見積もりしない建物・・。

建物の値段・・８

建物の値段の出し方について書いてきました。

建物は設計してそれを元に見積もりをして値段を決めます。

ところが、世の中にはこの「見積もり」ではない建築費用の決め方をする建物があるのです。

なんか・・

さんざん見積もりしろって言ってきたのに・・

ここまで出来ない出来ないと言ってきたのにもかかわらず・・

定価が決まっている建物がある。

申し訳ない・・

１つは建ててから売る建物・・

つまり建て売り住宅とかマンションとかです。

これらは、すでに出来上がっている物を買いますので当然値段ははっきりしています。

ただ、これらは自由設計やデザインではありません・・

出来上がっているのですから。

ところが、自由設計の注文住宅でありながらも定価の決まっている建物も１つあるのです。

それが、工場生産つまりメーカー住宅と呼ばれる住宅です。

作る側が設定して決めた間取りを元に材料を工場で作り、その部品を現場で組み立てて建てるので地盤や基礎など以外は全て定価を設定することが出来ます。

注文住宅などと言っても、実は全てが決められた範囲の中の物なのでデザインも間取りも材料も機器も自由性はまったくないのですが・・

なので地盤や基礎や外構などは別にして建物を定価でいくらと表示します。

標準仕様なら坪単価いくらです、というわけです。

住宅展示場に建っている家というのは多かれ少なかれこれに近い。

お客さんが住宅は買う物だと勘違いしてしまうのはこのメーカー住宅のせいなのです。

家を建てようと考えたお客さんは誰しも大抵はまず住宅展示場に行ってみます。

すると・・

そこに、この家はいくらです！

と書いてある。

そして・・

相談に行った翌日にはプランとデザインパースと見積書が提示され・・

下手すると頼んでもいないのに翌週には全設計図が提示されます。

だって・・

決まってるんだもん。

選んでるように思うのは、考えてるように思うのは、実は全て決められた範囲の中で選んでいるだけ。

実は・・

設計も見積もりも・・

とっくの昔にず～っと前にやってある。

その企画住宅を開発したときに終わっているのです。

そう・・

材料まで工場でとっくに作ってある。

あとは、選んだ間取りにあわせてボタン押してコンピューターから出してくるだけです。

いえいえ悪いと言っているのではありません。

違うと言っているのです。

これは買う家・・

世の中で中古や建て売り以外の買う建物はこれだけです。

住宅はもちろんのことビルだろうが店舗だろうが工場だろうが・・

見積もりすることなく買うことの出来る建物というのはこのメーカー住宅しかありません。

それ以外の建物は全てそこに建てるのです。

一軒一軒・・

敷地も環境も向きも高さも何もかも全てが違うのですから。

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