魂と輪廻転生

仏陀は過去世や未来世の話しはしなかったと言われています。

全ては今にあり、過去や未来は存在しないということです。



一方、仏教では輪廻転生の話も伝わっています。

俗に言う生まれ変わりというものですね。



「じゃあ、どちらが正しいの？」

と言うと、これが両方とも正しいということになってきます。



まず第一に、全ては環境によって作られています。

自分という存在は周りの環境によって動かされているものであり、また、その自分も周りに何かしらの影響を与えています。



以前にご縁の話しを書いたことがあります。

【縁起の法則】
http://ameblo.jp/mikatakakumei/entry-11108441566.html

上記を読んで頂ければわかるように、この世に存在する全てのものは全宇宙の集大成なわけです。

空間だけでなく時間軸から見ても、今という時しかありません。



過去の集大成が今であり、今の継続が未来ということになります。

つまり、過去も未来も無く、全ては今しか無いということです。

こういう言い方をすると、過去も未来も無いということになりますね。



一方、輪廻転生というのは何かというと…。

勘違いする原因になっているのが「魂」という存在です。

魂があるということは、自我が永遠に続くということです。

現象世界に存在するものは、いつか必ず生滅するものであり、魂といえど例外ではありません。



現象世界の他に霊性世界、相対世界に対する絶対世界というものがありますが、それがこの世と別の世界であり、人は亡くなった後に、霊性世界や絶対世界に行くものだ…というように思われています。

これが誤解を生む元になっているのかもしれません。



絶対世界は絶対であり、それ以外は存在しない世界です。

一方、相対世界は相対するものがあって成り立つ世界です。

じゃあ、相対世界の他に絶対世界があるのではないかと思うと、その時点で「相対」と「絶対」に分け、また相対で考えてしまっているんですね。



それでは、相対の世界を抜け出したことにはなりません。

ではどうしたらいいのか…ということなんですね。

実は相対世界と絶対世界は別に存在しているのではなく、重なっているのです。

別にあるわけではありません。



つまり魂というものが、現象世界から霊性世界にいくわけでもありません。

縁起ということを深く理解すれば誰でもわかることなのですが…。

森羅万象は縁で成り立っているものであり、生まれるということは縁が寄り集まっているだけであり、死ぬということは縁が離れていくだけなのです。



だからといって大きな目線で見たら、全ては縁で繋がっており、お互いが離れたというわけでもありません。

一部分を見た時に、一時的に縁が無くなったように見えるだけのものです。



先ほど、今の自分は過去や他の環境の集大成だということをお伝えしました。

魂などという小さなレベルではなく、遺伝子や血までもが引き継がれているのです。

過去全て、環境全てが姿を変え、輪廻転生をしているということなんです。



自分が存在しているのは、全てのもののおかげということはもちろんのこと、自分の考え、言動、行動の全ては、ご先祖様も含んだ全ての方と一緒に体験しているということになります。

これが本当の輪廻転生というものの意味になります。



過去や未来は無く今しか無いのも真実だけれども、輪廻転生が存在するというのも、また真実になるわけです。

魂や遺伝子だけが引き継がれているというのは、それこそ蟻のような低い視点でしか物事を見られていないということになんですね。



魂が永遠に存在するというのも事実なのだけれども、それもまた自らのエゴが入った低い目線から見ることによって、永遠では無い魂を永遠だと思い込んでしまっているだけなんです。

命は永遠であり、また尽きるものでもあり…。

と、どちらでも誤りではありません。



仏陀は相手の段階によって話し方を変えただけなんですね。

仏教の教えは決して矛盾しているわけではありません。

ただ、自らの頭の中に矛盾があるだけなんです。



物事の大局を見る！

小さなことにこだわらないところから始めて、自らの視野を広く大きくしていきたいものですね(^_-)-☆