ある会合でのパネルディスカッションで、ワークライフバランス、ダイバーシティ(多様性の意味で、 企業で人種、国籍、性別、年齢を問わない人材活用のこと)の話題になった時、パネリストのお一人が「“女性の活用”という言い方がそもそも上から目線であり、自分は“女性の活躍”と言い直している」とおっしゃっていました。
“活用”という言葉をあえてかみしめてみると、確かに「使ってやるよ」「使い方を考えてやるよ」というニュアンスがあるように感じます。私は男性の立場で、何も気にせずに使っていましたが、お話を聞いてなるほどと思いました。
こんな話との関わりで、最近いろいろな人から発せられる“上から目線”の言葉が、結構気になっていました。政治家、芸能人、経営者、その他社会的に影響力がある人たちばかりですが、伝わってくるニュアンスとして「どうせ気がついていないだろう」「お前たちじゃ理解できないだろう」「代わりに言ってやってるんだぞ」「俺って頭いいだろ」・・・その他もろもろですが、そんな感じを受けることが多々あります。
ご本人はたぶん無意識でしょうが、やっぱり深層心理の本音で、どこかそういう気持ちがあって、それがちょっとした振る舞いや態度、言葉選びに出てしまっているのではないでしょうか。
本音を隠せとは言いませんし、自分の意見をはっきり述べるのは大切なことですが、どうも「主張すること」ばかり強調され、聞いている相手の事情や心情、関係者への配慮、そして何より他者へのリスペクトや謙虚さを欠いているように感じてしまいます。攻撃的なばかりでは、かえって自分の主張は通らなくなってしまうと思います。
いずれにしても、ちょっとした態度や言動、そして特に「言葉選び」には、気をつけなければならないと感じています。そして、年を重ねるほどになおさら、「オレ様」な態度にならないよう気をつけなければいけないと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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