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海外大学進学についての誤解

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カナダを主に、日本人のための北アメリカの大学degree取得をサポートして25年になります。

準備から始め、勉強が軌道にのるまで手取り足取りの学業サポートをしていますが、日本の外の教育事情について余りにも正しい情報が不足していることを感じます。 


下記のようなお問合せ(privacy 尊重のため内容を要約しています)も頻繁にいただきます。

このような基本的な質問が、実はすでにカナダの教育の中にいる方からなのも心配なところです。

危機感も覚え、他の迷っているみなさんのため、回答をコラムに致しました。

≪質問内容≫

①現在カナダのBCの高校に通い、来年の6月卒業です。
費用の問題で、卒業後は両親から日本の大学に行くよう言われていましが、最近では、カナダのカレッジ進学も視野に入れ始めました。 

②カレッジでは安く、質の高い教育が受けられると聞いたからです。 

③カレッジではアスレティックスカラーシップというお金を免除してくれる制度もあるようです。
出来ればCollege からUniversity に編入しdegreeをもらい、日本での就職活動を考えています。

④将来何をしたいかは明確ではなく、分かっているのは英語を使った仕事に就きたいということだけです.....

⑤得意なサッカーを生かした仕事も考えたのですが、英語とサッカーを使った仕事はなく、スポーツトレーナーも英語をいかせません。

⑥もちろん英語の勉強をしたいなら、カナダの方が良いと思うのですが、やっぱり日本で就職するなら日本の大学でしょうか....?

 

≪回答≫

効果的な回答のためには、正確な情報が必須ですが、このお問合せには曖昧な部分がかなりありますので、そこを類推しながら回答を試みました。


① カナダの高校で勉強している理由は何でしょう。  

そこがよく理解出来ませんので、このあとのアドバイスがどの程度役に立つかは疑問です。

親の仕事でカナダ在住している高校生をのぞいては、考えられる第一の理由は「カナダまたはアメリカの大学進学準備のため」だと思います。

しかし、そうだとしたならば、カナダの大学に関する情報が余りにないことが心配です。

もうひとつの疑問点:日本人がカナダの高校で勉強すること自体もかなり高額な費用が必要です。 大体年間授業料100万~150万、それプラスホームステイなどの生活費(約100万)かかります。 

カナダの大学留学の費用は、個々の大学や、住居環境にもよりますが、学費、生活費などは、高校留学の費用とはさほど大きな違いがありません。 (4年間で約120単位のように、普通のペースで単位を取って行く場合)

高校留学はしたけれど、カナダの大学進学には費用の問題があることも何か特別な事情がありそうです。
とりあえず、次に進みます。


② カナダのカレッジが質のいい教育を提供しているのは正解です。


College という教育機関は、英語圏の国々により大きく内容が異なります。

その中でも、カナダのCollege のシステムは独特なものです。 
University と同じレベルのコースを、主に100, 200レベルで提供しています。 

各college はuniversity と単位の編入協定を結んでおり、どの大学に編入したいかを決めたのち、互換性のあるコースを取って行きます。 取得単位のGPAで編入が許可されるかどうか決ります。

では、なぜ、college, university の両方が存在するかと言うと、university は入学の際に高校の成績、活動などが判断基準になり、入学後もかなりの厳しい成績基準があるのに対して、college は高校卒業資格のみで入学出来、クラスサイズも小さく、ひとりひとりの学生が成績向上可能なように導いてくれる体制を取るところが多いです。

世界的に見ても非常にレベルの高いカナダのuniversityで落伍するよりは、まずはcollegeからというのは、local な学生にも多様な選択肢を認めるカナダならではのシステムです。

またcollege は主に3学期制を取っているので、コースの選択肢が広く、時間割も調整しやすいです。 そのため、仕事をしながらcollege のコースを履修する社会人が非常に多く見られます。

日本からの留学生がuniversity, college に入学するには、高校の成績、卒業資格の他に、英語能力を証明することが義務付けられています。 例えばTOEFLでは、university入学 には85~90 (iBT TOEL), college でも同じく80~90レベルが必要です。 

(相談者の方も例外ではありません。 カナダの高校を卒業しても、college にはTOEFLのスコアを提出します。 それが所定の点数に満たない場合は、ESLからのスタートとなります。)

university の場合は、成績優秀であること以外にも、そのスコアに満たない場合は、そこで入学は許可されません。 ところが、college は、独自にESL(英語を母国語としない生徒のための英語準備コース)を設けているところが多く、そのコースで英語の能力をつける助けをしてくれます。 

入学時の英語レベルによりESL在籍期間は変わりますが、TOEFLiBT 70レベル程度だと、約2学期ですべて大学のacademic コースに正式入学することが可能になります。

*留学雑誌で華々しく宣伝しているいわゆる巷の語学学校経由では、大学正式入学はほぼ不可能ですので、くれぐれも気を付けて下さい。


③ 奨学金は色々ありますが、留学生がもらえるものは限られています。 それぞれの大学に相談し調べてみる価値はありますが、まず、一番可能性が高いのは成績優秀者に1学期$1000程度の奨学金を出すところがあるくらいです。 それもかなりの成績が必要です。 GPA 4以上くらいが普通です。

 

④ 英語を使った仕事というものは存在しません。 すべての分野の仕事を英語と母国語(出来ればあと一ヶ国語)で出来ることが不可欠です。

これについてはQ&Aで詳しく書いていますのでお読みください。


⑤ International Athletic Trainer の資格を取りたかったら、カナダかアメリカの大学でKinesiology を専攻して下さい。 それが一番の方法です。

大学に入学するためには、前述の2番を参考に。


⑥ 大学は専門分野の知識を学び、それを運用するスキルを訓練するところです。 その能力・知識を将来希望する会社にいかに高く売れるかは、自分の努力次第です。

そんな経験を積み、自分の知的欲求も満足させながらの人生をと思えば、絶対北アメリカで教育を受けることですね。

みんな一緒の横並び、就活とやらで、とにかくどっかの会社に入ることが大学に行く目的なら、留学する意味はありませんね。

ここに書いた情報を基に、ご自分でも詳細に調べてみて、賢明な選択をして下さい。

くれぐれも自分勝手に判断した情報で、人生を台無しにしないようお祈りしています。

 

Good Luck.

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カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの基本が出来た生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」
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