(関連コラム:業務外でのコミュニケーション=飲み会…?)
今回は、それでもやっぱり飲み会は大事だという話です。
ある会社の部長さんでしたが、その部下であるAさんの様子がおかしいと、他の部下Bさんから相談を受けたそうです。最近午後になると落ち着きを無くして仕事のミスも多い、一種の心の病気ではないかとBさんは言います。
しかしその部長さんには思い当たることがあったそうです。それは以前Aさんと飲む機会があった時、Aさんは自分の子供のことで色々困ったことがあると言う話を聞いたことがあり、何か関係があるように感じたのだそうです。
改めてAさんに話を聞くと、初めは口が重くあまり話してもらえなかったそうですが、以前の飲み会の話題を糸口にして聞くと、実はAさんはお子さんの家庭内暴力という問題があり、最近エスカレートしてきて非常に悩んでいたということでした。子供が帰宅する頃になると家に一人でいる奥さんが暴力を振るわれて怪我をしないか、何か壊されているのではないか、大変なことになってしまわないか、心配で仕事も手につかなくなってしまうのだということでした。
この部長さんはAさんに、問題が落ち着くまで短時間勤務を勧め、子供の帰宅時間に家にいられるように配慮する措置をとったそうです。もちらんそれ以外もいろいろな面でフォローし、その後しばらくの期間を経てAさん宅の家庭内暴力も落ち着き、Aさんは通常の勤務に戻ることが出来たそうです。
以上は極端な例かもしれませんが、このようにプライベートな問題が仕事にも影響を及ぼし、その原因を知るには仕事上のコミュニケーションだけでは発見しづらいことがあるのだということです。そして業務外のコミュニケーションとして一番手っ取り早く、多くの人を対象に出来るのは実は飲み会なのかもしれません。
最近は上司や同僚の飲みの誘いを断る若手社員が増えているようです。
次回は職場での飲み会にあたって、私なりに気をつけている点について、少し述べようと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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