日経記事;『真相深層 ゾゾタウンが迫る「踏み絵」「店舗で下見,ネットで購入」の新サービス』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『真相深層 ゾゾタウンが迫る「踏み絵」「店舗で下見,ネットで購入」の新サービス』に関する考察

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皆様、

おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月30日付の日経新聞に、『真相深層 ゾゾタウンが迫る「踏み絵」「店舗で下見,ネットで購入」の新サービス ルミネは拒否、パルコは参加』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイは31日、スマートフォン(スマホ)を使った新サービスを始める。店頭で商品のバーコードを撮影すると、インターネットで買えるようになる。店は下見だけという「ショールーミング化」への警戒が渦巻き、新サービスを巡って商業施設は対応が分かれた。強烈な“踏み絵”を突きつけたのはなぜか。

「今後の成長を担う重要なサービス。ゾゾタウンを超えるビジネスに育つ可能性もある」。スタートトゥデイの前沢友作社長は新サービス「WEAR(ウェア)」に大きな期待を寄せる。

新サービスはスマホの専用アプリをダウンロードすれば利用できる。参加ブランドの店頭でバーコードを読み取ると、価格や色など詳細な商品情報が手に入り、ほかの商品との組み合わせ画像なども参考に買い物が楽しめる。店頭に並ぶ商品をその場で買わなくても、ゾゾタウンを経由してどこからでも注文できる。

消費者に利便性の高いサービスが商業施設側には痛手となりかねない。

店では見るだけ

「施設内での写真撮影は原則禁止」。6月上旬のWEAR公表を受け、専門店ビルのルミネ(東京・渋谷)は入居テナントにこんな書面を送付した。WEARへの参加を見送るように暗に圧力をかけた格好だ。

警戒する最大の理由は売上高の減少。商業施設はテナントの売上高に応じた賃料などが収益源のため、「店が見るだけの場所になれば、収入が落ち込む」(大手デベロッパー)。ルミネの新井良亮社長は「ファッション業界が壊滅的な打撃を受ける」と反発を強める。

一方、同業のパルコは17日、参加を表明した。「どう化けるかわからない。早めに組んでおいたほうが有利だ」と理由を説明した牧山浩三社長には違う皮算用もある。

パルコの専門店ビルでWEARを使った消費者がネット経由で商品を買えば、売り上げの数%にあたる手数料をスタートトゥデイがパルコに支払う。商業施設としての売上高は減っても「パルコの実入りはほとんど変わらない」(牧山社長)。

ほかの商業施設にも手数料を支払うのは同じ。知名度あるパルコを味方に付けたことが呼び水となり、商業施設のWEAR導入が進むとスタートトゥデイはみている。

ネットとリアル。板挟みになるブランドには前沢社長自身が足しげく通い理解を求めた。

「こういう時代がきたんです」。6月以降、前沢社長は若者に人気のブランド、ユナイテッドアローズの竹田光広社長を何度も訪ねた。WEARには当初から、ゾゾタウンの成長を支えた「一番のお得意様」(前沢社長)であるユナイテッドアローズなど約200のブランドが参加する。

WEAR投入の背景にはスタートトゥデイの焦りもうかがえる。そんな焦りが垣間見えたのはちょうど1年前、株価の急落にもつながった交流サイトの「ツイッター」での騒動だ。

顧客が漏らした配送料への不満に対し、「タダで商品が届くと思うんじゃない」と前沢社長が発言し、「炎上」した。結局、コストアップ要因となる配送無料を打ち出すことで収束せざるを得なかった。商品取扱高が約2割伸びた2013年3月期の期末の株価には市場の失望が反映された。

楽天なども攻勢

さらにネット通販大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)や楽天の攻勢も強まっている。アマゾンは即日配送や配送無料を武器に衣料品分野のテコ入れを進めており、5月には楽天が衣料品販売のビームス(東京・新宿)と組んだ。

アマゾン、楽天に「サービスと商品力では負けていない」と前沢社長は強調する。しかし、現実にはゾゾタウンで下見をし、商品を購入するのはアマゾンという消費者も出始めた。ゾゾタウンがショールーミングの対象となる、いわば「ゾゾルーミング化」が危機感を増幅させている。

ゾゾタウンは衣料品のネット通販で唯一の成功モデルとされる。ただ創業から15年、拡大を続けているゾゾタウンも取扱商品ではアマゾンや楽天などとの違いを打ち出しにくくなっている。大手と同じ土俵に上がることなく、第二の成長のための新たな道を切り開けるかが課題になる。』


国内の小売市場全体の規模は、15歳以上65歳未満の生産年齢人口の大幅減少の影響を受けて、明確な縮小傾向に入っています。

この中で、楽天、アマゾン、ヤフー、ゾゾタウン、オイシックスなどのネット通販専業事業者の売上が右肩上がりで伸びています。

小売市場全体の規模は縮小していますので、この動きは、顧客がリアル店舗よりネット通販サイトから購入する頻度が多くなっていることを意味しており、リアル店舗事業の縮小は鮮明になっています。

リアル店舗からネット通販への買い物スタイルの変化は、米国でアマゾンの事業急拡大から始まり、日本でもスマホやタブレット端末機器の急速普及により、一気にネット通販サイトからの購入頻度が増えました。

家電商品の場合、ヤマダ電機などの量販店は、ショールーミングの影響をもろに受け始めています。

リアル店舗側は、リアルとネットの融合など幾つかの施策を打ち始めていますが、効果が出るかどうか現時点では不明です。

最近、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどのコンビニ事業者は、活発に新規店舗の設置を進めています。

これは、人口減少化の市場環境で、潜在顧客の囲い込むを行うための施策であり、一部コンビニ事業者は、スーパーマーケットなど競合他社との連携も同じ目的で行っています。

市場規模が縮小している状況では、顧客にアクセスする間口を可能な限り大きくするやり方です。

ネット通販は、利便性や安い価格などの魅力ににより、毎年顧客からの支持を広げています。当分の間、ネット通販の事業規模は、右肩上がりの状況が続くことは確実です。

コンビニのようなリアル店舗事業者の積極的な動きは、他事業者との顧客囲い込み競争よりも、ネット通販専業事業者との競争を強く意識しているとみます。

インターネットは、現在、あらゆる生活やビジネス活動に必要不可欠なものになっており、その進化の速度は毎年加速しています。

ネット通販専業事業全体では、まだ右肩上がりの状況が続いています。しかし、ネット通販事業も飽和状態になる時期は来ます。

このときに、ネット通販事業でも市場拡大期に大きなシェアを取っておき、市場の成熟時に残存者利益を確保するやり方は、ビジネスの常とう手段です。

現時点での国内市場でのネット通販専業事業者の巨大企業は、楽天、アマゾン、ヤフーになります。

ヤフーは、先日、孫会長がネット通販モールの出店料・手数料の無料化を発表しました。これは、現時点でネット通販の売上で、楽天、アマゾンに後れを取っているヤフーの施策の一つになります。

同時に、ヤフーの新施策は、ネット通販専業事業の競合激化が始まっていることも示しています。例えば、通販モールの出店料・手数料の無料化では、STORES.jpが既に行っており、CtoCという個人同士のネット通販サービスも始まっています。

また、最近、世界約2億6000万人、国内約5000万人のユーザーを抱えるLINEが、ネット通販事業への参入を表明しました。

さらに、グーグルもネット通販事業に本格参入する可能性があります。例えば、多くの国内EC事業者がグーグルにリスティング(検索連動型)広告を出しています。ネット通販事業者の商品販売ページへユーザーを誘導する「グーグルショッピング」の活用も進んでいます。今年6月からグーグルショッピングへの商品登録は完全に有料となり、登録には広告出稿が必須となったとのこと。

このように、ネット通販専業事業もアマゾン、グーグルという巨大米国企業も含めた競争が激化していきます。

ゾゾタウンのように衣料品のネット通販専業事業者は、差別化・差異化を図らないと、楽天、アマゾン、ヤフー、グーグルなどの大手ネット専業事業者との競争に勝てなくなる状況に陥ります。

将来のネット通販事業の飽和状態を見越しての、市場シェアの維持・拡大が重要になります。

本日の記事にありますゾゾタウンの動きは、衣料品のネット通販専業事業者として、リアル店舗事業者との連携を行いながら、勝ち残りを目指す動きを示しています。

このような動きは、食品、医薬品などの事業分野でも起こり、当該分野のネット通販専業事業者と大手ネット通販専業事業者間の競争が激化するとみています。


ところで、商品提供者である製造事業者は、このようなネット通販専業事業者間の動きや競合状況をみつつ、自社商品を最終顧客者に高効率に提供できる仕組み作りをしっかりと行うことが重要になります。

BtoCであれ、BtoB事業であれ、ネット通販事業の仕組みを有効に活用して、ターゲット顧客に商品の特徴や優位性などをきちんとメッセージとして届けることができるかどうかが勝負の分かれ目になります。

世界市場をみた場合、顧客の情報収集・検索はグーグルの使用頻度が高いことも留意する必要があります。

ネット通販の利用は、製造事業者から最終顧客への直販体制の仕組みづくりを行うことになります。

直販の良さは、最終顧客の声を良く理解できることと、中間コストの削減によって収益率が上がることにあります。

製造事業者は、最近のネット通販事業の動きや最終顧客の情報収集・検索のやり方などを研究・検討して自社に最適なネット活用方法を構築・実現する積極姿勢が必要です。

この視点から、ネット通販専業事業者や他のネット関連事業者の動きにいつも注目しています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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