東京都檜原村の大自然の中で、福島と東京のこども達が、お互いに助け合っておもいやりの心と友情を育み、素敵なおとなになっていく。そんな企画『おだがいサマーキャンプ』に参加しました。
主催は、公益社団法人日本青年会議所関東地区東京ブロック協議会青少年復興支援委員会という長い名前の団体です。笑
今回の企画では、8人のこども達で構成された、チーム4のみんなと一緒に活動しました。
緊張の顔合わせに始まり、チームリーダーが決まり、テントを子ども達だけで張って、ランタンを作って、川遊びをして、ヤマメの掴み取りやバーベキュー、キャンプファイヤーなどなど、盛りだくさんの楽しい企画をお互いに助け合いながら行い、東京と福島という距離を越えた絆が深まりました。
福島の子の感想文の中に、『東京の人は福島のことを悪く言う、だから、東京の人に会いたくない。そう思っていたけれど、逢って、一緒に過ごして、友達が出来て、とても良かった、楽しかった』という趣旨のものがありました。
遠く離れていると心の距離も離れてしまいがちです。けれど、直接逢って、お互いに表情が判って、そして、一緒に何かに取り組むことができれば、言葉を交わすこと以上に理解し合えるのだと思います。
電話、テレビ、インターネットの発明で、距離を越えたコミュニケーションが可能になりました。そのことで、多くの人への情報発信が可能になり、新しいビジネスも生まれました。世の中は便利になりました。そして、多くの人は幸せになったのでしょうか?
気軽に相手とコミュニケーションが取れるようになったものだから、それが当たり前になってしまい、相手と話ができることを嬉しいと思うことも減り、ちょっとしたやり取りだけで相手と判り合えるかどうかが判断されてしまったり。。
そんな今だからこそ、大切なことは、相手と直接会い、相手を思いやる気持ちとともに相手の心の声に耳を傾けること、そして、自分も相手も楽しい時間を一緒に過ごせるように創意工夫することだと思います。
現在のように多数の人と知り合うことができ、コミュニケーションが自由に取れるようになるとその中から自分に合う人だけを選んで付き合うことが可能になります。
そんな気の合う仲間とともに過ごす時間は、とても楽しくて居心地が良くて。。。
そして、何だかツマラナイ。
意気投合することもぶつかることもあって、いろんな紆余曲折があって、やっと心が通じたら・・・その喜びはとても大きい。
そんなことを考えた二泊三日でした。
こども達にとっての二泊三日は、僕たちおとなの二泊三日に比べるととても長く感じるように思います。1年の長さは、年齢を重ねる程に短く感じるようになるのと同じです。
チーム4は、ちっともまとまりがなく、何をするにしても他のチームから遅れをとっていました。僕は、それを見守りながら、リーダーがどう動くか、メンバーがどう変わっていくのかを観察していました。
リーダーになった子は、とても素直で、粘り強くて、怒って言うことを聞かせるということはしない、そんな素敵な子でした。けれど、他のメンバー達は、リーダーが思うようには、なかなか動いてくれません。ちょっとぼやいていました。笑
そんなチームでしたが、チームが編成されて最初にとても素晴らしい時間がありました。
こども達だけでテントを張ったときでした。
みんなの心がひとつになってテントを張っていました。
おとなが張った見本のテントと匹敵するか、それ以上の出来栄えでした。それも一番早く張ることができました。
なぜ、あのとき、チームがひとつになったのでしょうか?
謎です。でも、もしかしたら。。。
テントを張った日の夜、リーダーの女の子に聞きました。
「将来は、何になりたいの?」
「建築士になりたい!」
もしかしたら、チームメンバーは、一生懸命に取り組むリーダーの姿を観て、
こどもながらに彼女の夢のことを感じ取り、その夢に乗ったのかも知れません。
出逢ったばかりのメンバーは、最初は、みな緊張していました。
もしかしたら、こどもながらに自分のことを他のメンバーに少しでも良く思ってもらいたいから、テント張りに協力したのかも知れません。その後は、優しいリーダーへの慣れからくる甘えが出てきたのかも知れません。
二日目の夜、キャンプファイヤーのときにひとりずつ感想を言う時間がありました。
メンバーのほぼ全員が、テントをみんなで張ったことが楽しかった、と。
いろんなお楽しみ企画があったものの一番印象に残っていたのは、暑い中、テントを張ったことだったのです。
一緒に何かに取り組む、一緒に何かを作り上げる、一緒に喜びを分かち合う、彼らにとってテント張りは、それが最も良くできた素晴らしい時間だったのでしょう。
これは、おとなもこどもも同じなんだと思います。
今回、おだがいサマーキャンプの企画段階において、いろんなことが重なって思うように関わることができませんでした。なんとなく、遠巻きに観ている感じでした。
けれど、委員会のみなさん、こども達、ボランティアスタッフなどなど、同じ場所で一緒に取り組むことで、多くのことを学び、感じ、関わったみなさんの素晴らしさに触れることができました。
また来年も関わりたい!そんな気持ちになりました。
一緒に取り組むことは、未来永劫、記憶に残ることです。
こども達は、僕らの存在は忘れてしまうかも知れないけれど、体験したことはきっとずっと忘れない。そんな気がします。
彼らがおとなになったとき、また次の世代に良い想い出を作ってあげられるそんな存在になってもらえたらと思います。
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