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日経記事;『パナソニック、半導体部門の社員半減 7000人に 一部工場の売却交渉』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月24日付の日経新聞に、『パナソニック、半導体部門の社員半減 7000人に 一部工場の売却交渉』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは半導体事業を大幅縮小する。約1万4000人いる連結従業員数を2014年度までに約7000人と半分に減らし、海外企業と一部工場の売却交渉も進める。

半導体の経営資源を家電から自動車用や産業機器に振り向け、生き残りを目指す。半導体事業は不振が続き、13年3月期まで2期連続で大幅な最終赤字を計上する要因になっていた。テレビ、携帯電話に続く同社の構造改革が加速する。

日本の大手電機は半導体を家電など自社製品の競争力を高めるための中核事業と位置づけ、拡大を競ってきた。しかし、韓国勢との価格競争の激化で採算が大幅に悪化。

ここ数年は半導体事業を本体から切り離すなどの動きが続いている。パナソニックのリストラで日本の半導体産業は一段と縮小を余儀なくされる。

同社の半導体の主力工場は富山県砺波市、同魚津市、新潟県妙高市、中国、インドネシア、マレーシア、シンガポールにある。これまでも生産能力を縮小してきたが、売り上げ減少で固定費の負担が重荷となっていた。

一部工場はイスラエルの半導体受託生産(ファウンドリー)大手のタワージャズと売却交渉に入った。早ければ今年度内にも合意したい考え。

半導体事業の従業員は海外工場中心に削減する。国内は既に早期退職を実施済みで、主に他の部門への配置転換で対応する。従業員削減で14年3月期に500億円の構造改革費用を見込んでいるが、業績は改善基調にあり吸収できる見通し。』


パナソニックが2013年3月に公表しました2016年までの中期計画によると、テレビ、半導体、携帯電話、回路基板、光ディスク関連の5つを課題事業に設定しました。

これらの課題事業に、上限2500億円の構造改革費用(リストラ費用)を設けて、集中と選択を行うこととしていました。

携帯電話については、NTTドコモが2013年夏に行ったツートップ戦略をきっかけに、個人向けスマートフォン事業からの撤退を決めました。

プラズマディスプレー事業は、今後の成長が見込めないと判断し、工場閉鎖と撤退を発表しています。

テレビ事業本体についても、黒字化するために大幅な合理化を行っており、営業利益の黒字化を可能にしつつあります。

本日の記事は、半導体事業の抜本的な見直し計画について書いています。この通りに実行されますと、パナソニックは海外工場のすべてと一部の国内工場について閉鎖、または売却します。

この結果、連結従業員数を1万4000人から半分の7000人に半減できます。

残る半導体事業は、家電やIT関連機器の汎用化した半導体ではなく、産業用途である自動車や電力制御などに使用するパワー半導体、センサーなどに限定するようです。

半導体事業の営業赤字は、テレビ事業の885億円に次ぐ205億円とのことですので、テレビと半導体の両事業の合理化が進めば、赤字削減の目処はつきます。

課題は、今まで日経新聞などに何度か書かれていますように、新成長分野を軸足をどこに置くのかということになります。

今までのパナソニックの発表した内容をみますと、白物家電を除いてBtoCからBtoB事業に軸足を置いて、不毛なか価格競争に巻き込まれない方向を目指していることになります。具体的には、自動車や住宅関連事業分野になるとのこと。

この場合、BtoB事業で勝ち組になるには、世界市場でナンバーワンになることがポイントになります。

世界市場でナンバーワンになるためには、他社商品・技術に対して徹底的な差別化・差異化を可能にするものを確保・実現する必要があります。

例えば、BtoB事業分野の候補として、半導体事業の場合、自動車用途や電力制御用途を想定しています。パナソニックがこの半導体事業分野で圧倒的な能力を発揮できないと、他の半導体専業事業者との競争に勝てません。

パワー半導体の場合、ローム、日本無線、東芝、三菱電機などが競合他社になります。センサーデバイスについても、ソニーやキャノンなどの国内企業が優位性を保っています。これらの激しい競合下ででパナソニックがどう差別化していくかが大きな課題になります。

今後、パナソニックが競争力の優位性を維持・強化するやり方をどうみいだすのか、現時点では不明です。変化の激しい半導体事業分野で、パナソニックはパワー半導体やセンサー事業などで、差別化・差異化を可能にする青写真を明確化して実行する必要があります。

パナソニックが今後、新規成長事業分野を開拓・実行していくか、引き続き注目していきます。どの分野であれ、専門化して徹底的な差別化・差異化を実現する技術・商品をもつことが、世界市場でナンバーワンなるための必要条件となります。

中小企業も同じ状況にあります。ニッチ市場で圧倒的な差別化・差異化を可能にする技術・商品でナンバーワンになり、他社の参入ができないようにしつつ価格競争を避けるようにすることが重要になります。

パナソニックやソニーなどの国内大手電機機器製造事業者の動きは、中小企業が圧倒的な差別化・差異化を可能にする技術・商品を展開していくときの参考事例になります。

この視点から、パナソニックやソニーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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