給与増額と起業収益のどちらを選ぶ? - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月18日更新

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給与増額と起業収益のどちらを選ぶ?

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 わたしが学生のころ、何故学問をするのかと言った学生の質問に、多くの教師が「騙されないため」と答えていました。昭和40年代の教師の半数近くは戦場に行ったり、空襲を受けた経験のある人で、戦前の軍国主義教育に対し恨みを持つ人が大勢いました。勝手に国民を戦争に巻き込みながら国を守れと強制し、最後は国民に自決を促していたのですから。

 そんな教師の教えもあってか、現在まであまり騙されることなく生きてきました。現在、政府が唱えるアベノミクスに対しても、本気で信じる気にはなれません。7月、8月と雇用者の賃金は下がっていますし、大手、中堅企業が政府の言われるまま、利益を賃金や設備投資に回すとも思えません。

 安倍首相はデフレ脱出を声高に主張しますが、彼が政府の主要メンバーだった小泉内閣時代の04年から07年にかけ、戦後最長の経済成長を記録したときはデフレから抜け出すチャンスでした。あの時、小泉首相は靖国参拝と郵政と道路公団で、デフレや財政規律に関してはほとんど関心をなくしていました。

 政治家は、その時々の都合によって政治課題を手品のように変えます。あまりにも人のよい日本人は、政治家と官僚のツケとも言える財政赤字を減らすため、多くの人が消費税増税を支持しています。そんな国民の一途な支持を裏切るように、安倍首相は企業減税や大企業優遇策を連発する政策を実行します。

 このようなときには、あまり政治を信用しないで、起業への準備を早めることも一つの手です。政府の企業優遇によって利益を高め、その利益を従業員の給与へと転化させるシナリオを、過去に何度か政府が描いたことがありました。ことごとく失敗しています。政治家と違って、大手企業の経営者は4~6年で交代します。

 また、企業利益を誘導したいのは、従業員ばかりでなく、株主も同じです。経営者の評価は株価できまります。株主配当を上げると株価は上昇しますが、従業員の人件費を増やしますと、株価は下がるのが株式の世界。日経平均株価を高く維持して、景気の追い風にしようと考える安倍首相には泣き所です。

 起業は誰もができるものではないですし、誰もが成功するものでもありません。ただ、財政破綻や大災害の発生で大不況になってから慌てて起業を考えるより、少しでも経済が明るいうちに起業の目途をつけた方が得策です。「再び、世界一を目指そう」何の根拠もない政治家の言葉に騙されるより、自分の能力を信じる方が幸福です。

【一言】
 安倍首相は、起業に対してとても熱心なのでありがたいです。彼自身、一度体調不良で首相を辞任して再度の首相職ですから、起業に再度挑戦する人の気持ちもよく理解しています。来年夏からは、全国400カ所程度で商工会議所による起業塾も再開させるようです。多くの人が起業を目指すことになりますから、できるなら人より一足早く足場を築きたいところです。

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