日経記事;『米小売り、アマゾン対抗 実店舗の魅力高める ウォルマート、スマホで精算早く』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『米小売り、アマゾン対抗 実店舗の魅力高める ウォルマート、スマホで精算早く』に関する考察

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皆様、

こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月17日付の日経新聞に、『米小売り、アマゾン対抗 実店舗の魅力高める ウォルマート、スマホで精算早く ベストバイ、メーカーに間貸し』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米小売り大手が既存店のテコ入れに動いている。ウォルマート・ストアーズがスマートフォン(スマホ)を活用した新精算方式を導入、ベストバイはメーカーのショールームを併設した。

アマゾン・ドット・コムなどネット販売の急成長に対応したもので、消費者にとっての店舗の魅力を向上させ、既存店売り上げの落ち込みに少しでも歯止めをかけたい考えだ。

スマホで商品のバーコードを読み込み精算する(ウォルマートの店舗)。

レジに並ばなくても、手元のスマホで商品のバーコードを読み込んでクレジットカードで精算。ウォルマートは、こうして支払いを済ませられる「スキャン・アンド・ゴー」を約200店で始めた。順調なら4000超ある全米店舗に順次広げていく。

同社はスマホのアプリ開発やビデオ配信など、シリコンバレーのベンチャー企業を次々と買収。サンフランシスコ近郊の拠点で技術者を中心に1500人を抱え、ブラジル・サンパウロ、インド・バンガロールとの3極でデジタル分野強化のための開発を進めている。実店舗の利便性向上はその主要な目的の一つだ。

また家電量販店のベストバイは、顧客が申し出ればネット販売の最安値で販売する「マッチング」と呼ぶ価格保証を始めた。他に力を入れるのがメーカーとの提携で、韓国サムスン電子のスマホを展示する「サムスン・エクスペリエンス・ショップ」は米国内の全1400店に開設した。ショールーム部分はサムスンに貸し出し、サムスンの派遣社員が自社製品を宣伝する。

マイクロソフトの製品を販促、使い方なども説明する「ウィンドウズ・ストア」も9月にかけて北米の600店以上に設ける計画だ。一種の“場所貸し”だが、来店者を増やすことで相乗効果を狙う。

米景気は緩やかな回復基調にあるが、代表的な流通大手である両社の業績はさえない。15日に発表したウォルマートの2013年5~7月期の業績は、前年同期比2%の増収にとどまり、米国での既存店売上高は2四半期連続で減少した。ベストバイの既存店売上高は9四半期連続で減少している。

背景にあるのがネット販売との競合だ。ネット販売最大手のアマゾンの売上高は伸び続けており、米デジタル専門誌のワイアードは今年、「8年以内にアマゾンがウォルマートを抜く」との予測を発表した。

ウォルマートなどもネット販売を手がけるが、従来型店舗の売り上げ不振を補うほど一気に拡大させるのは難しい。当面、店舗の競争力向上が巻き返し策の中で大きな比重を占めるとみられる。

一方のアマゾンはウォルマートが得意とする生鮮食品分野にも切り込む構えで、5年前にシアトル限定で始めた食品のネット販売「アマゾン・フレッシュ」を6月からロサンゼルスでも展開。14年には20カ所への進出を準備しているとの見方もある。

ホフストラ大学のバリー・バーマン教授は「アマゾンの競争力は他の小売業を1年以上引き離している」と指摘する。従来型流通大手が対応に追われる展開は当面続くとみられる。』


8月15日付の日経新聞に、『ヤマダ電、市場を失望させたネット通販との消耗戦」のタイトルで記事が掲載されました。

この記事の中で、ヤマダ電機の業績低迷に市場が失望している。8日発表した2013年4~6月期の連結営業損益は38億円の赤字(前年同期は73億円の黒字)に転落したと書かれています。

ヤマダ電機は、最終競合相手をアマゾンや楽天などのネット通販専業事業者と位置付けており、価格競争に積極的に参入しました。

本記事によると、ヤマダ電機は他社のネット通販価格をつぶさに調べ上げ、自社のネット価格を機動的に最安値に引き下げる。店頭価格も他社のネット価格より高ければその場で値引き交渉に応じている。消費者が「価格.com」などの価格比較サイトで値段を調べ、より安い店で買う傾向が強まっていることに対応した、とのこと。

本日の記事にあります、ウォルマート・ストアーズとヤマダ電機の事業状況は、類似しています。最強の競合相手が、ネット通販専業事業者であるということです。

米国市場では、アマゾンによるネット通販事業の急拡大で、リアル店舗事業者は大きな影響を受けています。全米第2位の書店が倒産したことも話題になりました。

アマゾンは、ネット通販事業の拡大のために、Webサイトの継続的改善と、高効率性を支える物流インフラの強化・拡充に積極的に取り組んでいます。

スマホやタブレット端末の高速普及で、インターネットの使用者数も急拡大しており、アマゾンの事業基盤はますます強化されつつあります。

かって、日本では、家電メーカーはダイエーに始まった大手スーパーや家電量販店に販路の主導権を握られ、価格決定権も失ってしまいました。

一時期、家電量販店は儲かるが、家電メーカーは収益確保が難しい状況が続きました。これは、家電メーカーが販路という仕組みであるプラットフォームを家電量販店に支配されたことによります。

現在、日本や米国市場などで、売る仕組みがリアル店舗からネット通販に移行しつつあります。これは、消費者がネット通販の利便性、透明性、価格の安さなどを強烈に支持していることによります。

しかも、上記しましたように、スマホやタブレット端末の普及は、ネット使用者人口を増やしていますので、ネット通販の事業基盤は強まるばかりです。

ネット通販事業の拡大を受けて、大手宅配事業者や不動産会社などが、空港、高速道路の出口やインターチェンジ付近に、大型物流施設を積極的に作っています。

ネット通販事業では、配送時間の短さが競争力の一つになっており、高効率な物流・配送システムを作らないと、アマゾンジャパンに負けてしまう状況になっていることによります。

ネット通販商品の中に、生鮮食料品の比重が増えていますので、迅速な配送は必須条件になっていることも理由の一つになります。

国内では、アマゾンジャパンや楽天などのネット通販専業事業者の勢いが増えつつあります。野村総合研究所によるとネット通販の2013年度の国内市場は2012年度比13%増の11兆5000億円の見通しで、ネット通販専業大手の取扱高は楽天が1兆3千億円でアマゾンジャパンも同規模とみられる、とのこと。

リアル店舗事業者が中途半端な形でネット通販専業事業者と競争しても、価格競争に陥って不毛な消耗戦に巻き込まれるだけです。

リアル店舗事業者は、取扱い商品の見直しや売り方の改善などで工夫して対抗する必要があります。ネット通販専業事業者と同じ土俵で戦っても、消費者の支持を得にくい状況です。

インターネットを使用する機会は、通販や検索などだけでなく、日常生活やビジネスの場に広がっています。

リアル店舗事業者や当該店舗を販路プラットフォームとして使っているメーカーなどは、インターネットを本格的に活用する視点で対応していかないと、販路の維持拡大が難しい状況になっています。

メーカーや農業者、あるいは漁業者などの商品提供者は、ネット通販という販路プラットフォームをうまく利用することで、海外市場も含めて事業展開が可能になります。

中小製造業の中に、国内工場から海外顧客に自社のWebサイトから直販している企業も出つつあります。中には、海外向けネット通販の売上が8割を超えつつあるメーカーも出ています。

もちろん、自社商品の競争力があることが大前提です。

ネット通販を含めたインターネットの積極活用で、国内および海外市場・顧客開拓することが、中小企業にとって勝ち残っていくための条件の一つになりつつあります。

私は、大手リアル店舗事業者の苦境は、ネット通販事業拡大のものさしとしてみており、メーカーや農業者、あるいは漁業者などの商品提供者が知恵を絞ってインターネットを有効に活用することで、自社の販路開拓をできる機会が生まれます。

支援先企業には、インターネットの積極活用をアドバイスしています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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