日経記事;『トヨタ、世界生産1000万台 今年、国内20万台上積み』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『トヨタ、世界生産1000万台 今年、国内20万台上積み』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月31日付の日経新聞に、『トヨタ、世界生産1000万台 今年、国内20万台上積み』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車は2013年のグループ世界生産を1010万台程度とする計画をまとめた。ハイブリッド車(HV)の販売が好調なほか、円高修正に伴う輸出拡大により国内生産を中心に当初計画より20万台程度増える。

世界の自動車メーカーで年間生産台数が1000万台を突破するのはトヨタグループが初めて。トヨタが生産を上積みすることで国内の自動車部品メーカーを含めて雇用などへの波及効果が見込めそうだ。

トヨタは生産計画を主要部品メーカーに通知した。8月2日の13年4~6月期の決算発表にあわせてダイハツ工業と日野自動車を含めた世界生産計画を公表する。

トヨタ単体(レクサスブランド含む)の生産は約890万台。このうち、国内生産は330万台強となる見通しだ。12年末に発表した計画に比べ20万台強増える。

当初計画ではエコカー補助金終了の反動もあり、12年実績(349万台)から1割少ない310万台を想定していた。ただHVや高級車「クラウン」などの販売が好調なほか、中東向けを中心に輸出が増えている。

海外は当初560万台を計画していたが、これより数万台少ない台数に下方修正する。

北米は好調だが、インドなど新興国で景気が減速しているためだ。12年実績の524万台からはプラスだが増加幅は縮小する。ダイハツと日野はほぼ計画通りで推移している。

トヨタは12年8月、12年の生産を1005万台とする計画を発表。ただ、同年9月に起きた沖縄県の尖閣問題を巡って日中関係が悪化し中国での販売が低迷。12年の生産台数は990万台にとどまった。最近は中国の販売も回復基調にある。

トヨタは13年度の世界販売台数を1010万台と計画している。13年1~6月はグループを含めた世界販売で首位を守った。ライバルの米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)も中国などで販売を増やしトヨタを追撃している。』


円安効果が実ビジネス、特に製造業に好影響を与え始めています。US$1が80円台では、国内企業の輸出価格が台湾、韓国、中国勢に負けていましたが、100円近辺では価格競争力がついています。

国内輸出企業が1~2割値引いても事業の収益に深刻な影響を与えないようになっているため、同一品質や機能・性能でアジア勢と勝負する場合、輸出価格の値下げは有効な武器になっているようです。

最近、私のところに新規に輸出事業を行なうので、代理店探しや代理店契約などについての問い合わせや相談件数が増えています。

6月26日には、ジェトロ富山さん主催の「海外販路開拓のための代理店マネジメントセミナー」の講師を務めました。

今まで国内事業のみを行なっていた企業が、海外市場に進出するには、代理店を使うことが有効な方法の一つになるからです。


本日の記事は、トヨタ自動車の世界生産が1000万台に達する見込みであることについて書いています。

円安効果で、中東などへの輸出も伸びて、国内生産が当初見込みの310万台から20万台増えて、330万台になるとのこと。

もちろん、トヨタの販売・生産台数が伸びているのは、円安効果が主な理由ではなく、北米および東南アジア地域での実需の増加によります。

北米市場は、全体経済の回復と共に、シェールガスやシェールオイルの急速普及により、エネルギーコストが下がり、自動車に対する需要増加状況になっています。

逆に今まで自動車需要を引っ張ってきた中国やインドなどの新興国市場の動きが停滞気味になっています。

自動車市場のもう一つの成長要因は、東南アジア地域での顕著な需要増加です。ASEANを中心とする15歳から64歳までの生産年齢の人口増加で、自動車を購入する顧客が増えていることによります。

生産年齢人口に属する世代は、日本を含む海外からの投資で、工場勤務人口(労働者数)が増えたことと、労働者賃金の上昇で、所得水準が増えていわゆる中間所得層が増加しました。

この増加した中間所得層が、東南アジア地域での需要を引っ張っています。タイは、その最先端を走っています。

日本の国内企業が1960年代から自動車や電機製品分野を中心に、長期間投資してきた結果、タイは産業集積が進み、ほぼ国内と同程度の状況になっています。

タイの失業率は、現時点でほぼゼロになっています。タイは、まさに中間所得層が拡大しており、ASEAN域内で、大きな存在感を出しています。

インドネシア、ベトナム、フィリピンなどがタイのあとを追って、投資を呼び込み製造業やソフトウエア産業の育成強化を図っています。

同時に、タイと同じように、生産年齢人口数と所得水準が上昇しつつあり、今後、中間所得層の急激な増加が見込まれます。

ASEAN域内の企業や人たちは、国内企業がタイで行なってきた長期間の投資と、従業員教育訓練のやり方や長期雇用などの日本流の経営のやり方をみています。

従って、基本的には日本企業の現地への投資は歓迎されます。国内経済成長と強化に日本企業が貢献するからです。

ASEANは、2015年に経済統合が予定されています。経済統合されますと、ASEAN域内の関税が基本的にゼロになります。

物流コストが無視できれば、ASEAN域内で作った商品はどの国でも関税ゼロで販売できるようになります。

従い、ASEAN域内の国ぐには、自国内での製造拠点強化を図るやり方をより積極的に取るようになります。

ASEANは、米国、日本、EUなどと自由貿易協定を結んでいたり、交渉中であることから、域内で作った商品を当該協定に基づいて輸出できます。

トヨタや他の国内自動車メーカーは、巧みにASEANの中に入って投資を継続的に行ない、輸出基地として活用すると共に、域内の需要を取り込んでいます。

7月29日付の日経新聞によると、東南アジア主要6カ国の1~6月の新車販売台数は前年同期に比べ15%増の182万332台であり、日本車のシェアは80%を突破したとあります。

この市場規模は、ブラジルやインド、ロシアとほぼ同じ水準になります。

この80%というシェアは、単純に日本から東南アジアに輸出していたら、達成できません。国内自動車メーカーが、ASEAN域内で当該地域の要求仕様・機能・性能・価格に合った商品を開発・製造することで達成できたといえます。

日本企業で働く従業員の給料が増えて、少々余裕が出てきた中間所得層が国内自動車購入の中核になりつつあります。日本商品に対する高い信頼感も80%のシェア獲得に貢献しています。

国内企業がタイで行なってきた長期投資のやり方が、市場創造・拡大を生み、国内企業に対する信頼感が高くなっていることも、80%のシェア獲得につながっています。

記事によると、国内自動車メーカーはさらにASEAN域内での投資を強化するとのことです。

ASEAN域内の自動車需要は、インドネシアの減速などで多少の上下変動がありますが、基本的には今の底堅い状況が今後も続くとみています。

国内企業は、自動車や電機製品と同じように、ASEAN域内での事業拡大をすることで、域内だけでなく、北米などの他の地域での需要を取り込める可能性があります。

特に、これから新規に海外事業を行なう中小企業は、ASEANから始めるやり方が一つの方法になります。

ASEAN進出は、当然のごとく、事前に入念な情報収集や分析、および周到な事業計画作成が大前提であり、必要であることは間違いありません。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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