第6回 住宅購入のリスク - 住宅ローン全般 - 専門家プロファイル

藤 孝憲
FPオフィス ベストライフ 代表
埼玉県
ファイナンシャルプランナー

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閲覧数順 2024年04月18日更新

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第6回 住宅購入のリスク

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住宅ミニコラム

住宅の購入を考える際に頭をよぎるのが、「これだけの借り入れをして返済していけるのか」という点があります。マイホームがほしいという希望とともに、ご家庭が新たに抱えるリスク。住宅購入を早いうちから計画することでリスクを軽減することが可能ですが、一体どのようなリスクがあるでしょうか。今回は、住宅購入によるリスクを見ておきたいと思います。


ご家庭が抱えるリスク

 

住宅の購入により家計のリスクをお伝えする前に、すでに多くのリスクがご家庭にあることを確認しておきたいと思います。リスクが発生すると、発生前との差を埋めるための資金が必要となります。

勤務先の業績悪化、転職、解雇など → 収入減分の資金

病気、ケガ → 治療費、収入減分の資金

介護 → 介護費用、収入減分の資金

自動車(自転車)事故 → 損害賠償、治療費、修理費

など、多くのリスクを抱えています。そして、これらのリスクが発生したときの資金を保障してくれるのが、保険です。ただし、収入減には対応しにくいかと思います。例えば、病気による収入減に対応するために、入院日額を少し多めにするという考え方がありますが、保障対象の病気にならないと収入減に対応できません。そもそもあらゆるリスクに対して保険を利用していると、保険料を支払うだけで手一杯になってしまいます。

■家族には多くのリスクがあります。
■保障には限度があります。
■リスクに対応するための現金(貯蓄)が必要です。


住宅購入によるリスク

では、住宅購入によるリスクにはどのようなものがあるでしょうか。真っ先に思いつくのは、ローンが払えなくなる破綻リスクです。

住宅ローンを組む時に、団信に加入しますが、収入減には対応していません。ですので、住宅ローンを組むことで(すでに収入減によるリスクは抱えていますので)収入減によるリスクがさらに高まることになります。

また、家計に釣り合わない物件購入による、教育費や退職後の生活資金の準備不足に陥るリスクがあります。月収という短期的な支払能力の判断のみ行い、中長期的な支払能力を判断しないと、他に資金がいきわたらないリスクです。

加えて、頭金充当や一部繰り上げ返済による資金の減少もリスクになります。これらは中長期的には利息負担額が減り、家計の負担が減るため、メリット はありますが、金額が大きすぎると、手持ちの資金が少なくなり、緊急時に対応できなくなります。一部繰り上げ返済をして利息軽減を図っても、大学入学費が 足りなくなり教育ローンを組んでしまっては意味がありません。

さらに、資金面ではなく、物件のリスクも少なからずあります。一戸建てを購入したけれど、雨漏りや壁・床のゆがみなどで、追加で資金を充当しなければならないかもしれません。

■住宅購入によるリスクを確認しましょう。

■資金計画は、木(短期)と森(長期)を見る必要があります。 

ここまで、様々なリスクを見てきましたが、リスクを完全に回避したいのであれば、住宅を購入しない、と選択肢になります(しかし、退職後の生活設計に家賃を組みこみ準備する必要はあります)。住宅購入に関する、考えられる選択肢を挙げてみます。

 

時期による選択肢

 

「リスクはあるが、購入を遅らせると、ローンが組めなくなる可能性があるので、子どもが小学生になる前に購入したい」

⇒ 長期ローンを組んで、退職前に完済する。しかし、収入が減ると、子どもの教育費準備ができなくなるなど、他の支出に影響が出る。ご家庭によっては、将来、住宅の買い換えによるローン負担が増加する可能性もある。

「子どもが独立するまでは、住宅のリスクは負いたくないので、柔軟に動けるように賃貸にする」

⇒ 教育費と住宅購入費の時期をずらす。子どもに手がかからなくなったら、奥様も働いて、 住宅購入資金を作り、退職金の活用も視野に入れながら、ローンを組まずに購入する。ご夫婦お二人が住むだけの広さで良く、また、バリアフリーや交通の便など、退職後の生活を想定した物件選びができる。

物件による選択肢

「新築を購入する」

⇒ 一般的には中古物件に比べ、リフォームや修理の費用を負担するのは数十年後。

「中古を購入する」

⇒ ホームインスペクターによる住宅診断を利用して、リフォームや修理の計画を立てる。物件価格を抑えることで、利息負担が減る。借入期間が短ければより低い金利で借り入れることができる。

おわりに

「住宅を購入したい」というご家族の願望や価値観が勝るか、「リスクは避けたい」という考えが勝るかになります。先に述べた各選択肢は、資金的に無理が生じる可能性もあるため、総合的な判断が必要となります。

早めに貯蓄をし、頭金を数千万円準備するご家庭は、リスクをできるだけ回避し、希望通りの住宅を購入する、理想的な資金計画・ライフプランです。しかし、どのご家庭も準備がしっかりできるているわけではありません。ご家庭の立場に立って考えるファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザーとして、ご家族のご希望をお伺いしながら、どうやってリスクを軽減していくか、丁寧なヒアリングを通してアドバイスさせて頂いております。

「住宅ローン」に関するまとめ

  • 住宅を購入する際に多くの人が利用する住宅ローン。不明点が多い住宅ローンを専門家が解説します。

    「どんな住宅ローンを選べば良いのか?」「フラット35の審査に落ちてしまった」「住宅ローンを夫婦で返済していたが離婚する」「転職した場合に住宅ローンはどうなるの?」「最近の住宅ローンの金利の動向はどんな感じ?」「繰り上げ返済はやった方が良いのかな?」など、住宅という大きな買い物をするために住宅ローンをお考えの方はお悩みや疑問、不安を持っていると思います。 そんな住宅ローンに関する疑問や不安を解決するために、参考となる専門家発信の住宅ローンに関する情報をまとめました。

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