- 松岡 利恵子
- アールオンワード 代表
- 研修講師
対象:ビジネススキル
アールオンワードの松岡利恵子です。
一流ホテルで培った接遇・コミュニケーションスキルと、長年の司会経験を生かしたプレゼンテーション術・話し方をお伝えしております。
コミュニケーションを高める会話のためには、
・伝える…自分の気持ちや思いを正確に伝える
・聴く…相手の気持ちや思いを正確に受け取り、正確に受け取ったことを相手に知らせる
この2つが大切です。
自分の言いたいことだけ「言った」では、「正確」に伝わったことにはなりません。
そして相手の言ったことを「きっとこういうことだな」と理解しても、目も見ず返事もしないのであれば、
相手は自分の話したことが正確に受け取ってもらったなという確認ができないためこれもしっかり聴いていることになりません。
では今回は「伝える」ことに注目をして言葉選びについて考えましょう。
自分の思いを正確に伝えるためには、相手のタイプによって言葉を使い分けることが大切になります。
人によって理解を深めやすい言葉は違いますし、声のトーンやスピードも違います。
そういった相手に合わせること以外にも実は行き違いを生みやすい言葉もあるのです。
たとえば家族や恋人に「いつも私のことを考えてくれない」というようなことを言われるとします。
あなたは「いつも大切に思って気にかけているのに、何でこんなことを言うのだ!」と憤慨します。
同じ時間や状況、言葉を共有しているのに、ズレが生じていますね。
実はこんな些細なことが原因かもしれません。
「じゃあ連絡してね。」
「うん、またね」
この文章、あなたはどう受け取りましたか。
「またね」は曖昧な表現です。
使い方によって時間の感覚が幅広く、話す人、聴く人によって抱くイメージが変化するのです。
・また「あとで」ね
これなら近い将来、今日の話と感じます。
・また「今度」ね
これはあとでほど近い未来ではないけれど、次の機会という意思を感じます。具体的にわかれば「また明日ね」というキーワードに置き換えることもでますよね。
・また「いつか」ね
これは社交辞令と感じますよね。計画というより願望や夢という表現方法になってしまいます。
このように「またね」には時間の隔たりから生じる、約束への思いが全く違うのです。
あなたが相手を大切に思い、「またね」(あとで=仕事終わればすぐに連絡する!)という意味で伝えても、
相手が(いつか=気が向いたらかけるかもしれないけどわからない)と受け取ってしまえば
たとえ仕事後、すぐに連絡をしても
「いつも私のことなんて後回し!今日はたまたま連絡くれたけどいつも自分の都合ばかりなんだから」
とあなたの努力はただタイミングが良かっただけの気まぐれだと思われてしまうかもしれません。
その逆でいつ連絡できるかわからない、正直手が空くまでそっとしていてほしいとあなたが思い「またね」と伝えているのに
「そうなのね後で連絡くるのね!」と相手が思い込んでしまったとき、1日連絡をしないあなたに「いつも口ばっかり!」となります。
このように感覚で判断して誤解が生まれる言葉はたくさんあります。
他にも
「ねえ、今日の記念日のディナーのレストラン、予約してくれた?」
「ああ、一応予約したよ」
彼女が1年に1度、記念日のディナーをとっても楽しみにしていて、何日も前からドレスアップの計画もして
しかも彼のためにサプライズプレゼントも用意している!というくらい気合が入っていると
「一応ってちゃんと予約してくれなかったの?彼は楽しみではないんだ」とがっかりするでしょう。
一応には、十分ではないがひととおりクリアしているというような意味があります。
彼は彼女の気合の入り方を知っているからこそ「ちゃんと予約して準備をしているけれど君が気に入ってくれるかな…」と優しい気持ちがあって、言葉を濁しているとします。
一応が持つ「十分ではないけれど」という自信のない部分を、
彼女は「ちゃんとしたお店を選んでいない」
彼は「彼女が気に入ってくれるだろうか」
と180度違う印象で受け取ってしまっています。
「もちろん、予約しているよ、君が気に入ってくれるといいな」
と言えば優しい彼にラブラブ度がアップしますよね。
これはビジネス、交友関係でも全く同じです。
少しの言葉選びが、人の感情に訴えるのですね。
自分の思いを正確に伝える言葉を選んで、コミュニケーション力をアップしましょう。
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