妊娠を希望する方から、赤ちゃんがほしいけれどなかなかたばこがやめられない、よくないとは思うのだけど、、という相談をうけることがあります。
たばこが妊娠や赤ちゃんに悪影響を与えるというエビデンスは数多くあります。 体外受精を行う病院で喫煙している場合は、禁煙するまで治療を始める事ができないところもあるほどです。
☆喫煙が妊娠しやすさにどのような影響を与えるか?という実験 (出典:Hum Reprod 2005 Sep Michael S.Neal) 妻 喫煙 夫 非喫煙 → 着床率 12.0% 妊娠率 19.4% 妻 非喫煙 夫 喫煙 → 着床率 12.6% 妊娠率 20.0% 妻 非喫煙 夫 非喫煙 → 着床率 25.0% 妊娠率 48.0% この実験は体外受精、顕微授精で同じような胚を移植した場合の結果ですが、本人が喫煙していればもちろんですが、本人は喫煙しておらず、夫だけが喫煙している場合でも同じような結果となっています。
☆本人または夫の喫煙が卵子に影響を及ぼすか?という実験 (出典:Hum Reprod 2004 Jan Shiloh.H)
妻 喫煙 夫 非喫煙 → 卵子の透明帯の厚さ(μm) 20.2 妻 喫煙 夫 喫煙 → 卵子の透明帯の厚さ(μm) 20.1 妻 非喫煙 夫 喫煙 → 卵子の透明帯の厚さ(μm) 20.6 妻 非喫煙 夫 非喫煙 → 卵子の透明帯の厚さ(μm) 15.3
透明帯は厚さ17μm以上は、厚すぎると考えられ、受精障害や孵化障害の原因となる可能性があるといわれています。その透明帯の厚さが非喫煙者の場合、喫煙者のほうが明らかに厚いという実験結果となっています。
☆出産前の母親の喫煙が、出産した男児の造成能力に影響があるか?という実験では (出典:Hum Reprod 2005 Sep M.S.Jensen)
母親が一日に吸ったたばこの本数が1~10本だと出産した男児が乏精子症(精子の数が少ない)になるリスクが1.8倍、10本以上だと2.6倍。
母親が喫煙することで生まれてきた男児が乏精子症になるリスクが高くなるという結果となっています。
(すべてjineko.net vol.17より)
禁煙しなければと思いつつ、禁煙のイライラがストレスになってどうして良いかわからないまま罪悪感とともに吸ってしまう、、という方は多いかもしれませんが、妊娠を望まれるならば良いことはひとつもありません。 また、本人が吸っていなくてもパートナーが喫煙している場合は同様のデメリットが出てしまいます。
禁煙はとても大変だと思いますが、禁煙のための本や、インターネット、禁煙外来を受診するという方法もあります。また周囲の理解と協力がとても重要ですが、たばこをどうしても止めたい!という気持ちと周囲のサポートがあれば頑張る事ができるとおもいます。ぜひご夫婦で一緒に、妊娠に一歩ずつ近づくために、そして健康のために禁煙することをオススメします!
鍼灸では耳鍼という方法で禁煙治療をサポートすることができますので、興味のある方はご相談くださいね。
鍼灸師 石橋
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