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日経記事;『王子,新興国投資1000億円 インド/ミャンマーに段ボール新工場 海外売上高比率5割』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月9日付の日経新聞に、『王子、新興国投資1000億円 インド・ミャンマーに段ボール新工場 海外売上高比率5割へ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『王子ホールディングス(HD)は2015年度までの3年間で、新興国を中心に海外で1千億円を投資する。インドとミャンマーで段ボール工場を初めて建設するほか、インドネシアでも初となる工場建設の検討に入った。

経済成長に伴い物流が増加している新興国の需要を取り込む。現在約16.7%の海外売上高比率を20年に50%に引き上げる。国内市場への依存度が高い製紙業界でも、成長を目指した海外展開が加速してきた。

製紙業界では国内2位の日本製紙でも海外売上高比率は約12%にとどまり、10%前後の企業が大半。印刷用紙に続き段ボールも国内需要が減少、輸入紙の流入もあり、事業拡大のうえで海外展開が課題となっていた。

国内首位の王子HDはグローバル展開で先行していたが、新興国を中心にさらに加速する。国内の印刷用紙を中心とした設備投資を抑制。設備投資の海外向け比率は10~12年度に6割弱だったが、13~15年度には8割超に引き上げる考えだ。

東南アジアとインドを最大の成長市場と位置付け、集中的に投資を振り向ける。これら地域での15年度の売上高を、12年度比約4倍の1600億円に増やす。

重点投資するのが需要増が見込める段ボール。新興国では自動車や電機の工場進出が相次ぎ、部品・完成品の荷動きが急増する見通し。

来年1月にインドのラジャスタン州で年4800万平方メートルの生産能力を持つ段ボール工場を新設する。来年夏をメドにミャンマーでも新工場を稼働させる方針だ。

さらにインドネシアでは現地企業の買収を含めた進出策を検討している。今春にはカンボジアとベトナムで段ボールの新工場を稼働させた。ベトナムでは食品の包装などに使われる板紙の生産設備も導入する。段ボールではカンボジアで50%、マレーシアで30%、それ以外の東南アジア各国で10%のシェア獲得をそれぞれ目指す。

ブラジルでは感熱紙工場の能力を15年にも最大で2倍に引き上げる。段ボールなどの生産拠点の建設も検討している。

日本製紙連合会によると、12年の段ボール原紙の国内生産量は前年比2%減の863万7千トンにとどまった。一方、東南アジアとインドの15年の段ボール需要は11年比25%増の1330万トンで、右肩上がりの成長が続く見通しだ。

世界最大手の米インターナショナル・ペーパーは中国に集中投資し、王子HDと競合している。だがインターナショナル社は東南アジアでは生産拠点が乏しく、王子HDは市場開拓で先行が可能と判断した。

高い生産技術が必要な段ボールを中心とした産業用紙は日本メーカーが強みを生かせる。日本製紙やレンゴーなどの日系メーカーも攻勢を強めている。

海外生産は円安に伴う原材料価格の上昇を抑えられる利点もある。ただ印刷用紙などを生産する王子HDの中国の南通工場ではデモの影響で排水管の建設が頓挫しているなど、新興国への生産シフトは一定のリスクも伴う。』


紙の素材産業は、現時点で典型的な国内事業の一つです。すでに多くの電機製品メーカーや自動車メーカーなどは、主要市場に近いところに工場をもって現地顧客の要求仕様・機能・性能・価格に合わせた商品を生産・供給する体制を取っていることに比較すると、製紙業界は国内に主要工場をもって事業する企業が多数を占めます。

この中で業界トップの王子ホールディングスは、他社に先行して海外展開を行なっています。王子ホールディングスは、現在の海外向け設備投資比率を10~12年度に6割弱だったが、13~15年度には8割超に引き上げるとのことです。

この海外生産強化で、現在約16.7%の海外売上高比率を20年に50%に引き上げる目標をもっています。

今まで、製紙業界は内需を主に取り込んで事業してきました。

しかし、国内市場規模のものさしの一つである、15歳から64歳までの所得がある生産年齢人口をみると、2011年において8,134万人となっており、2010年比で14万人減少しています。

生産年齢人口の減少は、国内市場の縮小を意味します。一義的には、BtoCタイプの事業が売上減少を直接的に受けます。

BtoCの事業者の売上減少は、BtoBタイプ事業にもマイナス影響を与えます。さらに、国内企業は、海外勢とのコスト競争に勝ち抜くためや、海外市場の需要を取り込んでいくために、生産拠点を海外に移管、あるいは、新規に設置する動きを加速しています。

国内製造業の海外生産移管が進んだ結果、国内での段ボール消費量は減ります。

工場関連の段ボール消費量の方が大きいため、総合的にみますと国内段ボール市場は縮小傾向になります。

記事によると、2012年の段ボール原紙の国内生産量は前年比2%減の863万7千トンにとどまりました。。これに対して、東南アジアとインドの15年の段ボール需要は11年比25%増の1330万トン大幅に伸びています。

さらに、国内市場に関しては、デジタル化が進んでおり、総合的に紙の消費量は減っています。

インターネット通販の拡大は、段ボールの消費量を増やしますが、国内市場全体の消費量を上昇させることは難しい状況になっています。

このような状況化、王子ホールディングスは海外生産を拡大して、ASEANやインドなどの市場で段ボール事業を伸ばすやり方を取ろうとしています。

ASEANは、2015年に経済統合して、基本的には域内の関税ゼロになりますので、域内のものの移動、すなわち物流量が拡大します。

工場間の部品や商品の移動には、段ボールが使用されますので、当該品の需要は伸びます。ASEAN域内の生産年齢人口は、2050年位まで増加する予測が出ていますので、市場は拡大し続けます。

商品生産量と物流量の拡大、あるいは、パソコン、スマホ、タブレット型端末機器の普及により、インターネット通販の事業規模も急拡大していますので、段ボール消費量の成長が見込まれます。

製紙業界は、市場拡大するASEANやインドなどの新興国市場で販路開拓しないと勝ち残ることは、難しい状況になっています。

王子ホールディングス以外の製紙企業も今後、海外展開を強化する動きをかけるとみます。


最近、国内市場で差別化・差異化を可能にする商品をもっている中小企業が、事業拡大を目指して海外市場を開拓する動きをかけているところが多くなっています。

これは、上記しましたように、生産年齢人口の減少により、国内市場が縮小していることによります。事業拡大するには、海外市場を開拓する必要があることによります。

海外市場を開拓するため、当初は代理店や輸出商社などを活用しながら、輸出事業をスタートする中小企業が多く存在します。

その後、海外企業との競争や、製造コストの削減、あるいは、現地顧客の要求仕様・機能・性能・価格に合った商品を生産するためなどのさまざまな理由で、海外生産を行なう中小企業が増えています。

海外市場を開拓するには、販路確保が必要です。輸出事業から始めて、販路開拓、集客のやり方を身につけてから、海外工場の建設や自前による販売会社設立などの投資をしていくやり方が一般的に安全な海外展開のやり方になります。

現在、国内事業を主に行なっている中小企業が、いきなり海外展開を行なってもほとんどの場合、失敗や苦労することになります。

私がアドバイスや支援要請を中小企業から受けた場合、まず情報収集や調査分析、事業計画作成などを行なった後に、海外展開を行なうやり方を勧めています。

半年から1年位の周到な事前準備をして、海外展開を行なうやり方が重要であり、成功する確率が高くなります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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