- 西田 淑子
- サクセスインサイド・コミュニケーション 代表・コミュニケーショントレーナー
- 大阪府
- ビジネスコーチ
対象:コーチング
同じ言葉をしゃべっていても、それが同じ意味づけだという保証にはなりません。涙には様々な意味づけがあります。嬉し涙、悔し涙、有難涙、おろおろ涙、思案涙、しのび涙、空涙、連れ涙、もらい涙、など色々な種類の涙があります。私たちは、往々にして、自分が自分について意味づけたことで、相手の様子から、相手が何を想像しているかにお構いなく、自分と同じだと判断しがちです。下を向いて小さく息をはけば、その行動が自分にとって、失う悲しみを意味するのであれば、もし他人が可笑しさを堪えるために、下を向いて思わず小さく笑ってしまったとしても、その息を吐く様子をため息と予測し、ああ、相手も今悲しいのだと、予測しがちです。
人は、何かを考えたり、思い出しにくいことを思い出そうとしたり、するときには、下を向いたり上を向いたりします。また堪えたり、我慢したり、耐えたりするときにも、下を向いたり上を向いたりします。ただし、どの感情についてそうしようとしているのかは、人によって、状況によって、環境によって、異なりますし、その感情を引き起こした状況や考えは具体的には何か、というのは、人の数だけ異なります。
しかしながら、私たちは、個人個人が異なっているがゆえに、また、人と同じでありたい、同じ考えでありたい、孤独を感じたくない、一緒でありたい、と願ってもいます。だからこそ、私とあなたは一緒であるはずだ、と思いたいのです。それが思い込みすぎることによって、誤解が生じることになります。
しかしまた、予測をすることによって、役に立つ状況もたくさんあります。相手の気持ちを汲み取る、相手の立場になる、相手のしたい事を先読みする、こういったことは、接客業の場面で役に立ちます。これは、日本が世界に誇るサービス精神とか、ホスピタリティを持っている国民であることの、要素を作っています。
私たちは、自分自身の経験を通して、こういうときの涙は、こういう言葉で表現されるのだ、ということを記憶し学習していきます。そして次に起こる事を予測することが出来ます。
また、そうすることによって、人との考え方の違いを知って、自分の考え方の詳細を知ることができます。そうやって、私たちは意味づけを学び、生きていくための方向付けと方法を、決めていくことが出来ます。
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