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日経記事;『エコカー用半導体増産電力インフラにも的 ローム4倍に 富士電機新ライン来月稼働』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月14日付の日経新聞に、『エコカー用半導体増産 電力インフラにも的 ローム、4倍に 富士電機は新ライン来月稼働』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ロームはハイブリッド車(HV)などに搭載して電流や電圧を整えるパワー半導体を増産する。電力損失の少ないチップの生産量を4倍に引き上げる。

パワー半導体は欧州景気の不振で市況が一時低迷したが、エコカーや新興国の電力インフラ整備で需要が回復している。

DRAMなどで苦戦を強いられた日本メーカーにとって安定成長を見込める分野で事業拡大の動きが相次ぎそうだ。

ロームは10月、半導体部材のウエハーを製造する独子会社で、新材料のSiC(炭化ケイ素)の直径150ミリメートルの大型ウエハーの量産を始める。

現行の100ミリウエハーと比べ、1枚のウエハーから取れるチップ数は倍増する。生産効率の向上でチップ生産量を4倍に引き上げる。

増産投資は設備の一部改良で済ませたため数億円にとどめたもよう。ドイツでウエハーを生産し、福岡など国内工場で半導体チップに加工する。

富士電機は10月から山梨製作所(山梨県南アルプス市)でパワー半導体用ウエハーの生産ラインを稼働させることを決めた。

同製作所はディスク媒体の生産拠点を185億円を投じてパワー半導体を作るウエハー工場に転換した。しかし一時的な市況低迷から約1年間稼働を遅らせていた。

稼働開始後、直径200ミリメートル換算でハイブリッド車や産業機器向けに月産1万2千枚を製造する。同工場の稼働などで国内のウエハー生産量を今後3年間で40%増やす。これに伴い一貫生産しているパワー半導体も増産する。

フィリピンでは2015年度までに生産高を約7割増の100億円に引き上げる。国内外の増産で、15年度にはパワー半導体の売上高を12年度比3割増の996億円にする目標だ。

米IHSグローバルによると、12年のパワー半導体市場は114億ドル(約1兆1300億円)でDRAMの半分程度だが、17年には151億ドルと12年比で3割増える。

ハイブリッド車や家電のほか、最近では発電・送電設備、鉄道など新興国のインフラ向けが好調だ。メモリーと異なり、市況変動が小さく値崩れしにくく安定的な収益が見込める。

同市場は最大手の独インフィニオンテクノロジーズでもシェアは12%。各社のシェアは拮抗している。

ロームや富士電機など中堅各社もパワー半導体に注力すれば、大手メーカーのシェアを奪える可能性があると判断し攻勢に出る。』


パワー半導体は、交流を直流に変換、電圧を5V、2~3Vに降圧する、モータを駆動する、バッテリ充電する、あるいはマイコンやLSIを動作させるなど、電源(電力)の制御や供給を行なう半導体のことです。ガソリン車やハイブリッド車(HV)、家電、鉄道、発送電設備などに使われ、搭載機器の省エネ性能を左右する。電気自動車や太陽光発電装置などにも欠かせないとされます。

パワー半導体は、他の半導体であるマイコン(CPU)やメモリなどのLSIに比べると地味な存在になっています。

国内電機機器メーカーや自動車メーカーが得意とする環境対応や低燃費実現のためには、必要不可欠な半導体であり、縁の下の力持ち的な存在です。

記事にありますように、パワー半導体の世界市場では、独のインフィニオンテクノロジーズが12%強のシェアをもっています。

第2位のシェアは、三菱電機が10%強であり、東芝が8%のシェアで第3位となっています。
本日の記事に出ていますロームと富士電機は、それぞれ2%強、6%のシェアをもっています。

パワー半導体は、HVだけでなく、発電・送電の電力インフラ、鉄道などに数多く使用されますので、市場規模は右肩上がりになります。

記事にによると、12年のパワー半導体市場は114億ドル(約1兆1300億円)でDRAMの半分程度だが、17年には151億ドルと12年比で3割増える、とのこと。

産業用途の半導体は、IT用途のものとは異なって、汎用化・コモディティ化し難い状況になっており、市場拡大は収益拡大の機会が生まれる可能性があります。

ロームと富士電機は、ここに商機を見出してパワー半導体増産のための設備投資を決めました。パワー半導体の使用用途は、広くどの対象市場も世界規模で需要増加が見込まれると共に、国内メーカーが重要視する事業領域になります。

世界市場のシェアをみると、上記しましたように第1位のインフィニオンテクノロジーズが12%強であり、圧倒的な力をもって市場を押さえていません。2位および3位には、国内半導体メーカーがいます。

このような市場環境では、積極策を取った企業が売上・シェア拡大できる機会が生まれます。この視点からみますと、ロームと富士電機の経営判断は合理的です。

国内メーカーが得意な環境や社会インフラを支えるパワー半導体の商品力強化で、成長市場でシェア拡大をはかるやり方です。

両社は、パワー半導体に集中投資して、他社との差別化・差異化を図って専業化・専門化して勝ち組みになることが重要です。

中途半端な競争力強化は、シェア拡大に貢献しません。投資する以上は、徹底的な差別化・差異化を実現することで、世界市場で勝ち組みになることが重要です。

パワー半導体の市場が拡大することは確実ですので、ロームと富士電機は、積極的な集中投資でシェア拡大を実現することを期待しつつ、注目していきます。

両社のやり方は、中小製造業者が世界市場で勝ち組みになることの参考事例になるとみていることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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