日経記事;『ミャンマー、外資と国土開発 JFE インフラ合弁 民主化後、日本勢で初』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ミャンマー、外資と国土開発 JFE インフラ合弁 民主化後、日本勢で初』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月10日付の日経新聞に、『ミャンマー、外資と国土開発 JFE インフラ合弁 民主化後、日本勢で初』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『JFEホールディングスはミャンマー政府と橋梁などのインフラ建設の合弁会社を設立することで合意した。2011年の民主化以降、同国政府が日本企業と合弁会社を設けるのは初めて。

外資の技術力を取り込んで経済の高度化を進めたい政府と、拡大する市場への本格参入を目指すJFE側の思惑が一致した。日本政府も現地のインフラ整備支援に動いており、日本企業の進出に一段と弾みがつきそうだ。

ミャンマーには5月に安倍晋三首相が訪問し、今年度中に910億円の政府開発援助(ODA)の供与を表明。同国では経済発展に向けてのインフラ整備が遅れており、今後、橋梁や空港、港湾などの建設が加速する見通し。特に河川が多いミャンマーは橋梁建設が急務になっている。

JFEは事業子会社のJFEエンジニアリング(東京・千代田)を通じこれらのインフラ分野で豊富な建設実績がある。ミャンマーでは国営企業と協力、建設事業の支援や現場技能者の教育などを続けてきたことが評価され、合弁会社のパートナーに選ばれた。技能者教育はのべ300人近くにのぼる。

JFEエンジが6割、残りをミャンマー政府建設省が出資して「J&Mスチールソリューションズ」を設立する。JFEエンジの出資額は10億円強。9月に政府認可を取得、設立する見通し。

200人を現地で雇用し、橋梁を中心に港湾、空港などのインフラ建設を受注、現地の建設会社などを使って施工する。

建設に利用する鋼材の加工も合弁会社で手掛ける。ヤンゴン市内に年産能力が1万トン程度の同国最大規模の加工工場を建設する。同国の橋梁向け鋼材の2割程度をまかなえるという。

インド、スリランカなど周辺国や中東、アフリカ諸国を対象に、橋梁などの形で鋼材輸出にも乗り出す。これによってミャンマー政府は外貨獲得を目指す。JFEエンジは合弁事業を核に、鋼材を使ったインフラの海外建設で年200億円規模の受注を狙う。

ミャンマーの「外国投資法」では、橋梁などの開発やインフラ用鋼材製造で外資が進出する場合、現地資本との合弁が必要。JFEエンジは政府と組むことで条件を満たす。ミャンマー政府はインフラ建設の発注を入札で決める方針で、合弁会社は他社と同じ条件での入札とする見通しだが、信頼性などの評価で優位になると予想される。

同国政府は外資の技術を使ってインフラ整備を早期に進めたい考えで、今後、日本企業を含めた外資との合弁を増やしていくとみられる。

インフラ建設では、軍事政権時代から親密だった中国の企業が受注の中心となっており、鋼材を使うインフラでは全体の9割を握る。JFEエンジは合弁会社で現地の人材を採用するほか、インフラ建設の先端技術を持つため、中国企業に対抗できるとみている。

ミャンマーは人口が6000万人を超え、「アジア最後のフロンティア」とされる有望市場。各国の企業が進出を検討している。』


昨日のブログ・コラムで、王子ホールディングスの海外展開強化の動きについて書きました。王子ホールディングスは、ミャンマーに段ボール工場の建設を予定しています。

ミャンマーの安価な労働力確保が、同社の当該国で工場建設する理由の一つです。

ミャンマーは、ASEAN域内で、開発が最も遅れた国の一つです。しかし、6,000万人の人口を有し、今後の経済発展が見込まれます。

日本政府は、ミャンマーの民主化の動きに合わせて、ODAなどの仕組みを使ってさまざまな支援活動を強化しています。

ミャンマーにとって最重要課題の一つは、社会インフラの整備です。日本政府は、経済援助の最優先事項として、社会インフラ整備支援をあげています。

ミャンマーの社会インフラが進めば、国内企業の進出を側面から支援することができることによります。

また、国内企業のミャンマーでの社会インフラ事業の新規需要獲得につながります。国内市場は、縮小傾向にありますので、国内企業が事業を伸ばすには海外市場開拓が必要不可欠になります。

ASEANをはじめとする新興国の社会インフラ整備に協力しながら、国内企業が新規需要を取り込んでいく姿勢が重要になります。

国内企業の海外展開のやり方に共通事項があります。そのうちの一つが現地での人材育成です。製造業の場合、工場で働く従業員を教育してスキルアップを図り、熟練労働者を多く育てることで、生産性向上やより難易度の高い商品の生産力強化を目指す動きを、多くの国内企業が行なっています。

多くの企業が、日本国内で行なっているやり方を進出先でも同じように行ないます。ASEANでみますと、1960年代から進出した国内企業が人材育成をした結果、電機機器製品や自動車などの高付加価値事業で産業集積が実現しました。

産業集積は、単に多くの企業が集まっても実現しません。長年育てた熟練労働者や熟練技能者などがいて、初めて成立します。

タイの高度な産業集積は、国内企業の海外展開のやり方の集大成の事例になります。

社会インフラ事業も同じやり方で行なうことが重要です。社会インフラを整備・維持するには、カネやモノだけでなく、熟練した労働者や技能者が必要になります。

本日の記事によると、ミャンマー政府は、JFEエンジニアリングが国営企業と協力、建設事業の支援や現場技能者の教育などを続けてきたことを評価し、政府が今回の合弁の相手になります。

社会インフラ事業でも、JFEエンジニアリングのように、人材育成しながら現地従業員を教育訓練して、戦力として育てていく姿勢が重要になります。

社会インフラ事業は、完成後の維持や保守も重要です。これらのことを現地従業員がきちんとできるようになれば、多くの雇用機会が生まれます。

JFEエンジニアリングが行なう合弁会社は、橋梁などに使用する鋼材の加工も行ない、現地に加工工場を設立します。

この加工工場から、インドやバングラデシュなどの近隣諸国への鋼材輸出も行なう計画です。ミャンマーのようなこれから本格的な経済発展を行なうとしている国にとっては、ほぼ期待通りのやり方になります。

今回のJFEエンジニアリングのやり方は、国内企業が社会インフラ整備事業をASEANや周辺地域で行なう場合の良き参考事例の一つになります。

今後、多くの国内企業がASEANおよび周辺地域で社会インフラ事業を行なうとき、現地従業員の質を高めて、維持・保守だけでなく、新規事業実行の核となるように育成強化する姿勢が重要になります。

ASEANを社会インフラ事業の産業集積地にすれば、ここを足場に周辺地域やアフリカの社会インフラ事業に参入できる可能性があります。

上記のような視点から、政府が期待する社会インフラ事業の海外展開のやり方に注目していきます。

社会インフラ事業のすそ野は大きいので、海外事業が伸びると、中小を含む国内企業にとって新規事業機会が生まれます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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