新人バイトには3日目にフォローアップオリエンテーションを実施しよう - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

松下 雅憲
株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
東京都
店長育成・販売促進ナビゲーター

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対象:人材育成

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新人バイトには3日目にフォローアップオリエンテーションを実施しよう

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「今日で3日目のお仕事も後1時間ね。じゃあ、ここからの1時間は、2回目の面談をするわね。では、最初の質問です。『今どんな気分?』」

店長は、新人アルバイトKさんと2回目の面談を行いました。そして最初の質問がこれ。この2回目のオリエンテーションを「フォローアップオリエンテーション」と言います。アルバイト初日の一番最初に行うのは「ファーストインオリエンテーション」です。オリエンテーションとは、「順応のための教育指導」が、元々の意味です。お店で新人に対して行うのは、「初めての環境で、楽しく早く戦力になるためのミーティング」です。

このオリエンテーションは、入店初日の最初の1時間に行います。そして最初のフォローアップオリエンテーションは3日目の終わりの1時間。3回目は30日後に行います。そして3回目が3ヶ月後。これは、一般的に、入店後3日目、30日目、3ヶ月目に人間関係や、仕事のスキルやお店の方針などとのギャップから、退職してしまうアルバイトが多いことから、その対応策として、このタイミングでフォローアップを行っているのです。

せっかく、ビジョンに共感して採用されたのに、教える側の微妙な教え方の違いやお店の習慣、教えられる側の勘違いや自信のなさから、新人はほんのチョットしたことでも、不安感や違和感が徐々にふくれあがっていくのです。そして誰にも相談出来ずにある日突然辞めてしまうのです。

なので、最初の間はトレーナーがマンツーマンで指導するし、店長が3日、30日、3ヶ月のタイミングで、フォローアップオリエンテーションをするのです。新人を勘違いや誤解で辞めさせてはもったいないのです。ほとんどの初期退職は、コミュニケーションギャップに起因することが大半です。ですので、店長は必ず自らの手で、フォローアップオリエンテーションを実施するのです。

そして、冒頭の会話になるのです。
店長「で、今はどんな気分?」

まずは、ゆっくりニュートラルな質問からスタートします。
Kさん「はい、未だ慣れなくて・・・ちょっと疲れました。あ、でも大丈夫です!元気です!」

店長「じゃあ、まずは、初日からの3日間の毎日の目標とその進み具合を教えてちょーだい。(笑)」
店長は、笑顔で次の質問をしました。

Kさん「まだ、お仕事はチャンとは出来なくて・・・自信は無いのですが・・・今日は、新人同士でトレーナーから教わったことを教えあったんです。面白かったです。」
店長「いいね~!で、教えあいっこをしてみてどう感じましたか?」
Kさん「楽しいです!でも、人に教えるって大変ですよね。自分が出来ないと、どう教えて良いのかが良くわからないんですよね~。だから、教えあいっこの前は練習で必死でした。緊張しました。」

Kさんが言う「教えあいっこ」と言うのは、新人同士で、教えあいながら確認するという作業です。学んだ内容は三人に教えると確実に覚えると言います。この店では、新人が学んだ知識を自分のモノにするために、新人同士で教えあったり、時には、トレーナーに教えてみたりしているのです。

いくら単純な作業であっても、意味があり、目的があります。
それをどう理解しているのかは、作業をみたり、知識確認テストをするだけでは、実は解らないのです。マニュアルをただ暗記する人もいますからね。本当に理解しているかどうかは、「人に教える」所を観るのが一番良いのです。そして、その時に、教え方・手本の見せ方・認め方・ほめ方を同時に教えるのです。すると、成長のスピードが全然違うのです。人に教えることで、自分の存在価値も高まり、モチベーションが大きく増大するからです。そうなると、辞める理由はなくなるのです。

入店3日目の最後に行うフォローアップオリエンテーションでは、特にこの点をどう感じているかを確認するのです。詳しいやりとりはまた明日。

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