日経記事;『ASEANルネサンス(3)国境地域を狙え 地の利 回廊で高まる』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ASEANルネサンス(3)国境地域を狙え 地の利 回廊で高まる』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月6日付の日経新聞に、『ASEANルネサンス(3)国境地域を狙え 地の利 回廊で高まる』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ベトナム国境沿いの町、カンボジア東部バベット。カジノホテルくらいしか産業がなかった町に精密機器メーカー、日本精密の工場建設が進む。「普及品の生産ラインをベトナムからカンボジアに全面移管する」。社長の岡林博(63)は決意した。

同社はカシオ計算機のヒット商品「Gショック」の腕時計バンドなど時計の外装部品を製造する。バベットのドラゴンキング経済特区に約13万平方メートルの土地を確保。ベトナム人技術者を大量に送り込み、年内に工場稼働にこぎ着ける。

工業用地の価格はベトナム都市部の5分の1程度。最低賃金も月80ドル(約8000円)とホーチミン市の約110ドルより安い。バベットはベトナム、カンボジア、タイを結ぶ国際幹線道路「南部経済回廊」上に位置し、ホーチミン市まで約80キロメートル。片道2時間で行き来ができる。ベトナムの空港や港を使えば取引先のあるタイや香港との間の輸出入も容易だ。

便利で低コスト

メコン川流域国で「国境」への投資が盛り上がる。中心部から離れた国境地帯は人件費が安いうえ、国境を越え複数国の人材を利用できる。たくさんの国とつながりサプライチェーン(部品供給網)を組みやすい。消費市場も多岐に広がる。

タイ国境沿いのラオス中部サバナケット。ここに「ニコン城下町」が生まれようとしている。タイに比べて人件費は安く、ニコンは10月にタイから一眼レフデジタルカメラの一部工程を移管する。

関連部品メーカーも進出予定だ。「日本企業の問い合わせが急増している」と、ニコン工場の入る経済特区を運営するプノンペン経済特区社の上松裕士(46)は言う。

「カンボジアで初めて自動車生産が始まった」。昨年12月、カンボジアのフン・セン首相は西部コッコンを訪問。韓国・現代自動車の組み立て工場の稼働に喜びの声を上げた。

コッコンはタイ国境沿いにあり、部品はタイから運び込む。逆にコッコンからタイにも部品を運びやすい。矢崎総業は昨年末にコッコンに部品工場を開き、タイの自動車メーカーに供給する。

進む経済一体化

各国政府も国境の経済的な重要性を再認識。タイとカンボジアの両政府は6月、国境地域に共同で経済特区を開発すると決めた。通関窓口も4カ所に新設し、国境沿いの高速道路整備や50キロメートル超の鉄道建設も進める。

通関や出入国手続きの共通化・簡素化も進む。2015年末には東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体が発足。域内関税が撤廃され、投資や貿易の自由度も増す。

「ミッシング・リンク(途切れた輪)」と呼ばれてきたミャンマーの開発が加速すれば、国境を大きく踏み越え、メコン全域にまたがる広域サプライチェーンの構築も夢ではない。

メコン地域の国境は各国が何度となく戦火を交えてきた場所。その国境が経済一体化の象徴に変貌しつつある。』


本日の記事にありますように、ASEANは2015年に経済統合を行ないます。この経済統合が実現すると、基本的にはASEAN域内の関税が撤廃され、かつ、通関や出入国の規則や手続きが共通化されます。

経済統合後は、ASEAN内での事業活動は大幅にその自由度を増します。基本的には、商品をどこで作っても物流コストを除けば、同一条件で販売できることになります。

また、この経済統合の目的として、域内の連結性強化を挙げています。連結性とは、ヒト、モノ、カネが域内で自由に行き来できるようにすることです。

モノの連結性を実現するには、物流のインフラ構築が必要になります。港湾、道路、鉄道路線などが対象になります。

道路整備の観点からは、東西経済回廊、南部経済回廊などと呼ばれる国際幹線道路網を長年にわたって作ってきました

これらの幹線道路網の整備に従って、ASEAN域内のモノやヒトの移動に関する利便性が飛躍的に高まっています。

今までのASEAN進出は、すでに国内メーカーの産業集積が進んでいますタイが中心になっていました。

ASEAN各国は、タイを目標にして自国内への産業集積を進めています。インドネシアやフィリピン、ベトナムが積極的に企業誘致を行なっており、第二のタイを目指しています。

ASEAN統合後は、企業の進出先がインドネシアはフィリピン、ベトナムだけでなく、より労働者賃金の安いカンボジアやミャンマーなどに向かいます。

これは、上記しましたように、域内のどこで商品を作っても、モノの移動を自由にできる貿易ルールと国際幹線道路網の整備で実現することによります。

中国の労働者賃金は、毎年二桁の割合で上昇してます。今後、さらに国内メーカーは、生産拠点を中国からASEANに移管する動きを加速させるのは確実です。

ASEAN域内でも、タイやインドネシアでは労働者賃金が高騰していますので、新規に海外進出する国内メーカーは、カンボジアやミャンマーなどの低賃金国での展開を増加する傾向にあります。

もちろん、これらの国ぐにでは、電力不足や産業基盤の脆弱さなどの課題がありますので、当該社会インフラの整備状況を見ながら進出することになります。

日本政府は、巨額資金を投じて社会インフラの整備支援を行なうとしていますので、徐々に充実していくとみています。

最近、多くの中小企業からASEAN進出に関する相談や質問を受けるようになりました。特に、初めての海外進出先の候補地として、ASEANを考えている企業が多くいます。

ASEAN全体では、2030年から2050年くらいまで、15歳から64歳までの生産年齢人口が増えていきますので、今後、労働者賃金が上昇していきますので、大きな中間所得層が生まれます。

このため、ASEANは生産拠点だけでなく、消費者市場としての魅力ももっています。

これらの観点から、中小企業が初めての海外進出先としてASEANを選ぶのは経済合理性に適っています。

ASEAN自体、あるいは、加盟国がアメリカや欧州と自由貿易協定を結んでいますので、ASEAN域内で作った商品を当該貿易協定に従って、安い関税などで輸出することもできます。

ASEANが世界貿易のハブの一つになる可能性があります。この点もASEAN進出の魅力の一つになります。

しかし、何度も本ブログ・コラムで書いていますように、今まで海外での事業展開をしていない中小企業がやみくもにASEAN進出しても失敗する可能性が高くなります。

多くの中小企業が海外進出に失敗して、事業撤退をせざるを得なくなった実態が中小企業白書に書かれています。

これから海外進出することを計画している中小企業は、海外進出の失敗原因を良く分析して、事前に周到な準備をすることが重要であり、必要になります。

事前に情報収集と事業計画作成をしっかりと行なうことが、海外進出失敗を防ぐための最も効果的なやり方になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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