日経記事;『日産、ミャンマーで乗用車生産 マレーシア系と 年内にも』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『日産、ミャンマーで乗用車生産 マレーシア系と 年内にも』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月16日付の日経新聞に、『日産、ミャンマーで乗用車生産 マレーシア系と 年内にも』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日産自動車は年内にもミャンマーで乗用車などの生産を始める。マレーシア系企業に生産を委託し、小型乗用車や「ピックアップトラック」と呼ぶ小型商用車などを組み立てる。

ミャンマーは民主化で急速な経済発展が見込まれる。世界大手として先行して現地生産に乗り出すことで市場開拓を優位に進める。

ミャンマーは2011年の民主化以降の経済改革で自動車需要が急速に高まっている。特に日本の中古車の人気が高い。人口6300万人に対し12年時点の自動車の保有台数は約236万台で、市場拡大の余地が大きいと判断した。

現在スズキが小型トラックを月約100台生産するほか、インドのタタ自動車がトラック、中国・奇瑞汽車が小型車を生産するが大手は未進出だ。

日産はマレーシアの自動車組み立て・販売などで提携関係にあるタンチョン・モーターと組んでミャンマーで現地生産する。

生産台数は年間数千台規模になるもよう。タンチョン系企業が組み立て工場を建設し、東南アジアの日産工場などから部品を輸入して完成車に組み立てる。

ミャンマーは中長期的な市場拡大が見込める一方、電力などインフラ整備が遅れており、工場運営には課題も多い。日産には現地生産を通じてミャンマー政府との関係強化を図り、成長市場での足場固めにつなげる狙いもある。

日産は7月にタンチョンを販売代理店としてミャンマーで新車販売を開始したばかり。最大都市ヤンゴンにショールームや保守・整備拠点を開設し、ピックアップトラックと大型商用バンの輸入販売を始めた。

同国ではいすゞ自動車や日野自動車もトラックなどの現地生産を検討している。日産の進出を皮切りに、日米欧の大手各社が同国での現地生産に乗り出す動きが広がりそうだ。』


本日の記事は、日産自動車がミャンマーに工場建設などの投資を行なうことについて書いています。

私は海外の自動車市場規模や事業環境をみる手段の一つとして、国内中古自動車の輸出統計を定期的に観測しています。

国内中古自動車に対する世界需要は、高いものになっています。これは、日本車の持つ性能や耐久性に対する評価が高いことが中古車輸出が拡大する大きな要因となっていることによります。

輸出国を見ると先進国でない国々も多く、道路が十分整備されているとはいえず、当然のごとく自動車への負担も大きくなります。

新興国では、自動車を頻繁に買い換えるということは難しいのが実態です。

従って、新興国では性能が良く、丈夫で壊れにくいということが自動車を選ぶ際の大きなポイントとなります。

そのような丈夫で長持ちする日本車への評価は高く、一度の購入で、長期間の使用を望むユーザーにとって日本車は非常に魅力的な商品ということになるから、上記のように高い需要が生まれます。

財務省貿易統計からミャンマーへの中古自動車の輸出実績をみますと、以下のようになります。

例えば、シリンダー容積が1,000立方センチメートルを超え1,500立方センチメートル以下の中古乗用車でみますと、2012年1月から12月までの1年間の輸出台数は、19670台となります。

同じ排気量の中古乗用車のアジア地域全体の輸出台数は、43165台となります。ミャンマー向け輸出台数は、アジア向け全体の45%を占めて最大の輸出先になります。

また、この統計には申告額が1品目あたり1申告20万円以下の中古自動車は含まれていませんので、実際の輸出台数は、もっと大きくなっています。

ミャンマーは、民主化政策により、海外からの投資が活発化しており、現在の人口、6300万人が今後も増加する予測になっているため、自動車市場として大きな潜在力をもっています。

ミャンマーで日本製中古自動車の需要が高いのは、上記しましたように価格の安さと性能・耐久性が良いことによります。

日産自動車は、欧米メーカーが国内メーカーより先行して中国進出して、高いシェア獲得したことと同じように、いち早くミャンマーに生産拠点を設けてシェア獲得を狙うやり方を取ります。

日産が、ミャンマー内顧客の要求仕様・機能・性能・価格に合った商品を提供できれば、先行するアドバンテージは大きいものがあります。

但し、ミャンマーは電力供給や物流などの社会インフラがぜい弱ですので、安定した工場運営には大きな課題があります。

日産が、マレーシア企業との連携も含めて適切な工場運営を可能にすることを期待します。

ASEANは、2015年に経済発展を行ない、基本的に域内関税ゼロにすることを目標にしています。ASEAN内では、タイで自動車の産業集積が実現しています。

タイの産業集積を利用してミャンマーに自動車生産工場を作るやり方や、タイかインドネシアなどの周辺国で、ミャンマー顧客の要求仕様・機能・性能・価格に合った自動車を生産・供給する方法もあります。

ASEAN域内の関税がゼロになれば、物流コストを除けば、どの国で作っても輸出入する制約は低くなります。

ASEAN地域での日本車への評価は極めて高いものになっています。この利点を維持強化しながら、国内メーカーが、ミャンマーを含めて大きな需要獲得に積極的に動くことが重要であり、当然のごとく全てのメーカーは理解して対応しています。

今回の日産の動きは、記事にありますように、競合他社を刺激しますので、更なる競争が起こります。競争は国内メーカーの成長を助長します。

自動車産業は、すそ野が広いため、ASEAN地域での高い需要を取り込んで収益拡大が図られれば、周辺の中小製造業者には大きな新規事業機会が生まれます。

日産や他社の今後のASEAN展開に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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