- 小坂 淳
- 株式会社環
- 東京都
- ウェブ解析士マスター
対象:ITコンサルティング
調査の解釈
アクセス解析を見る際に注意すべきことに、
「そのデータの母体をきちんと把握する」という統計全般に言われることがあります。
例えば
・アクセス解析の結果アクセス数が多いキーワードが「○○」だから「○○」のニーズが高い
というのはそれだけではそうとはいえない現象です。
正しくは
・「○○」というキーワードからは多くの人が訪れている
であり、
・少なくとも「○○」というキーワードでは人を呼ぶための工夫(SEO)がされている
ということでしかありません。
・「○○」で訪れた人が問合せにつながっている確率が他のキーワードより高い
という結果であればニーズが高いといえるのです。
ただキーワードやフレーズの解析結果はその後の動きに大きな影響を与えます。
それはSEOされているかどうか別にしてそのキーワード・フレーズで検索する人が存在し、
自社のサイトを訪れているという事実は大きなヒントになるからです。
そこからの「解釈」こそが重要で、もし新たなターゲットにしたいユーザが今は訪れていないとしたら、
今訪れているユーザの傾向から、もし新たなターゲットを呼び込むにはどんなキーワードが最適なのか、
そしてそのユーザはどうすれば問合せ・注文につながるのかということを考えることが可能です。
最近色々な調査を見ていると「それが必ずしも全てはない」と思うことが多々あります。
例えば中古車を扱うオークネットが発表した下記の調査
http://www.aucnet.co.jp/tagblocks/koho/news/news2008/0000000879.html
この調査の対象は「ドライバー」であることを考える必要があります。
私の周りは「車に乗らない人」が多いのですが、
その中では「ガソリン税を上げて渋滞をなくして欲しい」という意見は決して少数ではありません。
(ガソリン税を高くすることで車での外出を抑制し、交通量を減らすことで、
危険も減りますし、環境にもよくなりますし、
公共交通機関の利用が増えて、そちらの収支が改善されますので、
私は都心など交通の便がいいところではガソリンはもっと高くすべきと思っています。)
酒税・煙草税・ガソリン税のような税金を上げる方が消費税の増税よりも好ましいと考えている人も
多いと思いますが、「ガソリン税」のみにフォーカスし、ドライバーに絞るとそれが常識とはいえなくなるということもあります。
(個人的にはガソリンは必需品である地方で安く100円以下、
なくても平気な都心では高く200円以上という工夫ができないのかなと思います。
どなたかも書いていましたが、煙草も1箱1000円ぐらいになるように増税することで、
税収の確保、迷惑な喫煙の減少につながればいいなと思います。
酒税の増税があると個人的には痛いですが、ビール500円ぐらいなら仕方がないかなと思います。)
同様のことが年金や医療などの調査でもよくあります。
地域・世代・職業などにより大きく結果が変わってくるものです。
話はそれましたが、アクセス解析もそのサイトを訪れた人にフォーカスされている以上、
非常にターゲットが絞られています。
ですので、新たなターゲットを開拓したい場合と既存顧客を深堀したい場合では
「解釈」をきちんと変えて「対策」を実行しないと、
思うような結果を得ることは出来ません。
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