インド特許法の基礎(第5回)(2):特許出願 - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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対象:特許・商標・著作権

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インド特許法の基礎(第5回)(2):特許出願

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インド特許法の基礎(第5回)(2)

~特許出願~

2013年10月4日

河野特許事務所 

弁理士 安田 恵

 

(c)提出時期

 各書類の提出時期は下表の通りである。出願時に必須の提出書類は願書、明細書、図面(必要であれば)、手数料である。

提出書類

提出時期

備考

願書

出願時

救済規定無し。

明細書及び図面

出願時

救済規定無し。

外国出願に関する陳述書及び誓約書

出願時又は出願日から6ヶ月以内

嘆願書を提出すれば、期間経過後であっても通常は受理される(規則137)。

発明者である旨の宣言書

出願時又は完全明細書の提出日から1ヶ月

明示の救済規定無し。

出願権の証拠

出願時又は出願後6ヶ月以内

明示の救済規定無し。なお、願書において出願権に関する宣言を行っているが、発明者の署名が無いような場合、審査報告において署名を求められることがある。

委任条

規定無し

明文の規定は無いが出願日から3ヶ月以内に提出すべきことが求められている。今のところ、3ヶ月経過後に委任状を提出しても特段の問題は無く、受理してもらえるようである。

手数料

出願時(第142条(3))

出願書類については,提出されなかったものとみなされる(第142条(3))。

 

(d)所轄庁

 特許出願人は、特許出願の書類を所轄庁に行うことができる(規則6)。所轄庁は以下の地域を管轄する特許庁である(規則2(b),規則4(1))。

       (i)出願人の住所、居所又は営業所の住所

       (ii)発明が生み出された場所

       (iii)出願人が届け出たインドにおける送達先

 インド特許庁は、コルカタ、デリー、チェンナイ及びムンバイにそれぞれ支庁を有している。現地代理人を通じて特許出願を行う場合、現地代理人の住所が送達先となる。従って、出願人は、現地代理人の住所を管轄する所轄庁に提出しなければならない。

  コルカタ、デリー、チェンナイ及びムンバイのそれぞれにヘッドオフィス及び支所を有する特許事務所に特許出願を依頼すれば、出願人は特許出願の提出先を任意に選択することができる。どの特許庁へ提出すべきか、という問題は、出願人の関心事であるが、各支庁の審査の質は比較的一であり、どの支庁に提出しても変わりが無いというのが現地の代理人の多数意見である。次回以降で説明するが、日本の企業がインドへ特許出願を行う場合、多くの場合、インド特許庁は、他国における審査結果を利用して審査を行うため、各支庁の審査の質のばらつきが特許性に大きな影響を与えることはほとんど無いと考えられる(審査官個別のばらつきは存在する)。審査スピードについては各支庁で多少のばらつきがあるが、ムンバイ特許庁の審査が若干早いという印象である。なお、現在、インド特許庁のウェブサイト[1]で審査の進捗を確認することができる。

 

(4)願書の具体的記載

 インドの願書には見慣れない記載項目があり、特許法の条文と、記載事項との関係が若干分かり難い。条文の理解を容易にするために願書の記載事項及び宣言の見本を以下に示す。


FORM 1

THE PATENTS ACT, 1970

[39 OF 1970]

&

THE PATENTS (AMENDMENT) RULES, 2006

APPLICATION FOR GRANT OF PATENT

[See Sections 7, 135 and rule 20 (1) ]

Application No:

Filing date:

Amount of Fee paid:

CBR No.

Signature:

 

1.  APPLICANT (S)

Name

Nationality

Address

名称

国籍

住所

2.  INVENTOR (S)

Name

Nationality

Address

名称

国籍

住所

3.  TITLE OF THE INVENTION

発明の名称

4.      ADDRESS FOR CORRESPONDENCE OF APPLICANT/

          AUTHORISED PATENT AGENT IN INDIA

代理人の名称

住所,電話番号,ファクシミリ番号,電子メールアドレス等

5.               DECLARATIONS:

i) Declaration by the inventor(s):

 I/We, the above named inventor(s) is/are the true &first inventor(s) for this invention and declare that the applicant(s) herein is/are my/our assignee or legal representative.

(a)Date:日付

(b)Signature:署名

(c)Name:名前

ii) Declaration by the applicant(s):

I/We, the applicant(s) hereby declare(s) that:-

-                      I am/we are in possession of the above-mentioned invention

-                      The complete specification relating to the invention is filed with this application.

-                      There is no lawful ground of objection to the grant of the Patent to me/us.

       

 

 願書には、出願人の名称,国籍,住所(様式1の項目1)、発明者の名前,国籍,住所(第7条(3),様式1の項目2)、発明の名称(様式1の項目3)、代理人住所等(様式1の項目4)を記載する。

 また、願書には発明者による宣言(様式1の項目5(ⅰ))が含まれる。発明者は、真正かつ最初の発明である旨の宣誓(第7条(3),様式1)、出願人が出願権の譲受人である旨の宣言を行う(第7条(2))。願書において、出願人が出願権の譲受人である旨の宣言を行い、発明者が署名を行うことによって、出願権の証拠に代えることができる。この場合、発明者から出願人への譲渡契約の提出は不要となる。

 更に、願書には出願人による宣言(様式1の項目5(ⅱ))が含まれる。出願人は、出願人が発明を所有している旨(第7条(3),様式1)、願書と共に当該発明に関する仮明細書又は完全明細書を添付する旨(様式1)、出願人が,真正かつ最初の発明者からの譲受人である旨(様式1)を宣言する。

 


[1] http://ipindiaservices.gov.in/rqstatus/

 

 

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