営業マンで選んでしまうわけ - 建築プロデュース - 専門家プロファイル

松岡 在丸
松岡在丸とハウジング・ワールド 
東京都
建築プロデューサー

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対象:住宅設計・構造

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営業マンで選んでしまうわけ

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営業マンの質と建物の質は同一ではない、というのが家づくりの鉄則。

自分でも分かっているつもりのはずなのに、結局は「営業の人はとてもいい印象だった」というイメージになることがほとんどです。

どうしてなのでしょうか。営業マンが巧みだからでしょうか。

もちろんそれも理由の一つなのですが、住宅業界というのは、他の業界とは異なる、ある特徴があります。その特徴を理解していないなら、結局のところどの営業マンも好印象になる理由が分からずじまい。

何がポイントなのでしょうか。


ユーザーの人生に深く関わる

医療、保険、教育に並んで、住宅というのは人間と家族の本質に迫る職業です。

つまり、営業マンのトークの中には、必ず家族のこと、子供たちの教育環境のこと、夫婦生活のこと、介護のことなどのプライバシーに関するところに踏み込まざるを得ません

それゆえに、ユーザーに対して不快な思いをさせないために、訓練されます。単にどんな建物を作るのかということではなく、ユーザーの家庭環境にまでそのトーク範囲が及ぶのです。

そうであるゆえに、営業マンとして選ばれるのは、人として近づきやすく、とても親身になって話を聞いてくれる人。そんな営業マン、ユーザー家族が「いい人だな」と思う割合の方が高いのです。


売り物について詳しい

そして営業マンは、自社ブランドの家を売るために存在しています。ある住宅メーカーに勤めている営業マンが「おすすめ」としていたことは、勤め先が変わった時点で「敵」となり、まったく逆の営業トークを繰り広げることもしばしば。

要するに、営業マンは自社の家づくりについて詳しく説明してくれるわけです。一方で、他社の批判はできません。他社をけなすというイメージがついてしまうからです。他人をけなさない、というだけで「いい人」「いい営業マン」に見えてきます。

これに対し、ポリシーを持って家づくりに取り組む個人の建築プロデューサーや設計士の場合、敵を多くつくることがあります。私の場合もそうでした。しかし、そのポリシーがユーザーのポリシーとマッチするとき、本当に満足できる家づくりに近付きます。

自社の売り物について詳しいのは当たり前。「あの営業マン、いろんなことを知っているね」というのは、素人目線で考えてはならないのです。


営業マン自身は、どんな家に住んでいる?

意外と見過ごされるのはこのポイントです。営業マンも設計士も現場監督も、自分たちは果たして満足する家に住んでいるのでしょうか

もし満足しているのであれば、その満足の理由を分析して営業トークに反映されることができます。しかし、住宅展示場で出会う営業マンのほとんどは、決して満足する家に住んでいるわけではありません。アパート住まいだったりマンション住まいだったり。

自分がいい家に住んでいるわけではないのに、どうして家を他人に勧めることができるのでしょうか。

もしも本当にいい家に住みたいと思うのであれば、実際に「自分はいい家に住んでいる」という分析と自覚がある人の話を聞きましょう。それこそが、営業マンの本質になります。


結論として、営業マンと話をする際には、もっとドライになりましょう。営業マンはあくまでもそのブランドの家づくりの営業マンでしかなく、ユーザーの生涯におけるほんの一瞬のお付き合いでしかありません。

家は30年以上に渡って使いたいもの。その数日・数週間・数ヶ月の「営業マン」で家を選ばされることがないよう、よく考えましょう。

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