「クリック365」以外のFX
FX(外国為替保証金取引)から発生した確定売買益(スワップ損益を含む)は、雑所得として総合課税の対象となります。
1月1日から12月31日までの期間に確定した売買損益を合算して利益となった場合は、総収入金額から取引手数料など必要経費を控除した金額が総合課税の雑所得として課税対象になります。
ただし、未決済ポジションの含み損益(為替損益およびスワップ損益)は課税対象外になります。
(給与所得者で、この雑所得を含めて給与所得、退職所得以外の所得の合計が20万円を超えた場合、確定申告をしなくてはなりません。)
また、FXから生じた損益は、総合課税の雑所得の範囲内で合算できます。従って、申告分離課税の株式の売買、取引所為替証拠金取引(くりっく365)、日経225先物取引・オプション取引あるいは商品先物取引(CX)から生じた損益とは通算できません。
「クリック365」のFX
1.申告分離課税の対象となる
取引所為替証拠金取引(「くりっく365」)により発生した確定売買益(スワップ損益を含む)に対して、次のような税法上の優遇を受けることができます。
「くりっく365」で発生した利益は、雑所得として申告分離課税の対象になります。
税率は所得にかかわらず一律で、所得税が15%、地方税が5%となります。
※「クリック365」以外のFXによる利益は、雑所得として総合課税の対象になり、税率は所得(給与等を含む)に応じた累進税率です。
2.他の商品で発生した損益との間で損益通算できる
「くりっく365」で生じた損益は、他の取引所で行われる日経平均先物取引・オプション取引、商品先物取引で発生した損益と通算し、申告することが可能です。
※「クリック365」以外のFXで発生した損益は、他の商品(上記の取引所取引)との損益通算を行うことができません。
3.損失が発生した場合、翌年以降に損失を繰越すことができる
「くりっく365」で生じた損失の金額のうち、その年に控除しきれない金額については、確定申告により、翌年以後3年間にわたり、繰越控除できます。
※「クリック365」以外のFXで発生した損失は、翌年度以降に繰越すことができません。
このコラムの執筆専門家
- 佐々木 保幸
- (京都府 / 税理士)
- 税理士法人 洛 代表
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