日ごろから食べものを食べる舌先の味覚を鍛えていないと、上質の肉もハンバーガーも、同じく感じるようになるのではと心配していました。現在、当時の若者たちは50代を迎える年代になっていますが、舌先の感覚はしっかり鍛えられ、上質和牛でもハンバーグでも同じと言う人はいません。
「若者世代の果物離れが加速」と書かれた記事を読んで、昔の上質和牛の話を思い出しました。生鮮果実の購入量は、年間一人当たり1988年には34.4kgだったものが、2011年は27.1kgまで減少しています。特に、20代、30代の若者の減少が激しく、60代の半分の量といいます。
果物の購入が減少した原因としては、皮を剥くとか、種を出すとか、「手間がかかる」ことをあげられます。反対に、ジュースや菓子などの果実加工品の購入は増加しています。また、酸味離れが進んでいて、グレープフルーツは売れなくなり、キウイやバナナが増加しています。
商品の購入傾向が変化するとき、起業にとっては大きなチャンスです。果物の手間を省くことで、新たなお客さんを作ることが考えられます。また、ナイフで皮を剥く作業が苦手なことを逆手にとって、料理教室では包丁の使い方に慣れるための、トレーニングを行って生徒数を増やしています。
ある年齢に達しますと、個人的に日ごろの自分の習慣を、見直すきっかけに出会うことがあります。運動がまったく苦手だった人が、ちょっとした運動のコツを知ることで虜になるようなケースです。生鮮果物を食べなかった人が、その美味しさに気付いたり、手間をかける楽しみを見出すことはよくあります。
日ごろ、起業に向けてトレーニングをしていますと、この商品購入の変化は起業のきっかけや味方にすることができます。昔よく卵を納めていた精肉店は、ビルになって1階は牛丼店になっていました。お客さんの味覚は、和牛を食べなくなることはなかったですが、小さな商店街でモノを買う習慣の方がなくなりました。
【一言】
社会が変化したり、お客さんの嗜好が変化することによって、昔ながらのお店が廃り、新しいお店がお客さんを集めるようになります。この変化がないと、大きな会社はいつまでも大きく、小企業はいつまでも小さなままです。起業では、この変化を上手く味方にすることによって、ビジネスを軌道に乗せ、お店を大きくすることが可能になります。
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