日経記事;『NTTや富士通など,8K放送用に半導体を共同開発へ 高精細映像を送信,世界標準狙う』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『NTTや富士通など,8K放送用に半導体を共同開発へ 高精細映像を送信,世界標準狙う』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営コンサルタントの活動 新規事業開拓・立上支援

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月19日付の日経新聞に、『NTTや富士通など,8K放送用に半導体を共同開発へ 高精細映像を送信,世界標準狙う』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『NTTは富士通などと共同で、「4K」「8K」と呼ばれる次世代の高精細テレビ放送用の半導体を開発する。現在のハイビジョン放送より解像度の高い映像をテレビに送るためデータ量を圧縮する中核部品で、限られた電波の中で多チャンネル放送を実現する。

これまで両社はそれぞれ半導体を放送機器メーカーに販売してきたが、オールジャパンで協力し世界の放送機器向けでシェア5割を目指す。

次世代の高精細テレビ放送システムはNHKやソニーなどテレビメーカー各社が日本の技術方式の世界普及を狙っている。日本では2014年に4K、16年に8Kの試験放送を始め、20年の本放送につなげる計画。

ライバル関係にあったNTTと富士通が中核となる半導体を共同開発すれば放送システムの早期開発や低コストにつながり、日本方式の普及につながるとみている。

共同開発にはこれまで画像圧縮半導体を手掛けてきたNTT、富士通のほか、関連技術を持つNECと三菱電機が加わる。14年末には放送機器メーカーへのサンプル出荷を始める計画だ。

開発する半導体は映像の中の動きのない部分を間引くなどして、映像のデータ量を300分の1程度まで圧縮する。容量が限られた放送電波や光ファイバーの中で、多チャンネル放送をするうえで欠かせない役割を持つ。

半導体の価格は当初1個につき数十万円となる見通しだ。

現在、放送システムに使う画像圧縮半導体の世界市場は年間百数十億円とされ、NTT、富士通のほか米マグナム・セミコンダクター、カナダのビクシス・システムズなど専門メーカー5社がそれぞれ20%前後で市場を分け合っているもよう。

4K、8K向け画像圧縮半導体は北米メーカーも開発を進めている。日本勢は協力して高性能の半導体を製品化することで、デファクトスタンダード(事実上の標準)の獲得をめざす。』


このところ、たびたび4Kという言葉が新聞やテレビに登場しています。4Kとは、現在のデジタルハイビジョン放送の4倍の解像度をもつ次世代の放送システムの総称です。

家電量販店では、すでにソニーなどが4K対応のテレビを発売しています。現時点の4K対応テレビは、ハイビジョンなどの映像データをテレビ内部で加工して高い解像度を出しています。

8Kは、デジタルハイビジョンの16倍の解像度をもちます。

本日の記事は、現在のデジタルハイビジョンからの加工ではなく、4Kや8Kの画像を撮る時点から、撮った素材を加工・圧縮・編集して、コンテンツのテレビ放送につなげる一気通貫のシステム構築をオールジャパン体制でやっていこうとする姿勢や体制について書いています。

この一気通貫システムの実用化のカギになるのが、画像圧縮技術です。4Kや8Kは、現在のデジタルハイビジョンの4倍から16倍の巨大な映像データをもちます。

この巨大な映像データをそのまま取り込むと、当該コンテンツをテレビ放送では流せません。データ量が大きすぎて、現行のテレビ放送網では取扱いできないことによります。

いわば、細いパイプに大量の水を流し込んで、オーバーフローする状況になるのと同じです。

4K、8Kの大容量映像データを扱うには、画像圧縮技術が必要になります。元の画像を圧縮すると、オリジナルデータが削られますので、元の画像自体が劣化します。

画像圧縮技術は、可能な限りオリジナルの画像データを残しつつ、放送用機器やテレビ放送などで扱えるデータ量にするバランスが求められます。

同時に、大容量データを可能な限り迅速に処理する能力を求められます。

上記のような幾つかの要求仕様を満たす画像圧縮技術は、簡単にできるものではありません。本日の記事では、画像圧縮用の半導体を供給しているNTTと富士通が共同で、当該半導体を開発・供給することについて書いています。

これは、上記オールジャパン体制の中で、中核技術となる画像圧縮用半導体開発に相当します。

4K、8Kは、次世代放送規格、装置になりますので、世界で使われるには、世界標準となる規格化が必要になります。

国内メーカーの画像圧縮技術が世界標準となれば、次世代放送規格のプラットフォームを握ることができます。

現在のデジタルハイビジョンでは、技術方式が日本、米国、欧州、中国の4つに分かれています。国内メーカーが、4K、8Kの画像圧縮技術用の半導体を実用化すれば、日本方式が世界標準になる可能性が高くなります。

放送用カメラや装置では、ソニーやキャノンなどの国内メーカーが勝ち組みになっていますが、テレビは、韓国勢に圧倒されています。

4K、8Kについては、ソニーも再度テレビ事業で勝ち組みになれる可能性があります。但し、4K、8Kもいずれは、現在のテレビと同じように、汎用化していきますので、価格競争に巻き込まれないように対応することが必要になります。

多分、ソニーは今までの価格競争でいろいろな経験をしていますので、徹底的な差別化・差異化できるテレビ事業領域での勝負をすると期待しています。

さて、4K、8Kは、放送用装置やテレビだけでなく、多用途でその高画質が期待される分野があります。

その一つが医療分野です。現在の高度医療は、患者の体内の状況を内視鏡やモニターを使って見ながら行ないます。

4K、8Kの画像圧縮技術を使えば、現在のデジタルハイビジョンより高精度な画像で患者の体内を見れますので、より高度な手術の成功の可能性がより高くなります。

カメラの眼となるCMOSなどのセンサーデバイスの高性能化も進んでおり、ソニー、キャノン、東芝などの国内メーカーが開発・実用化を進めているとみています。

当然、4K、8Kの画像を取り込むセンサーデバイスをもったカメラも開発・実用化されます。当該カメラは、放送用だけでなく、医療用途などでも使用されます。

4K、8Kのカメラ、圧縮技術を搭載した加工・編集装置、インターネット回線を利用した当該画像データの送信、モニターでの視聴は、遠隔医療の高度化を促進・実現します。

また、4K、8Kのテレビ会議システムが実現すると、インターネットを使った遠隔地間での会議や会話が、より高い臨場感をもってできますので、テレワークの更なる普及、や東京と地方、日本と海外の間のコミュニケーションの活性化にも貢献します。

画像圧縮技術を核にして、撮りから加工・編集、視聴までのすべての装置・システムを一気通貫で、国内メーカーがすべておさえれば、大きな付加価値を生みます。

そのためには、上記しましたように、オールジャパン体制で世界で一番早く実用化して、画像圧縮技術が世界標準として、規格化される必要があります。

国内メーカーによる4K、8Kの画像圧縮技術が世界標準として、プラットフォーム化されますと、関連事業分野で、多くのベンチャー・中小企業にとって大きな新規事業機会が生まれます。

これらの観点から、NTT、富士通を中核にした4K、8Kの画像圧縮技術を実現する半導体開発・実用化と、関連デバイスや装置の開発・商品化に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;"下請け中小製造業、自社製品開発で二刀流"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/12/03 11:33)

日経記事;"iPS細胞、効率よく培養 ニコンや島津が専用装置"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/10/06 10:05)

日経記事;『医療・航空で規制緩和 成長戦略に』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/07/02 11:18)

日経記事;NECの研究開発、海外比率50%へ 17年に、に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/12/30 08:24)