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日経記事;『日本は課題先進国 技術革新、発掘し世界へ』に関する考察

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皆様、

こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月19日付の日経新聞に、『日本は課題先進国 技術革新、発掘し世界へ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『オハイオ州南部ピーブルズ。広大な林野を切り開いた米ゼネラル・エレクトリック(GE)の試験場で9月初め、新型ジェットエンジン「LEAP」の地上テストが始まった。

新型ジェットエンジン「LEAP」には日本カーボンの炭素繊維が使われている(オハイオ州ピーブルズ)。

GEと仏航空機エンジン大手スネクマが開発したLEAPは、民間航空機向けで初めて、セ氏1500度以上の高温になる部分に炭素繊維複合材を採用。軽量化で従来比15%の燃費改善をうたう。

2016年以降に就航する米ボーイングや欧州エアバスの新型機への搭載が決定。すでに5400基以上を受注した。

高齢化に学ぶ

軽量化のカギを握る複合材には、日本の中堅素材メーカーが開発した炭素繊維を使っている。日本カーボンが30年前から細々と生産を続けてきた炭化ケイ素繊維「ニカロン」。軽さと強度、高い耐熱性を兼ね備えた先端素材だが、高価だったために需要は伸び悩んでいた。

埋もれていたニカロンを発掘するきっかけとなったのは、GEが手掛ける「ジャパン・テクノロジー・イニシアチブ(JTI)」という取り組み。

有望な日本の技術を発掘し、その情報を全世界のGEの技術者に発信、新たなビジネスに結びつける。発光ダイオード(LED)照明での日亜化学工業との提携など、様々な協業が生まれた。

「課題先進国」。高齢化や東日本大震災をきっかけにしたエネルギー問題など、様々な課題を抱える日本を、日本GEのマーク・ノーボン社長はこう呼ぶ。後ろ向きな意味ではない。「我々が貢献できるチャンスがそれだけあるということだ」

東京都日野市にあるGEヘルスケアの日本法人では、新型の磁気共鳴画像装置(MRI)の開発が進む。小型化し省エネ性能も高めるほか、撮影時間を短縮して高齢者の負担を減らす。

日本だけでなく世界市場を狙った戦略製品だ。これまでは高性能機や世界戦略製品は米国で開発するのが通例だった。

「世界の課題が先に現れている日本の需要に対処することが、米欧の需要も満たすことになる」。GEヘルスケアのジョン・ディニーン最高経営責任者(CEO)は、日本を在宅医療向け機器やサービスの開発拠点とする構想も描く。

日本企業と協業

イノベーション(技術革新)をけん引する国はどこか――。GEが昨年10~12月、世界25カ国の経営者3100人を対象に実施した調査では、日本は米国などに次いで世界4位になった。

ジェフ・イメルト会長兼CEOは「日本は今でも世界で最も革新的な市場の一つ。これからも日本企業との協業の可能性を探っていく」と意欲を示す。来年1月には、東京・赤坂の日本GE本社に他社との技術交流拠点を新たに開設する。

GEと日本の関係は、1879年に創業者のトーマス・エジソンが白熱灯のフィラメントに京都の竹を使ったのが始まりとされる。それから130年あまり。

12年の日本売上高は約46億ドル(約4500億円)にのぼる。日本の技術・ノウハウを貪欲に集めて、自らのグローバル展開に生かす。GEは日本との新たな関係構築に動いている。』


本日の記事は、日経新聞が「GE不断の変革」のメインタイトルで、世界一の製造企業となりつつあるゼネラル・エレクトリック(GE)について、特集していますものの一つになります。

GEは、前CEOであり名経営者として知られる前CEO、ジャック・ウェルチ氏のもとで、各事業分野でのナンバーワンを目指して、M&Aなどの手法を多様化して、製造業だけでなく、金融業などの非製造業まで事業の幅を拡大しました。

現CEOであるジェフ・イメルト氏は、多角化したGEの事業分野の見直しを進めています。例えば、日経記事によると、一時は全社利益の5割以上を稼いだGEキャピタルはリーマン・ショックの直撃を受けて業績が悪化し、イメルト氏は規制強化など逆風が吹く金融事業の絞り込みを決めたとのこと。

不良資産の売却は順調だが、利益面での金融依存解消は道半ば。2012年の利益に占める金融の比率は46%。同比率を3割に下げるという目標達成に向け、イメルト氏の「選択と集中」は一段と進む可能性があるとしています。

この事業分野見直しの中で、GEトップは世界市場のインフラ事業に注目しています。世界のインフラ市場は、2030年までに世界で約60兆ドル(約5900兆円)の需要が見込まれています。

GEは、この巨大なインフラ市場を取り込むべく、世界一の製造業者になろうとしています。

GEやドイツのシーメンスなどの世界企業は、環境、エネルギー、水道などの社会インフラ事業を全世界市場で展開しています。

GEは、世界のインフラ事業で圧倒的なナンバーワン企業となるべく、集中と選択を行いながら、最先端技術をM&Aや連携・協業などの手法で貪欲に確保しようとしています。

本日の記事もその一つになります。

新型航空エンジンの軽量化で従来比15%の燃費改善を実現するために、セ氏1500度以上の高温になる部分に炭素繊維複合材を採用します。使われる炭素繊維材は、国内メーカーである日本カーボン製のものです。

炭素繊維は、東レや帝人などの大手メーカーが有名ですが、今回は、中堅企業である日本カーボンの技術が採用されました。

GEのやり方は、目標とする事業分野では必ず世界一になることであり、必要な技術は、上記のようにM&Aや連携・協業で短期間に手に入れる方法になります。

まだ多くの国内大手製造事業者が自前の技術にこだわるやり方とは、一線を画しています。

世界一になるには、最先端の技術が必要であることは、共通理解となっています。GEは、自社にない必要な技術や部品・装置は、海外のメーカーから調達する、あるいは、M&Aや連携・協業で手に入れる柔軟なやり方を採用しています。

シェールガスの供給や使用が日常化している米国では、GEや化学プラント装置事業者、関連部品や装置事業者などの製造業者の事業活動が活発化しています。

米国内に工場を新規に作る動きも増えています。これらの製造事業者の動きは、今での製造業者と異なり、徹底的に自動化やIT化を行って高効率な工場運営を目指しています。

多くの労働者を必要としない工場であれば、米国内でも価格競争力をもつことが可能になります。
金型を作る代わりに、3Dプリンターで試作開発を行ったり、少量多品種生産を行うなど、今までのやり方にこだわらないやり方を実現しつつあります。

これらのGEに代表される米国製造事業者の原点回帰のやり方は、国内の電機機器製造事業者にとって大きな参考事例になります。

GEは、価格競争力がなく、汎用化する事業分野は、積極的に集中と選択を行って整理、撤退、売却を実行します。

現時点で、GEはインフラや医療などのBtoB事業に経営資源を集中して、世界市場でナンバーワンになるための動きを加速しています。

国内電機機器製造事業者も、各社の事業方針は、概ねGEと同じように、BtoBタイプの事業でインフラや医療などの分野開拓・強化を打ち出しています。

世界市場では、必ずGEやシーメンスなどの競合他社とぶつかりますので、国内電機機器製造事業者は、GEのやり方を参考にしつつ、徹底的な差別化・差異化を可能にする技術・商品を迅速に実用化して、勝ち残るタフさが必要になります。ITの積極活用も重要になります。

この観点から、日立、東芝、パナソニック、ソニーなどの大手電機機器製造事業者の動きに注目していきます。

これらの大手企業が動くと、技術力のある中小企業に新規事業機会が生まれることによります。

また、自社技術が世界一でも、事業化しなければ「宝の持ち腐れになる」との認識をもつことは、国内企業にとって大事です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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