新製品の発表は「広く浅く」で - 広報・PR・IR全般 - 専門家プロファイル

中村 英俊
株式会社第一広報パートナーズ 代表取締役 広報コンサルタント
東京都
広報コンサルタント

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閲覧数順 2024年04月18日更新

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新製品の発表は「広く浅く」で

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特定のメディアに対し、公表されていない情報を意図的に提供することを俗に「リーク」といいます。「様々な事情」により、こうしたことが往々にして行われます。記者が興味を持つような内容であることが前提ですが、いわゆる「特ダネ」の部類に入る場合もあるので、断られる可能性が低い上に、相対的に大きな記事として扱われることが多いと言えます。


「様々な事情」と申し上げましたが、大きな記事になりやすいわけですから、インパクトを与える効果が期待されます。つまり、それが広報サイドにとっての最大の狙いです。このほか、記者がニュースの端緒をつかんでいるようなのでミスリードをさせないため、内容が専門的なので取材による丁寧な背景説明が必要なため、そして記者との良好な関係を築くため、などが実施の理由として挙げられます。


もちろんリークにはデメリットもあります。一紙だけに記事が出るわけですから、他のメディアはおもしろいはずがありません。重要だと思われるニュースであればあるほど、その傾向が強まります。いくら広報担当者が取り繕っても、効果はほとんどありません。記事が出た後にリリースを配っても、後追いで記事になればいいほうで、一斉発表だったら記事になったかもしれないのに、記事にならない(してもらえない)ケースも散見されます。


また、最近ある会社の広報担当者から伺った話によると、「12版では写真や図入りで大きく取り上げられたが、その後大きな経済ニュースが飛び込んできて、小さくなってしまった」のだそうです。


B2Cの会社が新製品を開発し、発売を開始するという事例で相談を受けたことがあります。その会社にとっての主力製品のリニューアルで、技術的にもこれまでにない工夫を盛り込んだものです。元々その会社は、それほど広報活動を活発に行っているわけではなく、特定のメディアとのコミュニケーションを重視していました。


なので、関係も良好な某紙に取材してもらおうと考えていたようでした。広報の方から意見を求められた私は「その新聞では取り上げられても、他紙では掲載されず、機会損失につながりかねない。御社のメイン事業の新製品なので、発表会の形でより多くのメディアに取り上げてもらうことを目指すべきだ」と伝えました。


新製品の発表では、一人でも多くのステークホルダーにリーチすることが重要ではないでしょうか。つまり、インパクトよりも「広く浅く」メディアに掲載されることに主眼を置くべきだと考えます。自動車メーカーや携帯電話大手が、大きな会場に記者を集めて、社長や有名タレントが登場する中で華々しく新製品発表会が行われる様子が度々報道されます。注目度の高い企業・商品のなせる業ですが、広く取り上げられることを企図したものと言えるでしょう。


 蛇足ですが、「リーク」という言葉をメディア相手に使うのは、「広告を理解していない」、あるいは「広報をわかったつもりになっている」と思われるのがオチです。安易に使うのは避けたい言葉です。


橋本拓志
広報コンサルタント
Twitter ID:@yhkHashimoto https://twitter.com/yhkHashimoto

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