日経記事;『スズキ、1000億円でインドネシア新工場 東南ア攻略拠点に』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『スズキ、1000億円でインドネシア新工場 東南ア攻略拠点に』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月28日付の日経新聞に、『スズキ、1000億円でインドネシア新工場 東南ア攻略拠点に 日本車生産、アジアが国内抜く』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『スズキは2014年をめどにインドネシアに乗用車工場を新設する。投資額は約1千億円。低燃費対応の最新エンジンから車体まで一貫生産し東南アジア各地に供給する。

日産自動車やホンダなども同地域で増産に動いており、16年にも日本車のアジア生産は合計で年1千万台に達し国内を上回る見通し。グローバル化が進む日本の自動車産業で同地域の重みが一段と増しそうだ。

アジアの新車市場は経済成長を背景に拡大基調が続く。東南アジア主要6カ国は12年の販売台数が計348万台となり、新興国の主要市場のロシアを抜きインドと肩を並べた。

伸び率は前年比33%増と世界の主要国・地域で最大。日本車各社の積極投資が続くが、なかでもスズキのインドネシア新工場建設は大型の案件となる。

スズキはアジアではとくにインドに強く、シェア4割を握る首位で年117万台を生産する。同社の世界生産(12年度実績で288万台)に占めるアジア比率は5割強で、インドネシアの増産により6割を超える。平均3割程度の日本車各社を大きく上回りアジア戦略で優位に立つ狙いだ。

現状のインドネシアでの年産能力は約15万台。新工場稼働で年20万台まで高め拡張も検討する。投資額1000億円のうちエンジンなどに400億円、600億円を乗用車工場に投じる。同社の主力軽自動車「ワゴンR」に排気量1千ccエンジンを搭載し生産する。

新工場は軽量素材から最新の低燃費エンジン、車体まで一貫生産するため大がかりな投資になる。生産車種は東南アジアで広く販売する計画で、将来の増産へ大規模投資が必要と判断した。

他の日本車メーカーもアジアで生産増強に動く。トヨタ自動車とダイハツ工業は共同開発した排気量1千cc級の小型車をインドネシアで8月から年10万台生産する。

日産、ホンダなどの新工場ラッシュがアジア各地で続く。各社の増産計画を合算すると16年に年1000万台を超える。12年の国内生産は994万台で今後も伸び悩む。アジアが日本車各社にとって世界最大の生産拠点に取って代わることになる。』

ASEANは、2015年に経済統合を行なうスケジュールで動いています。実現するまでには、現時点で幾つかの未解決課題があり、経済統合を疑問視する人たちもいます。

しかし、ASEAN域内の国ぐには、経済統合の経済的価値を共有しており、幾つかの課題があるにせよ、統合実現に向けて努力するとみています。

ASEAN経済統合が実現しますと、最大のメリットは、基本的に域内の関税がゼロになることです。これは、ASEAN域内で作られる商品は、どの国で作っても、輸出入に関わる税金がゼロになりますので、物流コストを除けば、どこの国で作っても域内生産に差はなくなることを意味します。

また、ASEANは、米国、EU、日本などと自由貿易協定(FTAなど)を結んでいきますので、域内で作った商品は、当該貿易協定に従って、これらの国ぐにに輸出できます。

このように、ASEANは、国内企業にとって他地域や他国への輸出基地として重要な地位を占めるようになっています。

自動車や電機製品の生産基地として最も産業集積が進んでいるのが、タイです。国内企業は、1960年代からタイに積極的な投資を行ない、現地企業の育成に取り組んできました。

約50年たった現在、タイの産業集積は日本国内並みに進みました。これは、国内企業が現地従業員の教育訓練をきちんと行ない、部品などの関連企業を育ててきた結果によるものです。

ASEAN域内の人と国は、国内企業がタイで行なってきた企業・産業育成のやり方を知っています。現在、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどが第二のタイを目指して、製造業育成に動いています。

本日の記事は、スズキがインドネシアに1000億円を投資して、エンジンから車体までの一貫した生産拠点設立することについて書いています。

自動車や電機製品などを海外市場で売る場合、当該市場に近いところで、開発・生産することが成功するためのポイントの一つになります。

これは、現地顧客の要求仕様・機能・性能・価格に合わせた商品開発と生産するために必要なことによります。

トヨタをはじめとする国内自動車メーカーがタイを中心に工場をもっていることは、ASEAN域内から他地域、他国への輸出と、域内市場の中間所得層需要獲得の二つの意味があります。

ASEAN域内の中で、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピンなどで、15歳から64歳までの生産年齢人口が急増しており、中間所得層としての大きな潜在顧客がいます。

国内自動車メーカーや電機製品メーカーは、この中間所得層の顧客獲得を積極的に行なっています。

今回のスズキの動きは、競合他社と同じように、ASEAN域内に拠点を作って大幅な売上拡大を図るやり方を取ることを意味します。

スズキは、インドではすでに長期間にわたって現地生産と市場開拓を行なって、現時点で40%のシェア獲得をしている実績があります。

スズキは、インドでの経験と、軽自動車で築いた低燃費技術を武器に小型車市場で一定のシェア獲得を狙います。

スズキの事業展開は、海外事業経験と、小型車開発・製造の実績などから、成功する確率は高いとみています。

ASEAN域内での、国内自動車メーカー同士の競争は、さらに激化します。競争がさらにより良い商品開発・提供につながりますので、国内自動車メーカーの実力向上につながります。

国内企業は、自動車や電機製品だけでなく、他の事業分野でもASEANなどの新興国市場を取り込まないと、世界市場で勝ち組みになれません。

新興国市場の中で、現在最も大きな経済成長を遂げているASEAN市場の取り込みは、重要になります。

同時に、ASEAN域内のインドネシア、フィリピン、ベトナムなどの国で製造拠点をもって他国・他地域に輸出する基地としての機能活用もより重要になっています。

初めて海外進出する中小企業にとって、すでに進出した多くの国内企業のノウハウ活用の可能性と、中間所得層が伸びている消費者市場としての大きさの両面から、ASEANは魅力ある地域になっています。

多くの中小企業がASEANに関心を示していますし、私への相談件数も増えています。

しかし、中小企業は、ASEANに投資もしくは進出する前に、入念な事前調査・情報収集、およびしっかりとした事業計画の作成が必要であることは間違いありません。

安易な気持ちでASEAN進出すると、大やけどを追う可能性がありますので、中小企業は慎重にかつ大胆に、事業展開することが重要であり、必要なことになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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