一生にそう何度とない不動産の売買では、聞きなれない単語・用語が飛び交い、
意味が分からないのが当たり前な雰囲気で契約が進んでいくこともよくあります。
しかし、意味が分からなかったでは済まされない危険なワードも、実はたくさん
あります。
中古住宅の契約時に「容積率オーバー」「建蔽率オーバー」と言った説明を受ける
ことは少なくないと思います。
一生に一度の買い物であることが多い不動産売買では、それが良くある説明か
珍しい物件か、危険な用語か判断が付きづらいと思いますが、上記のワードは
「この建物は、法律で定める限度より、大きく建て過ぎている建物」という意味です。
つまり、「違反建築」または「既存不適格」といわれる物件です。
現在の新築戸建てでは、ほぼ聞きません。 建築審査が今と比べて緩かった以前の時代
だからこそ、こういった大きく建て過ぎている物件が存在します。
また、土地の売買では建物自体ないので、「○○オーバー」というのは当然ありません。
ですから、容積率オーバー、建蔽率オーバーといった説明は中古物件ならではです。
但し、建物大きく建て過ぎているから手抜き工事や欠陥住宅という訳ではありませんし、
容積率や建蔽率がオーバーしていないことが、工事もしっかりしているという保障になる
分けでもありません。
建てて良い大きさを守っているかと、建築工事の良し悪しは別の問題です。
まず、契約時や販売図面の小さな文字、営業担当のサラッと流すイマイチ意味不明な説明
に、「容積率オーバー」「建蔽率オーバー」といったものはないか、そういった
「違反建築」「既存不適格」ではないか、注意深く見聞きし、よく確認することです。
この容積率とは、敷地面積に対する建築延べ面積(延べ床)の割合のことです。
「建物の延べ床面積÷敷地面積×100」の計算式で割り出され、例えば
容積率200%と定められた地域で、敷地の広さが90平米の土地であれば、
延床面積が180平米を超えてはいけないという意味です。
これを超えると「容積率オーバー」となり、大きすぎるので、通常建築確認申請は
通らず建築できません。
昔、大きく建て過ぎた中古物件が、現在「容積率オーバー」の物件として販売され、
契約時には「同規模の再建築はできない可能性がある」と説明されます。
しかし、本当に縮小してしまう中古物件もありますが、ある方法を使うことで、
「容積率オーバー」といわれる大きすぎる建物と、同規模の建て替えが可能な場合も
あります。
次回から、その方法について説明していきます。
このコラムの執筆専門家
- 藤森 哲也
- (不動産コンサルタント)
- 株式会社アドキャスト 代表取締役
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?
売ってしまえば終わり・・・になりがちな不動産業界の現状に疑問を抱き、不動産購入には欠かせないお金の勉強をスタート。FP資格を取得。住宅購入に向けての資金計画、購入後の人生設計までトータルにサポートする「一生涯のパートナー」を目指しています。
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