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日経記事;『混沌の先(5)技術革新をもう一度』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月30日付の日経新聞に、『混沌の先(5)技術革新をもう一度』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。 


『「続けていても傷を広げるだけだったろう」。関係者はそう振り返る。

7月、NECはスマートフォン(スマホ)からの撤退を発表した。

スマホはリーマン・ショック後に急成長した世界的なイノベーション(技術革新)。だが、NECは昨年には「ノンコア」と判断、投資を減らしていた。

最先端から脱落

2000年代初め、日本の電機は家電デジタル化の最先端にいた。だが最近は世界で戦うメーカーが急激に減っている。スマホのほかではテレビだ。パナソニックやシャープが事業を縮小。日立製作所は自社生産をやめた。

転換点はリーマン危機にあった。08年秋、日本の製造業も需要蒸発と資金繰り難に見舞われた。電機メーカーでも資金の手当てが懸念された企業は複数社あった。「一時は破綻を覚悟した」と真顔で語る幹部もいる。

電機大手8社は09年3月期決算で計2兆円の最終赤字を計上した。危機の直前まで薄型パネルへの投資を続けた日立は製造業最大の7873億円の赤字となり、経営陣は退陣。他の電機でも社長3人が交代した。

その後、日立や東芝、NECなどは投資の大幅な抑制に動いた。法人企業統計によれば、日本の製造業は危機以降、設備投資が減価償却費を下回る状態が常態化した。バブル崩壊時でさえ、「そんな減り方は見られなかった」(財務省)。

懸念されるのは技術開発への影響だ。特許庁によれば、日本企業の出願件数は危機の翌年以降激減した。一方、韓国や中国企業は件数を増やし、日本の電機が削減した2万人ともいわれる人材の受け皿にもなった。

積み上がった現金は224兆円。問題は「リスク恐怖症」の企業がどう使い始めるかだ。

「今後も世界経済は楽観が難しい」。米ゼネラル・エレクトリック(GE)会長ジェフ・イメルト(57)は今年の株主への手紙にそう記す一方、「投資は増やす」と話す。

インド、ブラジル、米国。精力的に建設するのはソフトウエアの開発拠点。15年までに10億ドルを投じる計画だ。

GEもリーマン危機で金融部門が打撃を受け、投資家ウォーレン・バフェット(83)に優先株を引き受けてもらった。

だが、2年でそれを買い戻し、株式の時価総額は現在世界7位だ。「もっと技術革新を」。開発したソフトは販売する航空や医療機器の稼働効率を遠隔管理で高める新サービスに使う。狙うのは新たな市場づくりだ。

「再び世界狙う」

歴史をひもとけば技術革新は危機後に生まれる。1929年の大恐慌から数年で生まれたのはナイロン。不況で他社が投資を減らす中、米デュポンが最後まで開発を続け、果実を手にした。

日本も79年の石油危機の中、ソニーが音楽プレーヤー「ウォークマン」を開発。家電産業を変えた。日本はまたアニマルスピリッツ(血気)を取り戻せるか。

パナソニックは今年度、自動車用電池への投資を再開する。三洋電機買収以来、リストラが続いたが、米電気自動車ベンチャー、テスラ・モーターズ向けを手始めに「もう一度世界を目指したい」と幹部は言う。

新しい成長のモデルはまだ見えない。だが、日本に活気を取り戻すには世界を変える技術の力が要る。企業の進む方向は明確だ。』


本日の記事は、製造企業が世界市場で勝ち組みになるには、差別化・差異化可能な商品を開発・実用化する必要があるとの視点で書かれています。

大手企業でも、総花的な事業展開では勝ち組みになることは難しく、差別化・差異化できる事業をもたないと経営が上手くいかなくなることになります。

国内では、電機機器メーカーにその傾向が如実に表れました。かって、私が勤務していたメーカーは、幾つかの商品分野で世界ナンバーワンのシェアをもっており、文字通り世界企業として君臨していました。

しかし、韓国、台湾、中国勢の技術力が向上して、より廉価版の電機機器が世界市場で販売されるようになると、国内勢は売上やシェアを落としていきました。

特に、多くの家電商品は、汎用化していき、機能・性能で差別化・差異化ができにくくなり、価格競争に巻き込まれていきました。

国内メーカーは、この価格競争についていけませんでした。価格競争に入り、収益確保が難しい事業になった場合、基本的には当該事業分野から撤退することになります。

ある時点まで、多くの国内メーカーは撤退の意思決定を早期にできませんでした。撤退しても、その事業の代わりになる、新規事業立ち上げを早期に決定・実行できないことが理由の一つとされます。

事業撤退しないと、当該事業の赤字が年々大きくなっていき、会社経営自体に深刻な影響を与える事態になります。

多くの国内家電メーカーの動きは、事業撤退や新規事業立ち上げの必要性と重要性を明確に提示しています。

電機機器メーカーの中で、日立製作所と東芝は、比較的早期にリストラなどの合理化を行ないました。

両社とも、環境やエネルギー分野に事業の重心を移動させて、新規事業として立ち上げるための施策を行ないました。現在、両社の経営実績にその集中と選択の効果が出始めています。

ソニー、パナソニック、NEC、シャープなどの家電メーカーの動きは、日立や東芝よりも遅く、昨年から本格的な集中と選択を開始しました。まだ道半ばです。

例えば、スマートフォンに関しては、多くの家電メーカーが扱っていますが、世界市場で事業を伸ばしているのは、現時点ではソニーのみです。

ソニーは、集中と選択の検討結果として、スマホやタブレット端末を主力事業として決めており、競争力のある新商品開発・実用化を急ぎました。現在、その新商品効果で国内及び海外で一定の売上を確保しつつあります。

他の家電メーカーである、NECとパナソニックは最近、スマホ事業からの撤退を発表しました。両社の決定は、少々遅いとの印象をもっています。

NTTドコモの販売方針に関係なく、スマホ事業を国内市場中心で行なえば、人口減少も含めてみると、市場が飽和すると売上低迷することは確実です。

しかも、スマホ事業では、アップルとサムスンが国内を含めた世界市場で大きなシェアをもっています。

このような事業環境下では、ソニーのようにとんがったスマホ新商品を出さないと、勝ち残るのは難しくなります。

もっと早期にスマホ事業からの撤退を実行して、新規事業立ち上げに注力する必要があったとの印象をもっています。

パナソニックの場合、環境やエネルギー事業に軸足を置く方針を打ち出しています。本日の記事によると、パナソニックは、今年度、自動車用電池への投資を再開するとのこと。

パナソニックが三洋電機を買収した目的の一つが、電池に関するノウハウ取得だったとされています。

一時期、パナソニックの電池事業に対する方向性が明確に示されていませんでしたが、記事通りの方針ですと、再度電池事業の技術力向上を目指すことが明確化されたようです。

環境やエネルギー分野で、電池はその基礎となるインフラを構成する重要なものになります。国内メーカーは、電池事業で勝ち組みになる必要があります。GSユアサやパナソニックなどの国内メーカーは、世界最先端の電池技術をもって、徹底的な差別化・差異化を実現することが重要になります。

その視点からパナソニックが電池事業で勝ち組みになることを大いに期待します。不要不急の赤字事業を早期に整理して、全ての経営資源を電池などの新規事業分野に投資する積極さが必要になります。

日立、東芝、ソニー、パナソニックなどの電機機器メーカーの動きに、今後とも注目していきます。

これらの企業の動きは、中小企業にとっても参考事例となることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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