日経記事;『日本企業の海外投資 ASEANシフト鮮明 中国の2倍に 上期1兆円、拠点を分散』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『日本企業の海外投資 ASEANシフト鮮明 中国の2倍に 上期1兆円、拠点を分散』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月11日付の日経新聞に、『日本企業の海外投資 ASEANシフト鮮明 中国の2倍に 上期1兆円、拠点を分散』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『日本企業による海外での工場建設などを指す対外直接投資が、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けにシフトしている。2013年1~6月の投資額は約1兆円と前年同期の4倍に膨らみ、上半期で過去最高水準になった。

中国向けの2倍に及ぶ。中国の賃金上昇や日中関係の冷え込みなど政情リスクを背景に、進出先を中国以外に分散する企業が増えている。

15年にはASEAN内の関税が原則撤廃される。

国際収支統計によると、1~6月の日本から海外への直接投資は5兆4285億円と前年同期比13%増えた。ASEAN向けは4.2倍の9986億円に急増。現行統計で遡れる05年以降では過去最高額となった。半年間ですでに昨年の1年間の実績を上回った。

半面、中国への直接投資は18%減の4701億円にとどまった。昨年後半以降、中国で反日デモが激しくなった影響に加え、中国の人件費の高騰もあり、投資の軸足を東南アジアに移す企業が増えている。

15年にはASEAN経済共同体が発足し、域内の関税が原則撤廃される。ASEANの経済活性化をにらんだ投資を呼び込んでいる。業種別では製造業が目立つが、金融や小売業など非製造業にも広がっている。

国別ではインドネシア向けが最も多く、44%増の2440億円。JFEスチールは6月、自動車用鋼板の生産をインドネシアで始めると発表。3億ドル(約285億円)を投じて工場を新設し、16年3月の稼働を目指す。

2億人以上の人口を抱えるインドネシアは消費地としても注目を浴びつつある。6月には伊藤忠商事が雪印メグミルクなどと建設したプロセスチーズ工場が完工し、稼働を始めた。

次いで多かったのがベトナムで62%増の2306億円。中国に比べて3分の1ともいわれる人件費の低さに着目した進出が目立つ。日清製粉グループ本社は15億円を投じ、14年秋にレトルト食品の工場を新設する。

日本企業からのASEANへの投資の約99%はインドネシア、ベトナム、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシアの6カ国に集中してきた。

1~6月は6カ国以外への投資が約80億円と前年同期の2.4倍に拡大した。これまで日本企業の進出が多かったタイから周辺国へ製造拠点などを移す「タイプラスワン」と呼ばれる動きだ。

11年のタイ洪水の被害を受け、生産拠点の分散ニーズが高まっている。メコン流域の物流網の整備が進み、タイから人件費がさらに低いラオス、カンボジア、ミャンマーに進出する企業も増えてきた。

ニコンはラオスにデジタル一眼レフカメラの新工場を建設中で、10月に操業を始める予定。タイで生産する主力普及機の一部工程を移す。』


本ブログ・コラムでは、たびたびASEANのことについて書いています。これは、ASEANが日本にとって、現時点では米国に次ぐ、あるいは、それ以上に大事な地域になっていることによります。

国内企業が安心して投資でき、かつ、今後の経済発展が期待される地域で当該地域の顧客や企業、政府機関などと協力、競争しながら、ともに切磋琢磨しつつ発展できる事業環境が、日本にとって好ましい地域になります。

ASEANは、現時点で日本にとって最適なパートナーとなる地域であり、より密接な結び付きを進める必要があります。

多くの国内企業は、特に製造業者は時間をかけて投資先の工場や販売拠点を強化・充実していきます。

具体的には、特に人材育成に力点をおいて、工場や販売会社で核となる社員を育てる努力をしています。

このやり方が、将来安定したオペレーションのやり方を可能にし、低コストで効率的な事業運営につながることによります。

自動車や電機製品メーカーは、1960年代からアジアの中でも、特にタイに集中して投資してきました。これは、タイの国民性、勤勉性などに注目して、多くの国内企業が拠点作りに動いたことによります。

その結果、巨大な産業集積が生まれました。現在のタイは、自動車や電機製品に関しては、日本国内に相当する産業集積地域になりました。

産業集積が進むと、当該地域で必要な技術、素材、部品、商品がすべて手に入ることになり、新規事業の立ち上げや新規市場開拓がスムースに行なえる事業環境が整うことを意味します。

国内企業にとって、タイは海外市場開拓の拠点になりつつあります。

一方、タイは失業率がほとんどゼロ%の状態になっており、賃金上昇も進んでいることから、今後、製造業の新規投資は減少することになります。

タイは、産業集積の強みを生かして、周辺地域の人材などを確保しながら、発展するハブ機能をもつようになります。

タイは、カンボジア、ラオス、ミャンマーの周辺地域の人材を取り込みつつあり、本日の記事にありますように、「タイプラスワン」の動きを加速しつつあります。

国内企業もタイを拠点にして、周辺地域への投資や製造拠点の分散や移管を進めています。この産業分散を可能にしていますのが、東西南北に張り巡らされつつある回廊(道路網)の整備です。

物流インフラの整備は、ASEAN域内でモノと人の移動をより容易にしています。

さらに、たびたび本ブログ・コラムでのべていますように、ASEAN経済統合が2015年に実現しますと、基本的には域内の関税がゼロになります。

ASEAN域内どこで作っても、物流コストを除けば、差が生まれないことになります。

製造業の場合、タイから、より労働賃金の安いインドネシア、ベトナム、ミャンマー、カンボジアなどに新規工場を作る企業が増えています。

インドネシアの場合、毎年労働賃金が上昇していますので、労働集約型産業では、ベトナム、ミャンマーなどへの新規投資が増えています。

国内企業にとって、ASEANはタイを中心に、中間所得層の増加によって消費者市場としての魅力も増しています。

タイでは、産業集積の結果、労働者人口と労働賃金の上昇により、中間所得層が形成されつつあります。

タイから日本への観光客の増加や、自動車や電機製品の販売数量拡大は、この中間所得層の形成によります。

タイのあとを追っているのがインドネシアです。インドネシアでは、生産年齢人口が増えつつあり、労働賃金が上昇しても、労働力確保の観点から魅力ある国の一つです。

インドネシアの人口は、2億人以上いますので、タイと同じように、中間所得層が増えてくれば、巨大な市場になります。

このように、ASEAN域内の国は、さまざまなレベルにありますので、各企業の状況に合わせて投資や製造拠点の移管などを行なうことが重要です。

ASEANをうまく取り込んでいけば、国内企業の事業拡大につながります。

もちろん、いつも言っています通り、投資や製造拠点の決定や実行前に、十分な情報収集や分析、事業計画作成が必要であることは間違いありません。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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