プロダクト=製品、プライス=価格、プレイス=流通、プロモーション=販売促進が4つのPで、モノ売る仕組みを考えるためには、この4つの要素をバランスよく考える必要があります。著作の「マーケティング・マネージメント」は現在も、経営や販売企画に携わる人には必読書の一冊です。
そのコトラーさんはインタビューの中で、日本は70、80年代を通して、よりよい製品をより安く作ることにかけてはチャンピオンになったために、松下幸之助、本田宗一郎のような「創業者でクリエーティブな考えを持つ人材の系譜が途絶えてしまった」と発言しています。
また日本では、4つのPに関する理解が進んでいないとも言います。マーケティングそのもののステータスが低く、マーケティングをプロモーションとだけ捉え、広告を打つだけでいいと考えるビジネスパーソンが多い。ほとんどの日本企業には、CMO=最高マーケティング責任者という役職がない。
日本の経営トップは、マーケティングによって、製品や組織を変えることができることを認識してないとも言います。リーマンショック後、韓国の現代自動車が米国市場で急速にシェアを増やしました。その背景には、現代自動車を購入した人が失業した場合、ローン免除や車の返却で支払いが発生しない制度の導入があったようです。
お客さんの心理を読んだ、マーケティングによってお客さんを増やした好例です。日本では、このようなお客さんニーズにしっかり応えたマーケティングやプロモーションは少ないです。今でも、製造サイドや販売サイドの意向に沿ったビジネススタイルが少なくありません。
その影響なのか、起業においても、資金計画や法令に関しての悩みばかりが多く、いかにお客さんを増やすとよいかといった相談が少ないことが気になります。顧客作りは起業の原理原則の第一歩ですが、ここを後回しにして起業する人がとても多いです。起業で失敗が多いのも、こんなところに原因があると思います。
【一言】
ピーター・ドラッカーさんや野中郁次郎さん、フィリップ・コトラーさんなど、企業経営の理論家たちは、みなさん長いこと現役で活躍しています。ドラッカーさんこそ、95歳で亡くなりましたが、最晩年まで執筆活動や企業のコンサルティングに精をだしていました。社会の変化についていけたなら、長年の経験は役立つのがビジネスの世界です。
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