の記事にありますように、月島機械と連携して、下水汚泥からバイオマス燃料をつくる技術・装置の実用化で先行しています。

このバイオマス燃料は、石炭の代替の役割もになっており、低い二酸化炭素排出の実現に貢献しています。

多くの住民や企業、工場などが住む、あるいは集積する大都市は、大量の汚泥が算出されますので、この汚泥のリサイクル事業が確立すれば、新たな都市鉱山・都市炭田として有効活用できます。

Jパワーの開発・実用化した汚泥リサイクルバイオマス燃料生成装置は、広島市、熊本市などのプラントで使われており、今後も横浜市などで採用されるとのこと。

今回、東芝はJパワーを追う形で、汚泥から石炭の代わりに火力発電用などの燃料を作り出すプラントを実用化しました。

Jパワーや東芝、あるいは他の大手事業者が、汚泥から燃料を取り出す装置・プラントを実用化していけば、国内企業の中で激しい競争がおきますので、さらに技術革新が進み、コスト削減も図れます。

国内企業が切磋琢磨して、国内市場で汚泥からエネルギーを作り出す装置・プラントを多く事業化して、多くのノウハウ蓄積を行うことが重要になります。

国内企業は、日本国内での実績を積んで、より廉価版の装置・プラントを実用化して、東南アジアを中心とする新興国市場で積極的に事業化することを大いに期待します。

東南アジアでの大都市では、人口拡大と企業の集積がまだ続きますので、下水道からの汚泥は増える一方です。

少なくとも、国内企業はこれら大都市で深刻化している汚泥対策に貢献できます。

この増え続ける汚泥から石炭に代わるエネルギー源を確保して、発電に使えれば、大都市で深刻化する汚泥対策と発電能力向上の両方の課題を同時に解決できる優れものの装置・プラントになります。

国内企業が実用化した汚泥からエネルギー源をつくる装置・プラントが、新興国の大都市が導入できる価格に抑える必要があります。

Jパワーや東芝などの国内企業は、より廉価版の装置・プラントを実用化して新興国市場に積極的に売り込みをかけることが必要です。

必要があれば、政府もODAなどの仕組みを活用して、新興国の大都市が当該装置・プラントの導入できるように後押しすることも重要になります。

本日の記事によると、国内で発生する年間約220万トンの汚泥全てを燃料に活用できれば150万トン程度の石炭に匹敵するとのこと。

汚泥は毎年多く発生しますので、見方を変えると汚泥は増える都市炭田になりますので、石炭の代替エネルギー源として有望なものの一つになります。

今後の、Jパワーや東芝などの国内企業の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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